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インフルエンサーマーケティングとは?メリットや成功ポイントを徹底解説!

ライティング

消費者の嗜好性や購買行動が著しく多様化し、従来のマーケティング手法が通用しない時代を迎えています。

そこで、新たな広告・集客手段として注目度を高めているのがインフルエンサーマーケティングです。

本記事では、インフルエンサーマーケティングについて、メリットや成功ポイントを中心に徹底解説していきます。

インフルエンサーマーケティングの基礎知識

SNSの普及に伴い、インフルエンサーマーケティングの市場規模が拡大しています。どのようなマーケティング手法なのでしょうか。

ここでは、インフルエンサーマーケティングの基礎知識を解説していきます。

そもそもインフルエンサーとは?

「インフルエンサー」とは、SNS上での情報発信を通じて、世間に対して大きな影響を与えている人物を言います。影響や作用、感化を意味する、英単語のinfluenceが語源です。

これまでインフルエンサーとしての役割は、芸能人やスポーツ選手、文化人などの著名人が担っていました。

しかし、SNS上で誰もが情報を広く発信できるようになった今では、インフルエンサーとして世間で強い影響力を持つようになった一般人も少なくありません。

インフルエンサーの影響力は、基本的にはフォロワーの数で決まります。そのため、100万以上のフォロワー数を誇るトップインフルエンサーの場合、1つの投稿がけた外れの認知につながるケースも珍しくありません。

一方で、エンゲージメント率に関しては一般にマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーが上回ります。フォロワーの数こそ少ないものの、距離感の近さからくる密な関係性が、発信される情報に対する関心や共感を呼び覚ましやすいためです。

インフルエンサーマーケティングとは何か?

インフルエンサーマーケティングとは、SNSで影響力を持つインフルエンサーに自社商材のPR活動を委ねる、コミュニケーション型のマーケティング手法を指します。

口コミの拡散を通じて、消費者の購買に向けた意欲や行動を促進させるのが狙いです。

従来のマスメディアを通じた画一的なマーケティング手法が今、大きく変わろうとしています。

SNS上で口コミで伝わる情報の確かさが広く認知されるにつれて、インフルエンサーを活用したマーケティングが活躍の場をグングンと広げているのです。

インフルエンサーマーケティングへのシフトチェンジにより、共感度・訴求力の高い商材のPRやブランディングが実現します。

インフルエンサーマーケティングの最適化に向けた取り組みの巧拙が、今後の企業や事業の浮沈を左右するといっても過言ではありません。

なぜ成果が出るのか?

インフルエンサーマーケティングで成果が出る理由としては、以下の2つが挙げられます。

  • リアルな体験談が共感や信頼を生み、購買意欲を促進する

インフルエンサーは、不特定多数に向けて、単に商品・サービスを宣伝するだけの広告塔ではありません。商品・サービスを実際に使用して感じられた特徴やメリットを、リアルな体験談として発信する役割を担います。

ひいきのインフルエンサーが語る悩みの解決や成功体験は、フォロワーの購買意欲を促進するでしょう。インフルエンサーに対する親しみや尊敬の念が、従来の広告手法では難しかった、シンパシーや信頼感の醸成に大きく寄与すると考えられるためです。

  • インフルエンサーの影響力が拡大傾向にある

ターゲット層たるフォロワーの感情への揺さぶりとともに、社会におけるインフルエンサーの影響力が近年とみに広がっていることも、成果向上と無縁ではありません。

実際、影響力の拡大傾向は、データでも明らかです。例えば、YouTubeのチャンネル登録者数でみると、YouTuberの有名どころがテレビや映画でお馴染みの一般芸能人らを軒並み上回っていると分かります。

インフルエンサーは、今やこれまで消費者の購買行動に大きな影響を与えてきた著名人をはるかに凌ぐ存在です。

SNS上での彼ら彼女らの情報発信が大きな注目を集める現状からすれば、インフルエンサーマーケティングの隆盛は当然の帰結と言えるでしょう。

インフルエンサーマーケティングの市場規模

サイバー・バズ社とデジタルインファクト社の共同調査によれば、2023年のインフルエンサーマーケティングの市場規模予測は741億円。前年比120%になる見通しです。

今後も堅調な推移が予想されており、2025年は1,021億円、2027年には1,302億円(2023年比で約1.8倍)に達する見立てとなっています。

出典:サイバー・バズ/デジタルインファクト調べ

若い世代を中心に、検索手段の主流がWebからSNSへとシフトしつつあります。様々な著名人がインフルエンサーとしての活動に着手しており、消費者の購買行動に与える影響度は増すばかりです。

コロナ禍の下で進んだオンラインシフトが、この流れに拍車をかけたことも無視できません。より効果的なマーケティング活動の実践に向けて、SNSを介したインフルエンサーの活用が、業種や業態、企業規模を問わず進んでいるのです。

プラットフォームごとにみると、現在はYoutubeとInstagramで過半数を占めているものの、若い世代を中心にTikTokの利用が急激に伸びています。企業による投資も進んでおり、将来に向かってさらに比率を高めていく可能性もあるでしょう。

インフルエンサーマーケティングのメリット

今後ますますの成長が見込まれるインフルエンサーマーケティングですが、実際には活用を通じてどのようなメリットが得られるのでしょうか。

以下、7つのメリットを解説していきます。

マーケティング施策を柔軟に展開できる

インフルエンサーマーケティングでは、自社のビジネスモデルやマーケティングの目的に合わせて、施策を柔軟に展開することが可能です。

以下、具体的な施策を紹介します。

  • ギフティング

インフルエンサーに製品やサンプルを提供し、その体験談をSNSに投稿してもらいます。インフルエンサーの影響力を活用して、商材の認知度を一気に高めるのが狙いです。

  • 現地訪問

インフルエンサーを店舗や観光地、イベントなどに招き、現場レポートをしてもらいます。接客やゲスト登壇に応じてもらうことで、高い集客効果が期待できます。

  • コラボレーション

製品の企画・制作をインフルエンサーと協同で行う施策です。トレンドと使い勝手の良さを踏まえた、ターゲットに刺さる製品開発が目指されます。

  • ライブコマース

ライブ配信の形で、インフルエンサーに製品の紹介をしてもらいます。リアルタイムでの質疑応答の機会が消費者の不安解消に寄与するため、購入に結びつきやすいです。

  • アンバサダー

特定のインフルエンサーと長期的なパートナーシップを結びます。SNSを通じて、自社商材やブランドの魅力を発信してもらうのが狙いです。

ジャンルに合わせたターゲティングが容易になる

現代は、消費者のライフスタイルや価値観が著しく多様化した時代です。

性別や年齢、職業といった従来のデモグラフィックデータに頼ったターゲティングでは、一般に効果的なマーケティング施策とはなり得ません。

インフルエンサーの活用により、多様な嗜好性を有する消費者を、ジャンルに合わせてターゲティングしやすくなります。インフルエンサーの多くが、自身が精通しているジャンルに強い興味関心を持つフォロワーをそれぞれ豊富に抱えているためです。

リードの獲得がマーケティングにおける重要課題であるのは、昔も今も変わりありません。

サイコグラフィック属性を基にしたジャンル特化型のターゲティングが行われるインフルエンサーマーケティングでは、リードに対する自社商材の効果的な訴求が実現します。

「広告らしさ」がなく、受け入れられやすい

企業が発信する情報はともすれば宣伝要素が強くなるため、嫌悪感を抱く消費者も少なくありません。

実際、れっきとした広告が無視されるだけでなく、広告が頻繁に表示される場所や広告に近接するコンテンツまでもがスルーされがちだ、との調査結果も出ています。*

対して、インフルエンサーが発信する情報はフォロワーである消費者に受け入れられやすいです。信頼や共感を寄せている分消費者が「広告らしさ」を感じにくく、企業発の情報に比べ刺さりやすくなるためだと考えられます。

今は、Webやアプリ上に表示される広告をまとめてブロックできる「アドブロック」を導入している消費者も多いです。

インフルエンサーマーケティングではSNS投稿の形でPRが行われるため、ブロックされる心配がありません。

*出典:Banner Blindness Revisited: Users Dodge Ads on Mobile and Desktop

消費者目線の分かりやすいレビューを発信してもらえる

インフルエンサーは、消費者を代表して商品・サービスを実際に使ってみた感想や体験談を発信します。

そのため、企業が繰り出す宣伝文句とは異なり、消費者目線に立った分かりやすく、説得力のあるレビューになりやすいです。

こうした消費者目線のレビューは、時として率直なフィードバックにもなり得ます。商品・サービスの品質を改善したり、新たに開発したりに向けた、貴重な意見として採用できるのです。

口コミの拡散により、多くの消費者に情報を届けられる

インフルエンサーマーケティングの主戦場となるSNSには、口コミの拡散が起こりやすいという特徴があります。

1度拡散させられればテレビCMやネット広告を上回る効果が期待できるため、商材の認知度向上やブランディングが低コストで実現可能です。

インフルエンサー発の情報は、フォロワーの共感や支持を得やすいです。質の高い口コミとみなされれば、2次・3次の拡散も見込めるでしょう。

UGC(ユーザー生成コンテンツ)創出機会の増大により、多くの消費者に耳より情報を届けられる可能性があるのです。

店頭やオンラインでの販促につながる

SNSの閲覧から商品購入に進むケースが増えています。

リンクの設定やショッピング機能の活用により、SNS上のインフルエンサーの投稿からECサイトに向けて、消費者を直に遷移させられるようになったためです。

直接遷移の仕組みにより、商材に対する消費者の興味関心や購買意欲が保てるようになりました。こうしたメリットの認知が進んだため、オンラインでの売上アップはもちろん、店頭における優れた販促手段である、定番棚の確保につながるケースも生まれています。

SEOを強化できる

Googleの検索結果に様々なSNSからの投稿が表示されるようになるにつれ、インフルエンサーマーケティングがSEO的観点からも重要度を高めています。

好意的なサイテーションの獲得が自社サイトの信頼性を高め、Googleから評価されやすくなるためです。

特に、YouTubeのプロモ動画は、Googleの検索結果に表示されやすいです。インフルエンサーの投稿に自社Webサイトへのリンクを張ってもらうことでSEOが強化され、結果として自社サイトへの流入増が実現します。

好意的なサイテーションの獲得による流入ユーザーの増加は、ブランディングの強化にもつながります。

被リンクの獲得が進むにつれ、権威性の向上も加速すると考えられるためです。Googleからの評価が上がり、さらなるSEO強化の好循環も期待できます。

インフルエンサーマーケティングのデメリット

インフルエンサーマーケティングには多くのメリットがあるとはいえ、万能ではありません。

ここでは、インフルエンサーマーケティングに取り組む際に生じがちなデメリットを3つご紹介します。

インフルエンサー選定の難易度が高い

インフルエンサーを選定するプロセスは、一般に難易度が高くなりがちです。選定基準としては「フォロワー数」がまず思いつくでしょう。

しかし、集客力や拡散力がいくら高くても、リード獲得やCVにつながる効果的なPR活動が期待できるかはまた別の話です。

マーケティング効果の最大化に向けては、目的に適ったインフルエンサーを起用する必要があります。とはいえ、そのためにはブランドとの親和性やフォロワーに共通する嗜好性、エンゲージメントの数や比率などを慎重に見極めていく手間が避けられません。

ステマと誤解される可能性がある

インフルエンサーマーケティングは、ステルスマーケティング(ステマ)と誤解されるリスクと常に隣り合わせの広告宣伝手法でもあります。

インフルエンサーが日常的に発信する情報に混在する形でPRが行われるため、一見すると広告と感じられにくいからです。

ステマはインフルエンサーに信頼を寄せるフォロワーの期待に背く行為に他ならず、基本的にコアなファンや支持者ほど強い裏切られ感を抱きます。

誤解であっても、大きな炎上が起きれば、企業の社会的信用の失墜やブランド価値の毀損につながる可能性があるのです。

炎上リスクの回避に向け、高度のネットリテラシーが必要になる

炎上リスクはステマだけの問題ではありません。

近年のコンプライアンス意識の高まりとともに、モラルや配慮を欠いた投稿に対しては、国内外を問わず厳しい批判が浴びせられることを強く認識しておく必要があります。

炎上リスクの回避に向けては、企業とインフルエンサーの双方が、WebやSNSにおける高度のネットリテラシー維持の重要性を共有することが大切です。

しかし、社会のしきたりや規範意識もまた変化していくため、最新動向を把握するための困難さが常に伴います。

インフルエンサーマーケティングの成功に必要なこととは?

企業が実際にインフルエンサーマーケティングに取り組んで成功するためには、どのようなことが必要になるのでしょうか。

以下、4つの視点から解説していきます。

各SNSの特性を理解してプラットフォームを選定する

インフルエンサーマーケティングでは、SNS上で高い影響力を持つ個人に自社商材のPR活動を委ねることになります。

マーケティング効果の最大化に向けては、いかなる人物を起用するかはもちろん、どのプラットフォームを選定するかについても疎かにはできません。

現在SNSで通用している主なプラットフォームは、4,5種類あります。それぞれユーザーの
属性や利用動機が異なり、コンテンツの制作方法にも違いがあります。

各特性を理解したうえで、目的やターゲットに適したプラットフォームを選定することが重要です。

各プラットフォームの特徴や訴求しやすい商材については、後に詳述します。

目的とターゲットを明確にし、適切なKPIを設定する

目的やターゲットが明確でないと、インフルエンサーマーケティングの成功は難しくなります。

リサーチを通じてターゲット層を絞り込むこと、商材の認知度や消費者の購買フェーズを踏まえ、認知拡大・販売促進のいずれを狙うべきかクリアにしておくことが大切です。

目的に合った適切なKPIの設定も欠かせません。リーチ数や動画再生数(認知獲得)、いいね数・率やUGC数(興味関心向上)、購買数やCPA・CPI(購買)、ポジティブ/ネガティブコメント比やSOV(共有)などのKPI設定が、的確な効果分析につながります。

自社に合うインフルエンサーを起用し、適切に管理する

先にも触れたように、自社の目的やターゲット層に合ったインフルエンサーを起用することが大切です。

選定にあたっては、現状分析だけでは足りません。長期的視野から自社の利益やブランディングの向上に寄与する人材であるか、慎重に見極める必要があります。

選定に向けたこうしたリサーチフローはまた、「フォロワー買い」により偽りの影響力を保持・行使する、悪質なインフルエンサーの排除にも役立ちます。

選定後の適切な管理も欠かせません。ビジネスパートナーとして、自社の他プロジェクトと同程度のスケジュールや商品発送に対する目配りが求められます。また、PR投稿前のコンテンツチェックにより、意図のズレやステマリスクの回避に努めることも大切です。

ほかのマーケティング施策との一貫性を保つ

個人への共感に依拠するインフルエンサーマーケティングを単独の施策として、狭い視野で進めていくのは得策ではありません。

効果の最大化に向けては、自社が取り組むマーケティング施策全体の中で、どのような役割を担うのかをはっきりさせておくことが大切です。

マスメディアの影響力は未だ失われていません。また、専門家発の情報は、信頼度の点で他を大きく凌駕するのが一般的です。

異なる立場からの情報発信を一貫性のある施策として構築することで、シナジーによる大きな果実が期待できます。

インフルエンサーマーケティングで使われるプラットフォーム

先にも触れたように、インフルエンサーマーケティングは様々なプラットフォームで実施できます。現在は、以下の5つのSNSから選ばれることが多いです。

ここでは、各プラットフォームの特徴や訴求しやすい商材、設定がおすすめのKPIをご紹介していきます。

Youtube

現在インフルエンサーマーケティングに最も活用されている、動画共有プラットフォームです。長尺の動画を投稿でき、文字では表現しづらい商材の特徴や使用感を詳細に伝えられるメリットがあります。これは、ニッチな商品のPRとも相性がよいです。

Youtubeは性別年代の別なく閲覧されており、幅広い層に向けた訴求が可能です。ファッションやコスメ、ゲームなどのジャンルでは「トップユーチューバー」と呼ばれる企画力・発信力に長けたインフルエンサーも多く、認知拡大や売上向上が見込めます。

KPIに関しては、再生回数、動画内や説明文に張ったURLへのクリック数、コメント数やシェア数などを指標化するとよいでしょう。特に、PR動画では再生回数が時とともに頭打ちになりやすいため、定量的に把握し続けるのがおすすめです。

Facebook

コミュニティ形成を目的に使われるSNSツールです。実名での利用が基本のため、的確なターゲティングに基づくインフルエンサーマーケティングが狙えます。反面、利用者の伸び悩みや拡散性の低さもあり、認知拡大目的の活用には向いていません。

経営者や30代以上のビジネスパーソンがユーザーに多く、ターゲット顧客の年齢層が高めの商材、ビジネス関連商材などのPRに適しています。また、実名登録に基づくユーザーデータの精度の高さが評価されやすく、海外マーケティングでの活用も効果的です。

KPIについては、目的が認知拡大・ファン獲得であれば、リーチ数やページへのいいね数、コメント数の設定がおすすめです。ブランディング目的ならば、シェア数の伸びで効果を推し量れます。これらのパフォーマンスは、「Facebookインサイト」にて測定可能です。

Twitter

140文字以内のテキストに、画像や動画を組み合わせて投稿するSNSツールです。「リツイート」による拡散性の高さが最大の特長です。上手に活用できれば、インフルエンサーのフォロワーに留まらない膨大な数のユーザーに向けて、低コストで情報を届けられます。

1アクションで多数に向けてプロモーションできる即時性の高さから、天気やファッション、旬の食材など、今まさに検索ニーズが高い話題の発信に適しています。獲得ユーザーを他メディアに誘導し、さらに購買意欲を高める戦略が採られるケースも多いです。

KPIでは、リツイート数やハッシュタグ数を設定しましょう。拡散性の高さがもたらす「バズ」の可能性を可視化するためです。また、インプレッション数を設定して時間帯で把握すれば、投稿タイミングの最適化に役立ちます。

Instagram

「インスタ映え」でお馴染みの、写真・動画投稿がメインのSNSツールです。若い世代を中心に年々認知が進み、今では世代や性別を問わず人気を集めています。インフルエンサーマーケティングでは多数のフォロワーを持つ「インスタグラマー」の起用が一般的です。

若い女性ユーザー向けの、写真映えする美容・ファッション系商材の訴求に適しています。グルメや旅行とも相性が良く、飲食店や旅館・ホテルなどの実店舗集客に活用されるケースも多いです。「ショッピング機能」の追加により、購入フローの簡略化が実現しています。

インプレッション数やリーチ数、フォロワー数やいいね数などのKPI設定により、目的ごとの広告効果の把握が可能です。また、「電話する」ボタンや「予約する」ボタンなどの各クリック数の指標化により、CVにつながる各アクションの実績も可視化できます。

TikTok

短尺動画に特化したSNSツールです。Z世代をコア層として、近時急速にユーザーの数を増やしています。インフルエンサーが仕掛ける「ハッシュタグチャレンジ」の拡散が、トレンドの発信や爆発的な認知度アップにつながるケースも多いです。

主たるユーザー層が若いため、高価格商材の本格的な購買行動への誘導には向いていません。

ショートムービーが次々と再生される仕組みを活かし、海外ユーザーを含む潜在層に向けた、認知拡大や購買意欲の喚起狙いで活用するとよいでしょう。

認知拡大に向けては、動画の平均視聴時間やフル視聴率、シェア数やいいね数などのKPI設定がおすすめです。販売促進目的であれば、商材のハッシュタグ獲得数やコメント数を指標化します。設定したKPIにつき、適宜ブラッシュアップを欠かさないことも重要です。

インフルエンサーマーケティングの費用対効果を高める方法

特定の層に向けて、ダイレクトに認知拡大や販促を講じることができるインフルエンサーマーケティング。活用に向けて、費用相場やコスパが気になる方もいらっしゃることでしょう。

本記事の締めくくりとして、インフルエンサーマーケティングの費用対効果を高める方法を6つの視点から解説していきます。

費用の内訳や費用相場を押さえる

費用対効果を高めるためには、かかる費用の内訳や費用相場の把握が欠かせません。

費用は、インフルエンサーへの報酬とその他手数料の2つに大別できます。各費用の内容と費用相場は、以下の通りです。

  • インフルエンサーへの報酬

「フォロワー数」x「フォロワー単価」で算出します。単価の相場は、プラットフォームにより異なります。また、高い拡散力を誇る、フォロワー数の多いインフルエンサーほど単価が上がるのが一般的です。

  • その他手数料

専門会社や代理店の利用には、ディレクション費用がかかります。また、マッチングプラットフォームの利用料は、インフルエンサー報酬額の10~30%程度が相場です。イベント参加にかかる交通費や宿泊費、PRに使う商材の代金や配送料なども自社負担を要します。

リーチ率やリーチ単価でコスパを見極める

費用対効果の最大化に向けては、「リーチ率」をインフルエンサー選定の基準に置くのがおすすめです。

リーチ率とはフォロワー数に対するリーチ数の割合を指し、実際にどれだけの確率で投稿が閲覧されたかを表します。

インフルエンサーへの報酬は、前述の通りフォロワー数ベースで支払うのが一般的です。

リーチ率が高くなるほどユニークユーザーの閲覧獲得にかかるリーチ単価が押し下げられることから、その他手数料との兼ね合いによっては、費用対効果の大幅な向上が見込めます。

いくらフォロワーの数が多くても、実際に閲覧されなければ成果にはつながりません。リーチ率を指標に掲げ、算出されるリーチ単価を基にインフルエンサーのコストパフォーマンスを見極めることが大切です。

価格よりも施策の質を高めることを優先する

コスト削減が費用対効果の向上に欠かせない取り組みであるにしても、安かろう悪かろうでは意味がありません。

消費者の購買行動の多様化・複雑化に合わせてカスタマージャーニーを再構成し、価格よりも施策の質を高めることを優先する必要があります。

「いいね!」や「フォロー」の獲得数により、クチコミ効果をSNS上で可視化できる時代です。カスタマージャーニーに「推奨」フェーズを加え、消費者同士の情報共有がもたらす拡散効果を重視するマーケティング施策に切り替えてみるのも効果的かもしれません。

また、カスタマージャーニーのフェーズごとにインフルエンサーの適格性、コンテンツや戦略の妥当性を検証していくことも大切です。

ベストなタイミングで投稿する

投稿するタイミングも重要です。プラットフォームやターゲットユーザーにより、アクティブユーザーの獲得が期待できる時間帯は異なります。ベストなタイミングでの投稿が拡散性を向上させ、費用対効果の高いマーケティングの実現につながります。

例えば、社会人向け・学生向けの商材のPRは、スマホでの閲覧が見込める通勤時間帯やランチタイムに投稿するのがおすすめです。他方、主婦向けの情報発信であれば、多忙であろう朝夕よりも、一息つけるお昼すぎにした方が見てもらいやすくなるでしょう。

時季や時節により、タイミングを見極めなければならないケースにも要注意です。災害時や緊急時における押し出し感の強いPRは不謹慎と見なされやすく、インフルエンサー・企業の双方にマイナスイメージがついてしまう可能性があります。

定期的にPDCAを回す

インフルエンサーとターゲットユーザーのマッチング度や提供コンテンツの訴求度が低いままだと、十分なマーケティング効果が期待できません。費用対効果の向上に向けては、インフルエンサーへの依頼後も効果測定を継続する必要があります。

当初設定したKPIに基づく効果の測定をしたら、PDCAサイクルを回して、速やかに施策のブラッシュアップにつなげることが大切です。効果測定の結果を将来に活かす手立てがなければ、施策が改善されず、コストばかりがかかることにもなりかねません。

SNSやオンライン上での実施が一般的なインフルエンサーマーケティングでは、従来のマーケティング手法に比べ、効果測定にかかる数値データの取得が容易です。定期的なPDCAの実践により、確度の高いマーケティング戦略を早期に確立できるでしょう。

キャスティングの外注を検討する

自社やPRしたい商材に合ったインフルエンサーの選定が重要であるとは言っても、自力で最適の人材を見つけ出すのは簡単ではありません。何とか起用できたとしても、報酬の相場を知らずに契約してしまい、不必要なコスト負担を強いられるリスクもあるでしょう。

自社にインフルエンサーマーケティングのノウハウやリソースが乏しい場合には、キャスティングの外注を検討するのもおすすめです。専門のキャスティング会社や広告代理店であれば、キャスティングや施策の管理から効果測定に至る、全フローの委託が可能です。

ただし、外注では報酬の10~30%ほどのディレクション費用が発生します。報酬相場の把握や競合が実施するマーケティングの調査などを通じて、価格や施策の妥当性・必要性を見極められるようにしておくことが大切です。

まとめ

インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサー自身のリアルな体験談が生み出す高い共感性や拡散力に根ざすマーケティング手法です。

適切な運用により、商材の認知拡大やブランディングの強化、ターゲットユーザーに向けた購買促進などの効果が期待できます。

急速に勢いを増すインフルエンサーマーケティングの有効性が、これまで様々な分野で実証されてきました。将来のさらなる市場規模拡大傾向は間違いなく、企業による投資も今後益々進んでいくことでしょう。

本記事を参考にメリットや成功ポイントを押さえ、貴社が費用対効果の高いインフルエンサーマーケティングを実現されることをお祈りしています。