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専業フリーランスでWebライターになるには?必要な7つの施策と4つのキャリアを紹介

ライティング

誰にでもなれるといわれるほど、Webライターになるのは簡単です。実際、クラウドソーシングサイトに登録して簡単な文章作成の案件を引き受けた時点で、その人はもうWebライターです。確かに「誰でもなれる」というのは嘘ではないでしょう。

しかし、ここに「専業フリーランス」という条件が加わると、話はまったく違ってきます。専業フリーランスは、Webライターの収入だけで生活できるのが前提です。収入が考慮されない「誰でもなれるWebライター」とは別物です。ネット上で流布している「誰でもなれる」を簡単な仕事と誤って解釈して挑戦すると、ほぼ間違いなく挫折します。

この記事では、事前知識の不足による挫折を防止するために、専業フリーランスでWebライターを目指す上で必要な施策・キャリアについて解説します。
まったくの未経験から専業フリーランスになるのは無謀です。難易度を把握して、Webライターとしてのキャリアを積んでから挑戦しましょう。

近年の専業フリーランスライターを取り巻く環境

市場のレッドオーシャン化がすすみ、Webライターだけで生活していくのは以前にも増して難しくなっています。また、以前からフリーランスという職業形態が抱える廃業率の高さ、年収格差なども問題です。
ここでは、近年のフリーランスライターを取り巻く環境について解説します。

飽和状態による立場の低下

Webライターは、職業人口増加により案件受注の競合率が高くなっています。

単価の高い案件を、複数のWebライターが取り合っている状態です。必然的に選ぶ側のクライアントの力が強くなり、Webライターへの要求が高くなっています。このような状況下で案件を勝ち取るには、Webライターとしてのスキルはもちろん、交渉力も求められるでしょう。

飽和状態による立場の低下で、専業であっても優良人材でないと案件受注が難しくなっています。

フリーランスの約9割が10年後には廃業

中小企業白書によると、Webライターを含むフリーランスは開業1年で37.7%、3年で62.4%、10年後には88.4%が廃業しているそうです。

参考:https://www.k-society.com/know_how/closed_business_rate/

フリーランスの廃業理由としてよく挙げられるのが「不安定な収入」と「収入安定のための交渉コスト」です。
収入が安定しないケースで見られるのは次のような悪循環です。

  1. 案件が継続しない
  2. 仕事探しに時間をロスする

この悪循環を断ち切って継続案件を獲得するためには、クライアントとの交渉にコストをかける必要があります。

しかし、交渉が成功するかは本人のスキル次第です。交渉に失敗して、かえって状況が悪くなることもあります。コストに見合った成果を得られない結果、心が折れてしまい、廃業してしまうフリーランスも多いようです。

このような廃業理由は、Webライターにもそのまま当てはまります。
フリーランスという働き方自体にあるリスクも、Webライターの専業を難しくしています。

専業フリーランスでの年収

今でも「Webライターの稼ぎ方」で検索をすると、上位記事に「年収1000万」といった景気のいいワードが目に付きます。

しかし、専業フリーランスで働くWebライターが実際に稼げる平均的な年収は、およそ200~400万円ほどです。

フリーランス協会が実施した調査「フリーランス白書2023」による、Webライターを含むフリーランスの平均年収を見てみましょう。

年収割合
わからない・答えたくない1.4%
200万円未満19.5%
200~400万円未満27.9%
400~600万円未満20.9%
600~800万円未満11.3%
800~1000万円未満8.9%
1000万円以上10.0%

参考:フリーランス白書2023
https://blog.freelance-jp.org/wp-content/uploads/2023/03/FreelanceSurvey2023.pdf

200~400万円未満が27.9%と最も多く、年収400万円以下が約半数を占めます。1000万円以上は到達しているのはわずか1割にすぎません。

ちなみに、1000万円以上稼いでいるWebライターの大半は、案件を受注する以外の活動でも収益を得ています。
たとえば、インフルエンサーとの兼業や、ブログ運営などが代表的でしょう。
つまり、Webライターは漫然と依頼された案件をこなしているだけでは、高収入に到達できないということです。

平均収入がそれほど高くなく、収入アップのために活動領域の開拓が求められるのも、フリーランスで働くWebライターの難しさです。

フリーランスで生き残るために必要な7つの施策

フリーランスのWebライターを取り巻く環境は、厳しいと言わざるを得ません。
何の対策もなしに挑戦すれば、すぐに行き詰まり、挫折してしまうでしょう。
そこで、ここでは、Webライターがフリーランスで生き残るために必要な施策を7つ紹介します。

最初は実績作りを優先する

1つ目は、最初は収益より実績作りを優先することです。

先述した通り、Webライターは競合率が高くなっています。ある程度の実績がないと、単価の高い仕事を受注しても落とされるのが関の山です。受注失敗は時間のロスになります。急がば回れの精神で、最初は稼げないものと割り切ることが大切になります。

基本方針としては、以下の通りです。

  • 最初は利益度外視で初心者向け案件を10件程度終わらせて評価を蓄積する
  • 一定の評価を獲得した後は、可能な限り単価の高い案件を選んで受注する

一定の評価を獲得した後は、初心者向けの案件を何度繰り返しても実績にはなりません。完遂できることを前提に、できるだけ単価の高い案件を引き受けます。単価の高い仕事を完遂できたということが、わかりやすい実績になります。

最初は案件の受注率を上げるために、実績作りを優先しましょう。

時間給を意識する

2つ目は、収入アップのために時間給を意識することです。

Webライターは基本的に出来高制です。仕事をこなした「量」に対して収入が発生します。量をこなせない仕事は高単価であっても高収入にはなりません。単価の高さではなく、時間給でいくら稼げるかを考えるべきでしょう。

これは、記事の品質に対しても同じことが言えます。
もちろん、クライアントを納得させるだけの品質は大切です。
しかし、文章は良く書こうとすると、キリがありません。こだわりが捨てられないと、際限なく時間をかける羽目になります。収入につながらない時間の浪費は、出来高制では致命的です。

方針をまとめると、以下の通りです。

  • 高単価に惑わされず、時間給でいくら稼げるかを考える
  • 収入につながらない完璧主義は捨てる

出来高制に対応するために、時間給で仕事を見るよう心がけましょう。

自己管理を徹底する

3つ目は、フリーランスを継続するための自己管理の徹底です。

フリーランスのWebライターは自由な時間に働ける一方、何でも自分で管理しなくてはいけません。そのため、自己管理が徹底できないとフリーランスはあっという間に立ち行かなくなります。たとえば、Webライターでは仕事を継続するために以下の内容を自発的に行うことになるでしょう。

  • 納期厳守を前提にしたスケジュールや仕事量の調整
  • 継続的に活動するための心身の健康維持
  • 収入アップのためのスキル習得

フリーランスを継続するために、自己管理力を身に付けましょう。

需要の高いジャンルに特化する

4つ目は、稼ぎ続けるために需要の高いジャンルに特化することです。

実績を積むため、フリーランス初期で仕事を選り好みするのは厳禁です。しかし、収入アップを目指すのであれば、最終的には需要の高いジャンルに絞って仕事をすることになるでしょう。

専門性のある記事の作成は単価が高い一方、誰もが執筆できるわけではありません。引き受けるには、専門知識や経歴が必要です。その条件を、Webライターとして活動しつつ満たせる施策が、1つのジャンルに絞って案件を受けるジャンル特化です。ジャンル特化で専門性の獲得に成功すれば、単価が高くてライバルが少ない案件を引き受けられるようになります。

最初は幅広いジャンルに挑戦し、最終的には需要のあるジャンルに特化していきましょう。

資格を活用できる領域で書く

5つ目は、新しい評価基準に対応するために、自身の資格・経歴を活用できる領域で書くことです。

かつて稼ぎやすいジャンルとされていたのが、医療・健康記事です。しかし、それは過去の話です。2017年ころからGoogleは上位表示の仕様を大幅に変更しました。
医療・健康を含む「YMYL」という括りを設け、その範囲内では有資格者が執筆・監修した記事のみが上位表示されるシステムに作り変えたのです。
YMYLとはYour Money or Your Lifeの略で、人々のお金や人生に大きな影響を与える分野を指す言葉です。このジャンルでは、情報の正確さ・信頼性の確保できることが前提になります。つまり、医療・健康のジャンルでは、信頼性とそれを担保できる専門性、権威性がないと評価を得られなくなったのです。

その結果、YMYLに含まれる医療・健康の検索ランキングは、資格を持たないライターが排除され、大きく様変わりしました。この時に仕事を失って引退を余儀なくされたWebライターも少なくないようです。

しかし、これは言い換えれば筆者の持つ「専門性、権威性、信頼性」がより正当に評価されるようになったともいえます。

近年のWeb記事は、筆者の「専門性、権威性、信頼性」が高く評価されるようになっています。自分の資格・経歴を活用して「専門性、権威性、信頼性」を満たせる記事を書きましょう。

クライアントと単価交渉をする

6つ目は、収入アップに欠かせないクライアントとの単価交渉です。

Webライターが報酬をUPさせる方法は主に次の2つです。

  1. 受注数を増やす
  2. 文字単価を上げる

受注数を増やすやり方はシンプルですが、労働時間の増加とそれに伴うリスクがあります。Webライターにとってデメリットが多いので、クライアントと交渉して文字単価を上げてもらうのが理想です。

次の基本方針を守って交渉しましょう。

  • 曖昧な交渉を避け、具体的な文字単価を提示する
  • 単価を上げるメリットを提示する
  • タイミングを見て交渉する

クライアントはできるだけ費用を押さえたいと考えているので、はっきりと交渉しないと話を流されてしまいます。また、単価を上げてもいいと思ってもらうために、単価を上げるメリットを同時に提示することも大事です。

交渉のタイミングとしては、信頼関係が構築されている前提で、月5本以上の継続依頼をあることを目安にしましょう。安心感があるという意味では、複数のクライアントから依頼を受けているときなどもおすすめです。

Webライターが収入アップさせる方法は限られているので、積極的にクライアントと交渉しましょう。

活動領域を広げる

最後は、相乗効果を狙って活動領域を広げることです。

Webライターと相性がいい活動領域として代表的なのが、ブログ運営です。ブログ運営の収益化は、達成できればWebライターとしての実績にもなり、クライアントからの評価につながります。もちろん個人的な収入アップにもつながるので、一石二鳥です。

またTwitterで知名度を上げるのもおすすめです。Webライターも大きな視点で見れば、広告業の1つです。インフルエンサーのような影響力のあるTwitterユーザーになれれば、その広告力がWebライターの仕事でも活かせるようになります。

高収入ライターを目指すなら、活動領域を広げて相乗効果を狙いましょう。

フリーランスになる前に積んでおきたい4つのキャリア

フリーランスでは、収入を安定させるために7つの対策を迅速に実施する必要があります。一方で、これらの対策を効果的に実施するのは、まったくの未経験者には困難です。キャリアを積んで、基礎力を養ってから挑戦した方が無難でしょう。そこで、ここではフリーランスのWebライターになる前に積んでおきたい4つのキャリアについて解説します。

副業ライター 副業としてライターをやってみる

積んでおきたいキャリア1つ目は、誰でも挑戦できるのが副業ライターです。

基本的にライターは専業も副業も、仕事内容は変わりません。専業と副業の違いは、収入をWebライターに頼るか、頼らないかの差です。副業ライターの段階で、7つの施策を試しておけば、専業フリーランスでやっていけるかの目安になるでしょう。

専業フリーランスの試金石になるのが、副業ライターです。

企業ライター ライターを募集している会社で働く

積んでおきたいキャリア2つ目は、企業の文章ノウハウを学べる企業ライターです。

Webライターは悩みの尽きない仕事です。執筆に関することから、効率的な作業方法まで疑問が次から次へと湧いてきます。これらの疑問に、フリーランスは1人で対応しなくてはなりません。

一方で、企業に属していれば職場の上司や同僚から協力が得られます。それも、得られるアドバイスは企業のノウハウに基づいた信頼性の高い内容です。企業ライターで培われた文章スキルはフリーランスで独立した後も、大きな財産になるでしょう。

Webライターとして高い基礎力を培えるのが、企業ライターです。

ブログ運営

積んでおきたいキャリア3つ目は、専業フリーランスになった後でも役立つブログ運営です。

ブログ運営では、収益化を目指すためにSEOを始めとする記事の流入数を増やす取り組みを行うことになります。流入数の増加による記事の上位表示は、クライアントがWebライターに最も望んでいる成果です。ブログ運営で上位表示を達成できれば、そのスキル・実績は高く評価されるでしょう。また、上位表示を達成したブログは、収益をもたらし続ける財産にもなります。

Webライターならやっておいて損にならないのが、ブログ運営です。

YMYL関連の職業

積んでおきたいキャリア最後の4つ目は、金融・医療系を始めとするYMYL関連の職業です。

YMYL関連は高収入が見込める一方、資格や経歴がないと上位表示が見込めないジャンルです。それだけに、YMYLに関連した職業で資格や経歴を獲得できれば、後々Webライターとして大きなアドバンテージになります。

他Webライターとの競合を回避できる資格や経歴が手に入るのが、YMYLに関連した職業です。

キャリアから獲得したい能力

キャリアを経て専業Webライターを目指すのであれば、キャリアとなる仕事からどんなことが学べるか意識して仕事をすることが大切です。最後に、キャリアから獲得しておきたい基本的な能力を解説します。

読者に配慮した文章作成

Webライターの業務では読者に行動や理解を促すために、ターゲットに配慮した文章作成が求められます。

Webライターに求められているのは、人を楽しませる文章ではありません。読者に行動や理解を促せる、わかりやすい文章が書けるかどうかが大事です。わかりやすい文章を書く上で、ポイントになるのが読者層の想定です。読者層を決めずに万人受けを狙ってしまうと、結局、誰にとっても響かない文章になってしまいます。ターゲットとなる読者に配慮した文章作成は、記事作成の目的を達成するための基本といえます。

読者層の設定やそれに基づく文章作成は、キャリアを積む中で身に付けておきたいスキルです。

実践的なSEOスキル SEOを踏まえたライティング力

Webライターは、読者だけではなく検索エンジンにも記事を評価してもらわなくてはなりません。そのため、SEOを踏まえた文章作成が求められます。

SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジンに自サイトを評価してもらい、検索で上位表示してもらうための対策です。
ほとんどの場合、ウェブ検索で最初にクリックされるのは、1ページ目の上位に掲載されている記事です。そのため、1ページ目での上位表示できるか否かはサイトの流入数に大きく影響します。SEOはWebライターが習得しなくてはならない代表的な基本スキルの1つです。

一方で、実用的なSEOスキルを身に付けるのは簡単ではありません。本当の意味でSEOスキルを身に付けるには、知識だけではなく実践の中で学ぶ必要があります。

実践で身に付く実用的なSEOスキルも、キャリアを積む中で身に付けておきたいスキルです。

正確なリサーチ力

Webライターが記事を書く上で土台となるのが、正確なリサーチ力です。

Webライターの仕事は情報のリサーチが大半を占めます。効率的に作業するためにも、さまざまな情報源から自分が必要とする情報を迅速に集める必要があります。

一方で、早さより重視しなくてはならないのが情報の正確性です。正確な情報を集める際に注意したいのが、Web上で収集できる情報です。Web上の情報は迅速に集められる一方、真偽が不確かな内容も入り混じっています。もし、誤った情報を載せてしまえば、今まで培ったきたWebライターとしての信頼を一気に失ってしまうでしょう。正確な情報収集は、Webライターを継続する上で必須です。

情報の真贋を見抜く能力も、キャリアを積む中で身に付けておきたいスキルです。

Webライターとしてのコミュニケーション能力

フリーランスでの業務遂行や収入アップに欠かせないのが、コミュニケーション能力です。

フリーランスのWebライターは1人で黙々と作業できる仕事ですが、コミュニケーション能力が必要とされる場面は意外と多いです。たとえば、依頼内容の不明瞭な部分を明確にするのには、クライアントとの密な連絡が必要になります。また、単価交渉も普段からのやり取りで関係構築が出来ていることが前提です。Webライターの業務遂行や収入アップにコミュニケーション能力は欠かせません。

一方で、Webライターが求められるのはメールやチャットツールを使った間接的なコミュニケーション能力です。文章でコミュニケーションを取ることを前提に、次のことに気を配るといいでしょう。

  • 挨拶や敬語などビジネスマナーに則した文
  • 目的の伝わりやすさ
  • 相手の返信しやすさ
  • 相手に配慮した迅速な返信

Webライターとしてのコミュニケーション能力も、キャリアを積む中で身に付けておきたいスキルです。

タイムマネジメント力 タイムマネジメント力

Webライターが収入アップと納期厳守を両立する上で欠かせないのが、タイムマネジメント力です。

フリーランスのWebライターは、その気になればいくらでも仕事を掛け持ちすることが可能です。そのため、シンプルに仕事量を増やすことでも収入アップができます。
一方で、Webライターは納期厳守が原則です。仕事量を増やしても期限内に処理できなければクライアントからの信頼を失い、最終的には淘汰されてしまいます。

スケジュール管理や仕事量を調整するタイムマネジメント力も、キャリアを積む中で身に付けておきたいスキルです。

業界の専門知識

Webライターが書く記事のクオリティや作業効率を高めてくれるのが、本人が経験した業界の専門知識です。

Webライターの記事は基本的にインターネットで収集した情報を基に執筆されています。
そのため、インターネットではなく自分の専門知識を活かして記事を作成できれば、他記事と競合しない情報を掲載しやすくなります。

また、専門知識はクオリティ面だけでなく、作業効率を上げるのにも有益です。専門知識を活かせれば情報収集の手間を省けます。Web情報の真贋も判断できるので、自信を持って情報発信ができます。

キャリアを積む中で、その業界で働くことでしか得られない専門知識の獲得も意識的に行っておきましょう。

まとめ

厳しい現状下でいきなり専業フリーランスに挑戦するのは難易度が高いです。必要な施策を成功させるためにも、まずキャリアを積んでWebライターとしての実力を身に付けましょう。必要とされる能力を意識すれば成長も早いはずです。

キャリアを積んでWebライターとしての実力を身に付けてから、専業フリーランスに挑戦しましょう。