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テクニカルSEOの特徴を理解し、SEO対策を成功させよう!

ライティング

どんなに優れた商品・サービスを用意しても、ユーザーに認知されなければ、買ってもらえる可能性は生まれません。とりわけWebマーケティングにおいては、SEO(Search Engine Optimization)に注力して、Webサイトの集客力を高めることが大切です。

今回は、技術的なSEO対策である「テクニカルSEO」をテーマに採り上げます。特徴や対策のポイントを理解し、SEO対策を成功させましょう。

最後におすすめのツールもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

テクニカルSEOとは

テクニカルSEOとは、いかなる施策を指すのでしょうか。ここでは、コンテンツSEOとの比較を通じて、テクニカルSEOの特徴を明らかにしていきます。

テクニカルSEOとコンテンツSEOの違い

テクニカルSEOとは、Webサイトの内部構造を検索エンジンのアルゴリズムに適した構造に整備・改善することを指します。クローラビリティを向上させ、検索順位を上げるのが目的です。

一方のコンテンツSEOは、質の高いコンテンツの継続的な発信を通じて、検索エンジンからの集客増を狙う手法です。具体的には、適切なキーワード選定に基づくプロットの作成やタグの最適化、ユーザーニーズに適う記事の作成などです。

どちらもSEOの内部施策である点では同じです。しかし、施策のターゲットや業務領域は、以下のように異なります。

テクニカルSEOのターゲットは、機械である検索エンジンです。施策は、プログラミングやサイト設計などのエンジニアリング領域に属します。

対して、コンテンツSEOのターゲットは人間です。施策は、ライティングやデザインなどのクリエイティブ領域が中心となります。

得意とする分野の違い

テクニカルSEOとコンテンツSEOのどちらも重要であることに変わりはありません。しかし、先にみたように両者は業務領域を異にします。そのため、得意とする分野も以下のように変わってきます。

  • テクニカルSEO

ECサイト、求人サイト、不動産サイト、人材マッチングサービス

これら「データベース型」サイトでは、情報の鮮度や量が重視されます。ユーザーが必要とするのは、価値判断が分かれる事柄についての情報ではなく、商品やサービスに関するデータ化された情報です。Webサイトによりコンテンツの質や情報量に差が出ることは、基本的にありません。

テクニカルSEOを通じて、いかにしてクローラビリティの改善やインデックスの最適化を図れるかが、腕の見せ所になると言えるでしょう。

  • コンテンツSEO

メディア・ブログ系サイト、コーポレートサイト、ブランドサイト

「テキスト系」と呼ばれるこれらのサイトでは、サイトに書かれたテキスト情報が重視されます。特にブログ系サイトでは、コンテンツSEOを意識した記事の作成が欠かせません(SEOライティング)。

Googleでは、検索順位付け判定の1つに、ページランクと呼ばれる基準を設けています。そのため、ブログ系サイトではページ単位でコンテンツSEOに取り組むことも大切です。

コーポレートサイトなどでは、テキスト情報よりもデザイン面に重きを置いて構築されるケースが少なくありません。こうしたWebサイトでは、サイトデザインの改良や画像挿入などの施策に注力すべきと言えるでしょう。

テクニカルSEOがなぜ重要なのか

テクニカルSEOがなぜ重要なのでしょうか。

Webマーケティングでは、ユーザーをWebサイトに誘導しなければ商品・サービスを売ることは難しいです。いくら質の高いコンテンツを作れたとしても、そもそも検索エンジンの検索結果に表示されなければ、売上にはつながりにくいでしょう。

今や検索エンジンは完全に自動化されています。クローラーは、内部に設けられた独自のアルゴリズムに従ってクロールし、登録したインデックス数などを基に、検索順位を決定する仕組みです。

検索エンジンのアルゴリズムが理解しやすい形にWebサイトの内部構造を改良する作業が、テクニカルSEOです。コンテンツの改良にコンテンツSEOが有効であるように、検索結果に表示されるためには、適切なテクニカルSEOの実施も必須となります。

検索結果に表示されるために欠かせないテクニカルSEOはまた、検索順位の向上や安定化に向けても、大きな役割を果たします。質の高いコンテンツを載せていても、検索順位が競合サイトよりも低いケースが出てくるかもしれません。その場合には、テクニカルSEOに重点的に取り組むとよいでしょう。

テクニカルSEOの長所

Webマーケティングにおいて、テクニカルSEOは不可欠の技術的施策です。

では、テクニカルSEOの実施によってどのような効果が得られるのでしょうか。

以下、テクニカルSEOにある3つの長所を解説します。

ガイドラインに沿って作業を定型化できる

Googleは、「Google 検索の基本事項(Google Search Essentials)」を公開しています。これまでは、「ウェブマスター向けガイドライン」と呼ばれていました。

3つのセクションから構成される本ガイドラインでは、ペナルティ対象とされるスパム行為の説明とともに、インデックスの取得に必要な技術要件や検索エンジンに評価されやすいサイト制作に向けた方法などが記載されています。

検索順位を決定するGoogle自身がサイトの評価ルールを教えてくれているのですから、テクニカルSEOの道筋が明らかになったも同然です。ガイドラインに沿って、サイトの作成・改良にかかる作業の多くを定型化できるでしょう。

一方で、エンジニアリング領域に関わるテクニカルSEOには、知識やスキルを必要とする専門領域もあります。そのため、全てを自社内で完結できないケースも想定しておく必要があるでしょう。

ツールを使用することで効果測定ができる

テクニカルSEOでは、各種ツールの使用による効果測定が可能です。例えば、「Googleサーチコンソール」を使えば、クローラーが巡回したページの把握やインデックスステータスの確認ができます。

効果測定は、単に実施した施策の効果を可視化するだけではありません。思うような効果が出ていないということは、Webサイトが最適化されていないことを意味します。ツールによる効果測定の検証を通じて改善すべき点を的確に見出せれば、善後策をスピーディーに講じていくことが可能です。

前述のように、テクニカルSEOでは作業の多くを定型化できます。そこで、施策の実施毎に効果を確かめ、都度Webサイトの改善を図るのがおすすめです。

「自然検索」からの流入増加が期待できる

オーガニックトラフィック、すなわち「自然検索」からの流入増加が期待できるのも、テクニカルSEOの長所の1つです。

自然検索は、インバウンドマーケティングにおける欠かせないトラフィック源の1つです。検索エンジンを使うユーザーの多くは、上位表示されるサイトをクリックする傾向にあります。そのため、Webサイトの構造を検索エンジンに最適化して、検索結果で上位を獲得することが重要です。

自然検索からの流入が増えれば、ユーザーの分母が大きくなり売上アップが見込めます。クリック時に費用が発生するリスティング広告の集客比率を下げられるため、広告費の削減も実現するでしょう。

自然検索に向けたSEO施策は、ブランディングにもなります。タイトルやディスクリプションに社名や商品名などの商標を入れる、ユーザーを惹きつけるスニペットにすることで、自社に対する認知を拡げることが可能です。

検索エンジンのアルゴリズムは、ユーザーにとって価値が高いであろうサイトを上位表示させるために進化しています。上位表示を獲得するためには、ユーザーに刺さるコンテンツを提供すると同時に、商品・サービスや自社の取り組みに共感してもらうなどの取り組みも必要です。

テクニカルSEOの短所

効果的なテクニカルSEOの実現に向けては、短所の把握が欠かせません。

ここでは、テクニカルSEOで気をつけるべき短所2つについて解説します。

システム制約の受けやすさとシステム変更にかかるコスト

利用するサーバーやCMSによっては、実施できるテクニカルSEOの幅がシステムの制約を受ける可能性があります。実施にあたり、サーバーの設定変更やサイト全体に影響が及ぶアップデート、自動化処理などが必要になるかもしれません。

システムの変更では、工数や作業時間の増大に比例して人件費がかかります。外部リソースを活用すればなおさらです。そのため、技術的には可能であっても、コストの点から十分な施策を打ち出せなくなるケースも起こり得ます。

テクニカルSEOは、Webサイトの内部構造に関わる整備や改良を行う施策です。結果が出るまでに時間がかかるだけでなく、実施後も定期的なメンテナンスが欠かせません。既存システムの下で想定される制約を把握し、システム変更にかかるコストを見積もっておくことが大切です。

前提としてコンテンツを充実させておく必要がある

検索エンジンは、ユーザーの検索意図を満たす質の高いWebサイトを検索上位に表示します。そして、この質の高さの判断指標の1つになるのが、情報の網羅性です。

そのため、SEO施策全般の効果の最大化に向けては、まずコンテンツの絶対量を増やす必要があります。コンテンツ量が少なければ、クローラーに認知すらしてもらえないかもしれません。

とはいえ、昨今では自動生成コンテンツなどでページ数を稼ぐだけでは、検索順位は上がらなくなっています。単にインデックスされるページ数が多いという事実のみで検索エンジンに評価される時代は、既に過去のものとなったのです。

現在は、コンテンツ品質を見極められる検索アルゴリズムのアップデートが適宜行われています。技術的施策であるテクニカルSEOの実効性を高めるためには、コンテンツSEOなどのクリエイティブ施策を通じて、質を充実させておく必要があるでしょう。

2つの観点から見るテクニカルSEO施策

テクニカルSEOは、クローラー向け施策とインデックス向け施策の2つの観点から取り組んでいくのがおすすめです。

以下、それぞれを説明していきます。

クローラー向け施策

クローラーとは、Webサイトの情報を収集するためのロボットのことです。クローラーの巡回効率を向上させるSEO実施により、Webサイトの質に見合った検索順位を獲得するまでの期間が短くなるでしょう。

具体的には、次の施策を講じるのが一般的です。

  • サイト階層構造の最適化

サイト階層構造の最適化には、適切なカテゴリー設定が欠かせません。ユーザーの利便性を高めるだけでなく、重要コンテンツのありかを検索エンジンに正しく伝えられる効果も期待できます。

巡回効率を向上させるためには、トップページから2クリック程度ですべてのページに辿り着けるように設計しましょう。

  • URLの正規化

シンプルで分かりやすいURL構造が、クローラーからの認知度向上につながります。ページ内容を示す英単語を入れるのもおすすめです。

重複したコンテンツページがあると、ページのクロールが遅れたり、評価の分散による低評価を誘発しかねません。「canonicalタグ」やリダイレクトを用いて、検索エンジンに評価する正規URLを1つに統合しておきましょう。

  • モバイル対応

インターネットの利用では、スマホ利用ユーザーの割合が過半数を占めています。「モバイルファーストインデックス」を掲げるGoogleの動きでも明らかなように、オンラインマーケットにおいては、モバイル対応を疎かにすることはできません。

モバイル対応とは、スマホ画面で快適にサイト閲覧できるようにする施策のことです。

具体例としては、スマホでも読みやすいテキストサイズにする、縦スクロールしながらの閲覧を前提としたレイアウトやデザインにする、リンクやボタンの押しやすさを考慮する、などが挙げられます。

モバイル対応の達成度は、Googleが無料で公開している「モバイルフレンドリーテスト」の活用で確認可能です。

  • 表示速度の改善

Webページの表示速度が遅いと、ストレスを感じたユーザーによる離脱を招く要因となりかねません。Googleでも「表示に3秒以上かかると、約53%のユーザーが離脱する」という調査結果が報告されています。

ユーザーファーストを掲げるGoogleが、表示速度をSEO評価における重要な指標の1つにしていることは間違いありません。このことは、2018年のSpeed Update導入の際に、モバイル検索における検索順位決定要素に「ページ表示速度の最適化」を加えることを明言していることからも分かります。

表示速度を改善するためには、ページのデータ容量を削減するのが先決です。余分な画像や動画を削除する、容量が大きい画像ファイルのサイズを圧縮する、遅延ロード(Lazy Load)によりスクロールに応じて画像を読み込めるようにする、などの方法が考えられるでしょう。

  • クロールエラー対策

クロールエラーが起こると、Webページが正しくインデックスされません。Google Search Consoleを使い、各ページがインデックスされているかを確認しましょう。発覚したエラーは1つ1つ修正していくことが大切です。

インデックス向け施策

インデックス向け施策とは、クローラーがコンテンツを認識し正しくインデクシングを行えるように、タイトルや見出しを分かりやすく書くことを言います。

以下、基本的な施策をみていきます。

  • 重複コンテンツの回避

コンテンツの重複は、インデックスが阻害される要因となります。記事コンテンツが似通っていると、コピーサイトとみなされやすいためです。

他サイトとの重複確認では、作成した記事をコピペチェックにかけるのが基本です。一方、自社サイト内での重複回避に向けては、記事作成前にキーワードを精査するとよいでしょう。検索意図が同じキーワードのグルーピングにより、既出の類似コンテンツ記事との重複を避けられます。

  • タグ・見出しの改善

タイトルやディスクリプションなどのタグと見出しは、コンテンツの内容を検索エンジンに伝える働きをしています。クローラーは、多くのユーザーが検索するであろうキーワードが含まれるタグや見出しをインデックスしていきます。タグや見出しだけでおおよその内容が分かるように、簡潔で分かりやすい形にまとめましょう。

30文字以内で分かるタイトルにする、キーワードを含め100文字以内に要約したディスクリプションを作成してメタタグを設定するなどが効果的です。

  • リンク・アンカーテキストの適正化

検索エンジンにWebサイトの構造を的確に把握してもらうためには、記事内に設置するリンクやアンカーテキストを適正化する必要があります。

クローラーは、既にインデックス済みのページ内にあるリンクをたどって、Webサイトを訪れます。そのため、どこからもリンクされていなかったり、リンク不足などがあるとクローラーにコンテンツの内容を正しく理解してもらえません。

自社やコンテンツと関連性の高い記事には、積極的にリンクを貼りましょう。リンク切れの際には、404エラーや301リダイレクトの設定にしておくことも大切です。

リンクに表示するアンカーテキストについては、短く分かりやすいものである必要があります。ただし、単に「こちらへ」や「ここをクリック」などでは、クローラーがリンク先ページの内容を予測できません。リンク先のページタイトルなど、内容を端的に伝えられるキーワードを含めるのがおすすめです。

  • 画像添付方法の見直し

クローラーの画像認識技術は年々精度が向上しているものの、細部を読み取れるレベルには達していません。

そこで、コンテンツ内に貼る画像には「ファイル名」や「alt属性」でテキスト情報を加えましょう。画像がタイトルや見出しに関わるものであれば、キーワードを含めるのもおすすめです。クローラーにどのような画像なのかを的確に伝えられるため、画像検索で上位表示を狙える確率が高まります。

画像ファイル名は、可能な限り英語にします。特に、検索エンジンが英語と誤解しやすいローマ字を使うのは控えましょう。また、関連する本文と近い場所に画像を貼ることで、クローラーに画像の内容を認識させやすくなります。

  • 構造化データのマークアップ

標準化されたデータ形式である構造化データを用いて、検索エンジンが理解しやすいようにテキスト情報やコンテンツ内容を意味付けることを「構造化データのマークアップ」と言います。
リッチリザルトとして検索結果に表示される確率が高まるため、自然検索による流入増が見込めます。

  • インデックス登録エラー対策

作成したWebページがインデックス登録されない限り、Googleの検索結果に表示されることはありません。

エラーになる要因はさまざまです。

Webに公開したばかりのページだと、そもそも検索エンジンに認知されていない可能性が高いです。Google Search Consoleからインデックス登録をリクエストして、登録処理を促す必要があります。必要であれば、サイトマップの設定も見直しましょう。

Googleでは、サイトや一部のページがガイドライン違反によりペナルティを受けると、検索結果に表示されません。ペナルティを受けているかは、Google Search Consoleで確認可能です。受けている場合には、原因を特定して修正し、ペナルティ解除をリクエストする必要があります。

その他、robots.txtにクローラーからのアクセスを拒否する記述していたり、誤って「noindex」設定していると、インデックス登録エラーが起こるケースがあります。いずれも設定を見直すことで、インデックスされるようになるでしょう。

テクニカルSEOを成功させるポイント

テクニカルSEOのメリット・デメリットや施策の具体的内容を押さえたら、いよいよ実践です。

ここでは、テクニカルSEOを成功させるポイントを4つ紹介していきます。

Googleアルゴリズムを要チェック

テクニカルSEOは、Webサイトの内部構造をGoogleなどの検索エンジンのアルゴリズムに適した構造に改善する取り組みです。そのため、取り組み効果の最大化に向けては、アルゴリズムのアップデートに敏感である必要があります。

特に、Googleのアルゴリズムはアップデートの頻度が高いため、常にアンテナを張っておく必要があるでしょう。

ユーザーファーストを掲げるGoogleでは、小規模な検索アルゴリズムの更新が日々行われています。また、「コアアップデート」と呼ばれる検索アルゴリズムの大規模なアップデートも、年に2~4回程度実施されます。

コアアップデートでは、検索順位の変動に大きく関わる調整が入るのが一般的です。ほとんどの場合、Googleから公式の事前告知がなされます。GoogleのTwitterアカウントをフォローするなどの対策は必須です。

クロールの最適化

テクニカルSEOを進めるにあたっては、施策の優先順位付けが重要です。

当然ですが、検索エンジンがWebサイトをクロールして情報収集できなければ、インデックス登録されず、検索結果に載ることもありません。まずはWebサイトのクローラビリティの向上が先決です。

クローラビリティの向上は、ページ数が膨大な大規模サイトの運営において必須の取り組みとなります。ただし、ひと口にクロールを最適化するといっても、実際にはどこから手を付けていけばよいのか分からない場合もあるでしょう。

そこで、以下に挙げるポイントを意識して進めるのがおすすめです。クローラー向け施策の箇所で既に紹介したものもありますが、重複をいとわず列挙します。

  • ページの表示速度を改善する
  • URLを統一する(URLの正規化)
  • XMLサイトマップを作成・活用する
  • パンくずリストを設定する
  • 内部リンクを最適化する
  • robots.txtを設定してクロールをブロックする
  • URLパラメータを設定する
  • リンク切れページを削除する
  • Javascriptを最適化する

検索インデックスの確認

クロールの最適化が図れたら、次に検索インデックスを確認して、インデックスを最適化しましょう。

検索インデックスの確認では、、Google Search Consoleを用いるとよいでしょう。サイト全体のインデックス状況の把握だけでなく、クロール時にインデックスされなかったページについての除外理由や、特定のURLに関するインデックス確認もできるためです。

インデックスされていないページが明らかになったら、最適化を行います。見出しタグの設定や構造化データのマークアップなど、先に述べたインデックス向け施策を行いましょう。
一通り施策を終えたら、再度Google Search Consoleで効果をチェックし、必要であればこの流れを繰り返しましょう。

「ブラックハットSEO」は避ける

最後に、「ブラックハットSEO」は避けましょう。

ブラックハットSEOとは、Googleが定めるガイドラインに準拠しない不正な方法によって検索順位を上昇させることです。具体的には、見せかけだけの被リンクを大量に増やす、隠しテキストや隠しリンクを設置する、ワードサラダでコンテンツ化する、クローキングを行うなどの手法があります。

これらのブラックハットSEOは、かつて検索エンジンの精度が低かった時代には、簡便に検索上位を獲得できる手法として横行しました。しかし、ペンギンアップデートやパンダアップデートなどを通じてGoogle検索エンジンのアルゴリズムが精緻化された現在では、ブラックハットSEOの多くが通用しなくなっています。

仮に通用したとしても、日々進化を遂げるアルゴリズムに早晩見抜かれてペナルティを受ける確率が高いです。そうなれば企業イメージのダウンにもつながるため、長い目で見て得策ではありません。

ブラックハットSEOが駆逐された今、ユーザーニーズに適った質の高いコンテンツを提供するサイトが、検索上位を占めるようになっています。手間や時間がかかっても、検索ユーザーの利益を重視するGoogleが推奨するガイドラインに沿った施策である、ホワイトハットSEOに真正面から取り組むことが大切です。

テクニカルSEO対策におすすめのツール8選

テクニカルSEOの実効性を高めたいのであれば、専用のツールを活用するとよいでしょう。施策の効果を可視化できるため、必要な対応策を迅速かつ的確に実行できます。

ここでは、テクニカルSEO対策におすすめのツールを8つピックアップして、特徴やメリットを紹介していきます。

Google Search Console

Google公式の分析ツールです。Webサイトの内部構造で生じているさまざまな問題やエラーを把握するのに役立ちます。インデックスされやすいキーワードを調べる際にも便利です。

すべての機能が無料で利用できるため、テクニカルSEOの効果検証においても導入しておきたいツールです。

TACT SEO

SEO施策に役立つ調査・分析機能が集約されたツールです。「SEOに関する課題の発見」「キーワード調査」「日単位での順位管理」などの機能を有します。

SEO観点での分析を通じ、内部SEOに関する課題を一括して取得可能です。指示に従って施策を進めるだけで、検索エンジンに正しく評価されるSEOが実現できます。

競合分析や上位表示対策にも対応しており、出現頻度の高いキーワードのグルーピングや流入キーワードの調査にも役立ちます。上位表示の獲得に必要なSEO施策の明確化に向けて、大きな効果に期待できるでしょう。

Screaming Frog SEO Spider

Webサイトをクロールし、すべてのページURLやタイトル、画像サイズなどの診断、リンク切れや重複コンテンツの有無などのチェックをしてくれるツールです。テクニカルSEOに欠かせないWebサイトの構造把握と、ページ単位での問題点のチェック・最適化が行えます。

使い方は、調べたいサイトのURLを入力して「Start」をクリックするだけです。その後は自動的にサイト内のすべてのページのSEOに関する情報を一覧取得できます。取得したデータは、CSVファイルやExcelファイル、Googleスプレッドシートとしてエクスポートが可能です。

XMLサイトマップを生成する機能もあるので、積極的に活用しましょう。他にサイトマップを生成する方法がない場合や、Webサイトの構造が複雑でそのままでは検索エンジンがクロールしづらい場合でも、インデックスの獲得が期待できます。

Screaming Frog SEO Spideは無料で利用できますが、使える機能に制限があります。

DeepCrawl

Webサイトの内部構造における技術的問題の検知に特化したSEOツールです。独自に開発されたクローラーがWebサイトをクロールし、問題点を自動で検出していきます。

Screaming Frog SEO Spiderと同様、サイト構造の最適化に向けたアシスト機能を備えます。特に、コンテンツ数の多いサイトでは重宝するでしょう。評価基準が類似するGoogle Search Consoleとの連携により、200以上の指標に関する精緻な内部分析も可能です。

加えて、テクニカルSEOのタスク管理ができるタスク機能も搭載されています。タスクマネージャーを用いての進捗管理に役立つでしょう。

dead-link-checker

Webサイトに貼り付けたリンクが機能していないとサイトの評価が下がり、検索順位が下がる要因にもなります。リンク切れの放置はSEO的に悪影響であるため、dead-link-checkerにかけて、リンクの状態をチェックしてましょう。

使い方はとても簡単です。URLを入力し、チェックボタンを押すとチェックが始まります。1クリックで、サイト全体のリンク切れチェックが可能です。

Ahrefs

世界で60万人超のユーザーに利用されているSEO分析ツールです。シンガポールにある「Ahrefs Pte.Ltd」社によって開発されました。

最大の特徴は、URLを指定するだけで被リンク分析ができることです。自社サイトだけでなく、あらゆる競合サイトの被リンク状況が確認できます。そのため、戦略的なテクニカルSEOの実施に欠かせないさまざまなデータを入手することが可能です。

例えば、検索上位サイトから流入が期待できるキーワードや悪質な被リンクの追加をリアルタイムで確認できます。また、ソーシャルメディアの反響から拡散されやすいWebページの傾向を探ることもできるでしょう。

クローリングやデータ更新の頻度が高いのも特徴です。およそ15分おきにインデックスが更新されるため、自社・競合サイト順位の変動を細かく確認できます。

UIデザインにも優れ、CSVなどの加工が容易なファイル形式での分析データのダウンロードが可能です。

料金プランには、簡単なSEO分析ができる「ライト」や標準的な機能を備えている「スタンダード」など4つが用意されています。年額払いの場合、いずれのプランも2ヶ月分が無料です。

SEMRush

SEMRushは、世界標準と言ってもよいオールインワン競合分析ツールです。SEO以外でも、広告やSNSなどのデジタルマーケティング全般の領域で使用されています。

検索順位は相対評価で決まるため、競合サイトの分析はSEO対策において不可欠です。競合調査から施策立案まで完結できるSEMRushは、非常に効果的なツールとなります。
テクニカルSEOに必要な機能はほぼ備わっていますが、軸となるのは競合サイトのアクセス解析です。

具体的な機能としては、上位表示サイトで多く使われるキーワードの把握や適切なキーワード設定、サジェストキーワードのリサーチがあります。また、Webでの集客増を狙う際に必須のキーワード毎の検索ボリュームやSEO難易度に関するデータ取得も可能です。

その他、順位変動のトラッキングや自社サイトSEO状況の自動診断、競合サイトの被リンク数やドメインに対する評価の確認もできます。

料金は、月額$119.95(税込 $131.95)です。

ANATOMY

2016年に株式会社シンメトリックよりリリースされた、日本発のアクセス解析ツールです。基本的なSEOチェック機能を備えたdashboardプランであれば、利用料金は一切かかりません。

最大の特徴は、直感的に扱えるよう工夫されたUIを備えている点にあります。

Google アナリティクスでは、ページやディレクトリ単位でデータを取得していくのが基本です。そのため、サイトのページ数が増えるほどデータ解析に手間と時間がかかります。

ANATOMYであれば、1つの画面上でサイト全体についてのPV数やセッション数、離脱率などの数値を同時に確認できます。ダッシュボードではデータを一元管理でき、同時に複数のデータ項目を参照可能です。
加えて、ポートフォリオの分析機能による検索種別の分類や、Googleアナリティクスとの連携しコンバージョンやエンゲージメントの状況を把握することができます。

技術的施策であるテクニカルSEOでは、Webサイトに関するデータの迅速な収集と正確な分析が求められます。ANATOMYの活用により、サイト運営経験の多寡にかかわらず質の高いテクニカルSEO施策の実現が可能です。

まとめ

Webサイトの価値が正しく評価されるためには、質の高いコンテンツの作成だけでは足りません。テクニカルSEOを的確に実施し、検索エンジンがWebサイトを正確に認識できるようにする必要があります。施策から継続的な効果検証を通じてアルゴリズムへの最適化を図りましょう。

テクニカルSEOは、「クローラー向け」「インデックス向け」の2つの観点から施策を講じていくのが基本です。いずれもコツや注意事項が少なくないため、本文で紹介した専用のツールを活用しながら取り組むとよいでしょう。