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指名検索とは?指名検索数を増やすメリットや具体的な対策を解説!

ライティング

自サイトに多くのユーザーを呼び込むためには、検索上位表示に向けた的確なSEOの実施が不可欠です。

しかし、検索エンジンのアルゴリズムは、アップデートによる改変が避けられません。一般検索向けのSEOでは、都度対応に手間取ること必至と言えます。

この点、指名検索であれば、検索アルゴリズムの変化に左右されません。そのため、1度有効なSEOの方法論を確立できれば、検索結果の上位表示や集客の安定化を図るのは比較的容易です。

そこで今回は、指名検索について、指名検索数を増やすメリットや具体的な対策を中心に解説していきます。

指名検索とは?

指名検索(branded search)とは、会社名やブランド名などをキーワードにしたユーザーの検索行動を言います。

「スマホ 料金」のように、特定の会社名やブランド名が使われない検索は、一般検索です。

これに対して、「スマホ ドコモ」や「スマホ au」のように、キャリア名などの特定性の高い固有名詞がキーワードに含まれると指名検索になります。

指名検索してくるユーザーは、会社や商品・サービスについて既に高い関心を持ち、明確な検索意図を有しているのが特徴です。そのため、一般検索ユーザーに比べ、CV率や関連広告のクリック率が高くなる傾向があります。

指名検索数を意識しないとどうなる?

CV確度の向上に向け、指名検索数を増やすためのSEO対策の実施が必須となりつつある時代を迎えています。

ここでは、指名検索数を意識しないでいる場合に生じかねない、2つのデメリットをご紹介します。

検索意図とは異なるページが上位に表示される

指名検索対策の重要性に無自覚でいると、当初想定したユーザーの検索意図とは異なるページが上位に表示されてしまいかねません。

知りたい情報が得られるページでなければ、読む価値のないサイトとみなされ、ユーザーの離脱をもたらすこと必至です。

上位表示獲得によりユーザーをサイトに導くことができたとしても、CVにつなげられなければ意味がありません。機会損失の阻止に向けては、指名検索するユーザーのニーズに適ったページが上位に表示されるための対策を的確に実施していくことが大切です。

ユーザーが競合に流入してしまう

指名検索対策の懈怠は、ユーザーが競合コンテンツに流入してしまうリスクを高めます。そのままブックマークされれば、そのユーザーとは2度と接触の機会を持てないかもしれません。

せっかく指名検索してくれているのに、ユーザーを競合に奪われてしまうのはもったいないです。自社製品を他サイト経由で購入されると、手数料負担が必要になるケースもあります。

利益率向上の観点からも、指名検索対策は疎かにできないのです。

指名検索数を増やす4つのメリット

指名検索数を増やすと、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

以下、4つの視点からみていきましょう。

検索アルゴリズムの変化に対応できる

検索エンジンのアルゴリズムは、定期的にアップデートが実施されます。

一般的なキーワード検索では、アップデート毎の順位変動が避けられません。上位に表示されていたページが、順位を大きく下げてしまうケースも珍しくはないのです。

一方、企業名や特定の商品・サービスの名前をキーワードに指定する指名検索は、ユーザーの検索意図がはっきりしています。検索アルゴリズムの変化に左右されにくいため、上位表示の維持により流入数をキープし続けるなどの対応が比較的容易です。

CV率を高められる

指名検索によりピンポイントで流入してくるユーザーは、ブランドや商品に対する興味・関心度が高いのが普通です。

一般検索で流入してくるユーザーとは異なり、購入や申し込みに前向きな段階にあるため、自ずとCV率が高くなります。

ウェブルーミングやショールーミングへの最適化など、CVに至るルートの充実を図りやすいのも指名検索のメリットの1つです。

多様化する購買行動への臨機応変な対応がユーザーの利便性を高め、CV率のさらなる向上につながります。

Googleからの評価が高まる

指名検索数の増加は、コンテンツが検索意図に応えているかを重視するGoogleからの高評価獲得につながります。

指名検索が、検索意図が明確に示された個別具体的なキーワードによる検索行動であることを考えれば、ある意味これは当然とも言えるでしょう。

Google検索エンジンでは、これまでアップデートの度にアルゴリズムが変更されてきました。

しかし、ページ評価に関するこの「検索意図に対する合致度」重視の姿勢が崩されたことは、まだ1度もありません。

SEOで重要な「権威性」が向上する

指名検索数が増加すると、SEOで重要な「権威性」が向上します。

権威性は、Googleによるコンテンツ品質の評価基準である「E-E-A-T」における指標の1つです。Webサイトやコンテンツ制作者が有する社会的な価値の高さを表します。

指名検索とは、既知のサイトや商品の名をあえて「指名」して検索するユーザー行動に他なりません。その多さは多数のリピーターやファンに支持されるブランドの確立、掲載情報の重要性を推測させるため、Webサイトに権威性が認められるのです。

指名検索を増やす具体策8選!

指名検索を増やすための施策とひと口に言っても、その種類は多岐にわたります。いきなりすべてをクリアしようとするのではなく、まずは自社でできそうな施策から取り組むのがおすすめです。

ここでは、その具体策を8つピックアップして、詳述していきます。

指名検索数を確認する

まず、現在の指名検索数を確認します。Google提供の無料分析ツールである、サーチコンソールの使用がおすすめです。

指名検索数は、「検索パフォーマンス」中の「クエリ」項目に挙げられた指名キーワードのクリック数で確認できます。

サーチコンソールでは、指名キーワードや指名検索数だけでなく、検索結果に表示された回数やサイトの検索順位推移などのチェックも可能です。

例えば、そのキーワードで意図しないページが表示されやすくなっていれば、施策の改善が必要だと分かります。

覚えやすいネーミングを付ける

指名検索されるためには、まずユーザーに自社の名前や商品名をキーワードとして覚えておいてもらわなければなりません。長過ぎたり分かりにくい名称だと、検索をされづらくなる可能性があります。

新しい商品名には、誰もが覚えやすいネーミングを付けましょう。短くインパクトのある名称の付与が、指名検索数の増加につながります。

既存商品であれば、キャッチーな愛称を付けて広くユーザーに訴求するのもおすすめです。

商品やコンテンツ作りに力を入れる

指名検索を増やすためには、商品やコンテンツ作りに力を入れることも重要です。

特に、質の高い商品の開発は最も本質的で重要な施策となります。どんなにマーケティングやSEOを尽くしたとしても、商品自体に魅力がなければ指名検索にはつながりません。

もちろん、コンテンツの力も必要です。昨今のユーザーは、商品が提供する価値に重きを置いて購買行動に臨むと言われます。優れたコンテンツの発信により、ユーザーに対して総合的な「商品力」を訴求できれば、自ずと指名検索の増加が期待できるでしょう。

SNSで認知度アップを図る

SNSで認知度アップを図るのも有効です。利用者の多さと拡散力の高さから、コストをかけずして、指名検索を一気に増やせる可能性があります。有益な情報の発信を通じてユーザーのファン化を促し、自社名や商品名の認知度を高めておくことが大切です。

ただし、拡散力に優れる利点は、場合によっては諸刃の剣ともなり得ます。

不適切なコンテンツの発信は、炎上をもたらしかねません。企業イメージを大きく損なうなどのリスクについて、十分注意しておく必要があるでしょう。

広告を活用して露出を増やす

広告の活用により、露出を増やす手もあります。テレビCMや新聞・雑誌広告では、一般に高い費用負担が避けられません。

一方で、Web広告を利用すれば、コストをかけなくても宣伝を打つことができます。

Web広告にもさまざまな種類がありますが、指名検索の増加に向けては、認知度向上が見込めるタイプがおすすめです。

予算やコンテンツの種類に応じて、「ディスプレイ広告」や「インストリーム広告」「アフィリエイト広告」などを使い分けるとよいでしょう。

プレスリリースの配信を積極的に行う

マスメディアに広告を打つような潤沢な予算がなければ、プレスリリースの配信を積極的に行っていくことも考えましょう。

新商品を発表する際などに配信したプレスリリースがマスメディアに取り上げられることで、認知度アップが図れます。

ただし、プレスリリースをマスメディアに掲載してもらうためには、記者との日頃の地道な関係性の構築が不可欠です。一朝一夕に取り組んでも効果は見込めないため、配信を代行してくれるサービスの活用を検討してみるのもよいかもしれません。

展示会やイベントに参加する

展示会に出展したり、他社が主催するイベントに参加したりも、認知度を上げる絶好の機会です。

昨今では多くのイベントがオンラインで開催されています。見つけたら、積極的に参加してみるとよいでしょう。

自社開催も同様です。参加者に向けた自社PRになるのはもちろん、顧客リストの獲得、実施アンケートを通じたユーザーニーズの把握などのメリットも期待できます。

指名検索を増やすための戦略構築に活かせるでしょう。

本の出版を行う

本の出版を行うことでも、指名検索を増やせます。

集客・ブランディング戦略である「出版マーケティング」が、デジタル領域でもたらす効果の1つです。

メディアの多様化により活字離れが進んだと言われる今でも、コンテンツとしての本の地位に揺るぎはありません。

圧倒的な情報量と高い専門性を兼ね備えるうえに、著者・出典の明示や編集の介在が、高い信頼性を担保するものとして評価されているためです。

この信頼性の高さは、Googleの検索順位決定において特に重視される指標の1つでもあります。指名キーワードに関する本の出版により上位表示獲得の確度向上が見込めるため、結果として指名検索数の増加に大きく寄与するでしょう。

指名検索を増やすのにリスティング広告は必要?

わざわざ指名検索してくるユーザーに対して「コストがかかるリスティング広告は不要なのでは」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、以下の理由から指名検索を増やすのにリスティング広告は必要です。

  • 同名や似た名前の他社・他サービスのサイトへの流入を防ぐ
  • 競合のリスティング広告活用による機会損失を阻止する
  • 検索結果画面中の自社情報の占有面積を大きくする

それぞれ詳しく解説します。

同名や似た名前の他社・他サービスのサイトへの流入を防ぐ

一見して自社と判別しづらい名前の他サイトがあると、ユーザーが検索結果から自サイトを探し出すのに手間がかかります。

オーガニックの検索結果よりも確実に上位表示できるリスティング広告の活用により、ユーザーの負担軽減と自サイトへの確実な誘導が可能です。

競合のリスティング広告活用による機会損失を阻止する

自社名による指名検索結果に、競合のリスティング広告が上位表示されることがあります。

ユーザー奪取の意図から出た、戦略的な行為の可能性が高いです。機会損失の阻止に向けては、対抗措置としての自社によるリスティング広告の出稿が欠かせません。

検索結果画面中の自社情報の占有面積を大きくする

オーガニックの検索結果とリスティング広告のダブル表示により、検索結果画面に占める自社情報の表示面積を大きくできます。競合の掲載位置を下げられる結果、競合への流入による顕在顧客の取りこぼしを少なくできるでしょう。

指名検索数の増加で忘れてはいけないポイント

指名検索数の増加に向けたSEOを講じているにもかかわらず、その効果がいまいち感じられないと言ったケースが出てくるかもしれません。そのような場合には、施策自体の効果検証とともに、次の2つのポイントについても改めてチェックしてみましょう。

本業は継続しながら圧倒的な成果を残す

指名検索数を増やすための工夫やSEOの実施が重要であるのは確かです。

しかし、施策をいくら繰り出したとしても、肝心の本業が疎かでは期待する結果を出すのは難しくなります。

まずは、ユーザーニーズに適った商品・サービスの開発に努めるのが基本です。サポートやアフターフォローの充実も欠かせません。

日々企業運営に邁進し、本業で他の追随を許さない圧倒的な成果を残すことができれば、比例して指名検索数も増えていくでしょう。

魅力的なLPを作成する

指名検索数の増加に向けては、魅力的なLP(ランディングページ)の作成がとりわけ求められます。既に自社や自社で扱う商品・サービスに強い関心を持っているユーザーは、LPに対する要求度も総じて高いと考えられるためです。

Webサイトの最適化を図れるABテストの実施により、よりCV確度の高いLPを作成できるでしょう。ニーズが明確な指名検索ユーザーに対しては、その商品・サービスに特化したLPを別に設定するのも有効かもしれません。

リスティング広告との連携も重要です。

まとめ

指名検索とは、会社名やブランド名などの特定のキーワードを用いた検索手法です。

検索エンジンのアルゴリズム見直しの影響を受けにくいため、1度獲得した流入数を比較的維持しやすくなるメリットがあります。

検索意図が明確な指名検索の強化は、ブランディングの向上や将来優良顧客となり得る購買意欲の高いユーザー層の集客につながります。

施策の積み重ねを通じて流入数の増加を図り、自社ビジネスの収益安定化や持続的成長につなげていくことが大切です。