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リファラーとは?正しい扱い方のポイントやトラブルの注意点を徹底解説

ライティング

リファラーは、該当のWebサイトを訪問した際に閲覧者が経由してきたページを指し、さまざまな情報を得られる要素の一つです。リファラーを正しく理解して活用することで、Webサイトの特性を把握し、改善点を発見できるでしょう。
この記事では、リファラーの基礎知識や扱う際のポイント、注意点を紹介します。

リファラーとは参照元(リファラ)のこと


リファラーとは、ユーザーがWebサイトを訪れた際の経由元のことです。

単にリファラーと表現する際は参照元ページを指し、検索エンジンリファラーと表現する際は経由元の検索エンジンを意味します。
また、訪問者が検索エンジンに入力したキーワードの名称は、キーワードリファラーです。リファラーはWebサーバーに蓄積される情報を分析して特定されるため、解析すればユーザーの訪問ルートを把握できます。

リファラーを調べるメリットとは?


リファラーを正確に把握すれば、ユーザーニーズやターゲット層を明確にでき、Webサイトの品質向上に活用できるでしょう。
以下では、リファラーを把握するメリットを解説します。

SEO対策/SEM対策に必須


検索エンジンリファラーの場合、分析することでユーザーがどのようなキーワードを経由しているのかが分かります。ユーザーの知りたいことを具体化できれば、サイト内コンテンツの改善に活かせて、SEO/SEM対策につながるでしょう。
SEO対策とは、Googleなどの検索エンジン上でWebサイトの順位を高め、検索流入を増やす施策です。
SEM対策は、SEO対策とリスティング広告を合わせた検索エンジンマーケティングの総称になります。

自社サイトへの流入経路が分かる


リファラーを確認することで、ユーザーの流入経路を把握できます。参照元の特色や紹介の仕方を参考にすれば、自社コンテンツのターゲットとなり得るユーザーを明確化できるでしょう。
また、リファラーを参考にすれば広告を出稿している際に、どの広告から流入できたのかについても把握できます。Webサイトと広告の特性を照らし合わせることで、広告戦略を効果的に行えるのです。

リファラーを調べる方法とは?


リファラーは、Googleが無料で提供しているアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」で調べられます。登録したWebサイトにおけるユーザー行動について、さまざまな視点から分析できるのが特徴です。

以下では、リファラーを調べる2通りの方法について解説します。

Googleアナリティクスの「参照元/メディア」で調べる


まずGoogleアナリティクスにログインし、メニューから「集客」を選択しましょう。続けて「すべてのトラフィック」「参照元/メディア」の順にクリックすれば、GoogleやYahoo!などの参照元が確認でき、リファラーを把握できます。

Googleアナリティクスの「参照サイト」で調べる


前項と同じく、まずGoogleアナリティクスにログインし、メニューから「集客」を選択します。そして「すべてのトラフィック」「参照サイト」の順にクリックし、表示される
t.co(Twitter)などのサイトURLを確認して、リファラーをチェックしましょう。

リファラーを扱う際のポイント


リファラーを活用するにあたり、注意してほしいポイントは主に3つです。
以下では、リファラーを扱う際に押さえておきたい点を解説します。

ノーリファラーも存在する


Googleアナリティクスで参照元を確認する際に、(direct)/(none)と表示される場合があります。
(direct)/(none)は、ノーリファラーといい、参照元が判断できないアクセス情報のことです。ノーリファラーは、ブラウザ上にあるお気に入りからの訪問や、URLを直接入力した場合などが該当します。

メディアを確認する


リファラーを確認する際は、必ず参照サイトだけでなくメディアも確認しましょう。メディアを確認すれば、オーガニック検索やノーリファラーなどからの流入を把握でき、ユーザーの属性に合わせてサイトコンテンツの改善が可能です。
例えば、オーガニック検索からの流入が多い場合は、流入の多いキーワードを把握し、キーワードに関係したコンテンツを追加すると良いでしょう。
オーガニック検索とは、検索結果ページにおけるリスティング広告(検索結果の最上部にある広告)を除く部分です。

リスティング広告と違い、オーガニック検索は費用を掛けずに対策ができる点が特徴です。
また、social(ソーシャル)からの流入が多い場合は、流入数が増加した投稿タイミングを把握して、SNSマーケティングの戦略に活かせるでしょう。

リファラースパムに要注意


リファラーを確認する行為を利用し、スパムサイトに誘導させる悪質行為がリファラースパムです。
リファラースパムは危険性が高いだけでなく、正常な数値を把握できなくなってしまうデメリットがあります。

ノーリファラーの原因と解決方法


ノーリファラーは、原因を把握して適切に対処すれば解決が可能です。以下では、ノーリファラーの主な原因と解決手段について解説します。

ノーリファラーの原因


通常はブラウザがページをサーバーに要求する際、リンク元のWebページのアドレスを申告する仕組みになっています。しかし、その設定がされていない状態だとノーリファラーとなります。アプリ経由や、QRコードの読み取りでWebサイトを訪問した際もリファラーを判断できないため、スマートフォンの普及に伴ってノーリファラーの発生が増加傾向にあるようです。

暗号化(SSL化)する


URLがhttpsから始まるWebサイトは暗号化されているため、httpで始まるサイトよりもセキュリティが強力です。
自身のWebサイトがhttpサイトの場合、httpsサイトのリファラー情報は送信されません。
httpsサイトからの流入でノーリファラーになる場合は、自身のWebサイトをhttpsサイトにすれば解決できます。特に、トップページの暗号化は実施しておきましょう。

リダイレクト後のURLにパラメータを付与する


リダイレクトとは、ページのURLが変更された場合や、PCサイトとスマホサイトを分けている場合などに、ページにアクセスしたユーザーを別のページに移動させる仕組みです。
「.htaccess」でリダイレクトされている場合、ノーリファラーとなるケースがあります。
リダイレクトによってノーリファラーが発生する場合は、リダイレクト後のURLにパラメーターを付与すれば、リファラーの計測が可能です。
パラメーターとは、URLの末尾に「?」を追記し、特定の記号を付与することを意味します。
Googleアナリティクスのパラメーターの別名は「utmパラメーター」です。例として「utm_source」は検索エンジン名・サイト名などの参照元を識別し「utm_medium」は有料検索広告・メルマガなどの流入手段を識別します。

リファラースパムの対策の重要性とやり方


リファラースパムは非常に危険な性質を持つため、正しい対策が必要です。以下では、リファラースパム対策が必要な理由と対策方法について解説します。

リファラースパム対策が必要な理由


リファラースパムには、スパムサイトへの誘導やアクセス計測の阻害以外にも、さまざまな悪影響があります。リファラースパムが集中してアクセスを急増させると、サーバーに負荷がかかってしまい、Webサイトの反応が遅れます。場合によってはサーバーが停止する恐れがあるので、十分な注意が必要です。
また、SEO評価にも大きな影響を与えます。Googleがスパムと判断しているWebサイトから大量の外部リンクを貼られると、Googleからリンク稼ぎの疑いをかけられ、評価が落ちてしまうのです。
リファラースパムを発見した場合は、早めの対策を施しましょう。

フィルター設定を使う方法


リファラースパム対策としては、Googleアナリティクス上でリファラースパムからのアクセスを非表示にする方法が有効です。フィルター設定を利用する場合は、以下の4通りのパターンがあります。

  • 特定のURLのアクセスを除外する
    スパム対象となるWebサイトをブロックする基本的な方法です。
    まず、管理メニューのフィルタを選択し、フィルタ追加画面を開きます。次にフィルタ名を決定し、フィルタの種類からカスタム選択して、除外にチェックを入れましょう。フィルタフィールドで参照を選択し、最後にフィルタパターンに対象のURLを入力して保存すれば、ブロック完了です。
  • 言語が(not set)のWebサイトからのアクセスを除外する
    海外や不明な言語のアクセスをブロックするために、言語のフィルタを設定します。
    前述の手順通り進行し、フィルタフィールドの項目で言語設定を選択しましょう。フィルタパターン欄に「not set」と入力すれば完了です。(not set)以外の場合は、該当するワード自体を入力すると除外できます。
  • ホスト名が(not set)のWebサイトからのアクセスを除外する
    Webサイトを運営する際は、言語設定とともにホスト名も指定されているため、ホスト名が表示されていないWebサイトはブロックしておきましょう。
    前述と手順は同じで、フィルタフィールドで「ホスト名」を選ぶと除外完了です。
  • 自身のホスト名へのトラフィックのみを表示する
    トラフィックとはWebサイト・ページ間を行き交う閲覧者の流れを意味します。
    スパム業者などにより、自分以外のホスト名へのトラフィックを自分のものに偽装されるケースがあるため対策が必要です。
    ユーザーメニューから「テクノロジー」「ネットワーク」の順に選択し、表上部の「ホスト名」をクリックして確認します。次に「ビューにフィルタを追加」を開き、フィルタの種類を「定義済み」にしてください。各項目で「右のみを含む」「ホスト名へのトラフィック」「等しい」を設定しましょう。ホスト名の箇所に自身のWebサイトのドメイン名を入力して保存すれば完了です。

ボットフィルタリング機能を使う方法


フィルタリングを設定すれば、Googleからボット登録されているものからのヒットを除外できます。ロボットからのアクセスを除外すれば、正常なアクセス数の計測・収集が可能です。
設定方法は、まずGoogleアナリティクスを開き「管理」「ビュー設定」の順に選択します。次に「ボットフィルタリング」にチェックを入れて「完了」をクリックすれば設定完了です。

リファラーの将来的な見通し


今後、リファラーは取得が難しくなると予想されています。WebブラウザのGoogleChromeは、バージョン85の時点でアクセス解析関係のシステム変更にともない、リファラーを用いたWebサイト情報の把握が完全ではなくなったためです。システム変更により、全てのWebサイトで「トップページからの訪問」との記録になります。そのため、どのページから訪れたのかなど詳細な情報までは確認できなくなりました。
加えて、ネット上のプライバシーの観点からも、リファラーは個人情報として扱われるようにな可能性が高くなります。

まとめ


ここまで、リファラーの概要と活用方法、注意点について解説してきました。リファラーは参照元を意味する用語で、Googleアナリティクスを用いることで確認できます。
リファラーを分析すれば、Webサイトをより高品質化させるきっかけになります。
しかし、取り扱う際はノーリファラーやリファラスパムへの対策を正しく実施することが大切です。
リファラーは、Webサイトの流入経路の把握に欠かせない情報です。分析する際の注意点ついて理解した上で、積極的に活用していきましょう。