Webライティングを始めたばかりの人の中には、見出しを書くことに苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか？

Webライティングは文字数に対して報酬が発生することが多い仕事です。一方で、見出し作成では文字数をほとんど稼げません。そのため初心者の中には、見出しの作成に手を抜いてしまい、つい文章の執筆を優先してしまう方もいます。

しかし、Webライティングにおいて見出しは記事全体の設計図です。
作成を怠ると、執筆するスピードも、文章の完成度も大幅に下がってしまいます。効率的で質の高いWebライティングを行うには執筆前の見出し作成が欠かせないのです。

この記事では見出しを作成するメリットと、作成のための基本ルールについて解説します。つい文章の執筆を優先しがちな方はぜひ、記事をご参照ください。

この記事は次のような人におすすめ

• 見出し作りより本文を書くことを優先してしまっている方
• 見出し作りの基本ルールを知りたい方

Webライティングで見出しを先に作るメリット

Webライティングにおいて、見出し作成は記事全体の設計図です。事前に作成することで、執筆作業はスムーズになり、記事の完成度も高くなります。ここでは、Webライティングのメリットについて解説します。

迷わず執筆できる

事前に見出しを作成しておけば、記事の道筋が明確になります。

記事の方向性を決めておくのはWebライティングの効率化のために大切です。方向性を決めておかないと、「目的」「ターゲット」など記事の主幹部分が曖昧になり、執筆中に迷子になってしまいます。迷子の状態で執筆を続ければ、記事の一貫性は損なわれ、作業効率も落ちてしまいます。

一方で見出しをしっかり作り込めば「目的」「ターゲット」もはっきりします。道筋が明確になるので迷子にならずスムーズに文章が書けるようになります。

事前に見出し作成をすると、長文でも迷わず執筆できるようになります。

記事の全体像が把握しやすくなる

事前に見出しを作成しておけば、情報が整理され作業効率が上がります。

見出しがない一続きの文章は、文字数が把握することが困難です。情報も整理されていないので、どこに何が書かれているかがすぐには分かりません。また、長文なので一箇所リライトすると、その影響が広範囲に及んでしまいます。

一方で、見出しで分けた文章は、文字数が調整しやすいです。トピックが分けられているので、どこに何が書かれているかが一目瞭然です。リライトの影響も限られた範囲内なので、気軽に行えます。

事前に見出し作成すると、記事の全体像が把握しやすくなります。

SEO対策を取り込める

事前に見出しを作成しておけば、記事の内容を検索エンジンにも適切に伝えられます。

検索エンジンに情報収集を任されているクローラーは、見出しタグやタイトルタグで記事に何が書かれているかを判断しています。
そのため、見出しのない記事は必要な情報を提供できず、検索エンジンの評価を獲得できません。
つまり、見出し作成は、検索エンジンの評価対象となるための基礎でもあるのです。

このような、検索エンジンに評価されるための施策をSEO対策といいます。
SEOとは「検索エンジンの最適化」という意味で、達成すると記事が検索で上位表示されるようになります。
ユーザーの流入数を上げるには上位表示が必須であるため、WebライティングではSEO対策が必須です。

事前に見出し作成すると、適切なSEO対策が取れるようになります。

文章の設計図となる見出しを作るためのポイント

見出しからメリットを得るには、記事作成のコンセプトや読者視点での利便性を理解しておく必要があります。ここでは、文章の設計図となる見出しを作るためのポイントを4つ解説します。

ターゲットは誰か

1つ目は、誰をターゲットにした記事なのかです。

記事内容が、Webサイトを通じて誰に向けられているかをはっきりと認識します。誰に向けた文章かが曖昧だと、目的全体が不明瞭になります。目的がわからなければ、設計図を作ることなど不可能です。

見出しを作るために、まずターゲットを明確化しましょう。

ニーズは何か

2つ目は、ターゲットのニーズは何かです。

Webライティングにおける見出しの役割は、ユーザーの知りたい情報が記事に書かれていると伝えることです。そのため、設計図となる見出しを作成するには、ユーザーがWeb検索を通して、どんな問題を解決したいか知っておかなくてはなりません。ニーズが不明確では、読者の心を動かすことはできません。

読者の興味を引く見出しを作るために、ニーズは何かを把握しましょう。

提供する価値はなにか

3つ目は、ニーズを満たすために何を提供するかです。

Webで検索される記事に共通する目的は、検索ユーザーの問題解決です。そのため、求める情報があると伝える役割を持つ見出しは、記事を読めば問題解決につながる価値を提供できることを伝えなくてはなりません。記事は読者のニーズに応えられてようやく評価されます。

読者に読む価値があると伝えるためにも、提供する価値を見出しに組み込みましょう。

読者視点での利便性は何か

最後は、どうすれば読者にとって便利な見出しになるかです。

当たり前ですが、見出しは読者のために作られます。そのため、設計図となる見出しを作る上で、どのようにすれば読者の利便性を高められるかを考えることが非常に重要です。

たとえば、記事内容が見出しで整理してあれば、ユーザーは知りたい情報を効率的に探すことができます。また、読者が得たいと思う情報を先読みして見出し構成ができれば、ユーザーはそのページだけで情報収集を完結できるでしょう。読者にとって知りたい情報をいち早く取得できることが、読者にとっての利便性です。

見出しに設計図としての役割を持たせるためにも、どのように構成すれば読者が円滑に情報を取得できるか考えましょう。

見出し作成の基本ルール

ここまででWebライティングにおける見出しのコンセプトについて、おわかりいただけたのではないでしょうか。ここからは、実際に見出し作成する上で守るべき基本ルールについて解説します。

見出しと記事内容の一致

見出しと記事内容を一致させること最優先させましょう。

そんなのは「当たり前のこと」と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、Webライティングでは、優先順位を間違えて記事内容と一致しない見出しを作成してしまうことも少なくありません。

たとえば、このような失敗でよくあるのがSEO対策への誤解です。
SEO対策では見出しやタイトルにキーワードを「適切な量を」「自然な形で」含めることが推奨されています。
しかし、SEO初心者には、これを拡大解釈して「見出しをキーワードに含めれば含めるほどいい」と勘違いしてしまう人がいます。
結果、SEO対策を優先しているつもりで、キーワードを無理やり加えて、記事内容と一致しない見出しを作成しまうのです。

そもそも、見出しと記事内容を一致は、他の施策をより優先されます。たとえ、SEO効果があったとしても、ユーザーにとって価値のない情報に誘導した時点で、記事の全体的な評価は下がってしまいます。これでは本末転倒です。

見出し作成の基本ルールとして、見出しと記事内容は、必ず一致させましょう。

キーワードの使用

見出しには、キーワードを適切に活用しましょう。

先述した通り、無理やりキーワードを用いるのはよくありません。しかし、適切に使えば、キーワードの使用は見出しの効果を高めてくれます。

そもそも、キーワードはユーザーが「知りたいこと」「達成したいこと」を考慮して選定されます。つまり、読者のニーズを単語化したものがキーワードです。これを読者の興味を引くのに利用しない手はないでしょう。

基本ルールとして、できるだけキーワードを入れるようにしましょう。

抽象度の一致

見出しで扱う情報の大きさはそろえましょう。

情報の大きさが違う見出しが並んでいると、読者に違和感を与えてしまいます。また、筆者自身も文章を作成しにくいです。
たとえば「生物」を題材とした記事で次のような見出しが並んでいたらどうでしょう。

見出し⓵：魚類　
見出し②：人間
見出し③：爬虫類
見出し④：両生類

②の人間だけ明らかに情報の大きさが違います。この部分には「哺乳類」と入れるべきでしょう。

これは、抽象度の違いとも言い換えられます。

人間は哺乳類に含まれます。
よって、哺乳類を具体化にした答えの1つが人間です。
逆に人間を抽象化すると哺乳類、哺乳類を抽象化すると生物になります。
この具体・抽象（抽象度）の違いが、見出し②の違和感の正体です。

基本ルールとして、見出しを並べる時は抽象度を一致させましょう。

文字数は20字以内を意識

見出しは、読者を考慮して長すぎず短すぎず、丁度いい文字数を心がけましょう。

読者視点での見出しの利便性は、求めている情報の有無を早急に判断できることです。そのため、利便性を損なう長すぎる見出しはNGです。

かといって短すぎてもいけません。見出しの役割には、読者を引き付けて文章を読んでもらうことも含まれます。淡泊すぎて魅力が伝わらないようでは、その役割は果たせないでしょう。

見出しは、役割を意識しつつ20文字以内に収めましょう。

見出しの効果を高めるコツ

基本ルールを押さえたら、次は見出しが役割を果たすにはどうしたらいいかを考えましょう。ここでは、見出しの効果を高めるコツについて解説します。

具体的な数字を入れる

見出しに数字を入れれば、より情報が伝わりやすくなります。

数字にはイメージを具体化する効果があります。
たとえば、次の2つの見出しを見比べてみましょう。

• 数字を使わない見出し

大好評！ 利用した若い女性のほぼ全員が効果を実感できたダイエット食品

• 数字を活用した見出し

30万食突破！ 利用した20代女性の9割が効果を実感できたダイエット食品

同じダイエット食品を対象とした見出しですが、両者を比較すると、数字を活用した見出しの方が、より具体的なイメージが湧くのではないでしょうか？

具体的な情報は、読者からの信頼性を高めます。数字を活用して、見出しの効果を高めましょう。

感情を揺さぶる

感情を揺さぶることができれば、読者に訴求しやすくなります。

感情は人を行動させる原動力です。
たとえば、読者の不安の感情を刺激する見出しなら、次のようになるでしょう。

• 知らない人は一生結婚できない？ 婚活で知っておくべき常識〇選

こういったネガティブな見出しは、読者に「知っておかないと大変なことになる」とネガティブ感情にアプローチすることで記事の閲覧を促せます。

やりすぎると読者に不快感を与えてしまいますが、適量であれば効果的な手法です。感情を揺さぶる文言を加えて、見出しの効果を高めましょう。

意外性で注目を集める

見出しに意外性を付与できれば、読者は好奇心を刺激されて書かれている内容を読まずにはいられなくなります。

人は意外性に引かれます。次の2つの見出しを見比べてみましょう

• 常識的な見出し

ダイエットには食事制限が必須！

• 意外性のある見出し

ダイエットで食事制限をするとかえって太る！

常識的な見出しでは読者は「そんなことは知っているよ」となり、興味を持ってもらえません。一方で、意外性のある見出しは常識とは違うことを言っているので「どういうことなの？」と好奇心を引かれて思わず読んでみたくなります。

情報の信頼性を担保することが前提になりますが、常識が強ければ強いほど、それを逆行する見出しは読者を引き付けます。意外性を取り入れて、見出しの効果を高めましょう。

疑問を先読みする

疑問を先読みして見出しに組み込めば、記事に求める解答があることをアピールできます。

読者は何らかの問題を解決するためにWeb検索をしています。その問題を先読みして見出しに組み込めれば、問題解決に役立つ内容が書かれているのをアピールすることが可能です。

疑問の先読みにはサジェストを活用しましょう。サジェストとは、検索窓にキーワードを入力した際に、一緒に検索されやすいキーワードが自動的に提案される機能です。

例えば「オートミール」と検索するとサジェストに「米化」「カロリー」「ダイエット」などが表示されます。ここから疑問を先読みすると、ユーザーは「オートミールで痩せられるか」が知りたいと予想できます。サジェストを使わない見出しと、活用した見出しを見比べてみましょう。

• サジェストを使わない見出し

オートミールの栄養価について解説

• サジェストを活用した見出し

オートミールをお米がわりに食べれば痩せられる？ 栄養価を解説

仮にユーザーがオートミールのダイエット効果に知るために栄養価を調べていたとしたら、サジェストを活用した見出しを選ぶはずです。

同じ内容であっても、読者の疑問を先読みできるどうかで見え方に差が生じます。疑問を先読みすることで、見出しの効果を高めましょう。

得られるメリットを明確にする

見出しでメリットを明確にできれば、記事を読み進めてもらえる確率が上がります。

読者は必要な情報だけを効率的に得たいと考えています。そのため、読むメリットを見出しで提示できないと、早々に離脱してしまう可能性が高いです。

メリットを示すコツとしては、見出しのポイントでもある「誰のため」「何のため」を明確にすることです。何のためが曖昧な見出しと、明確な見出しを比較してみましょう。

• 「何のため」が曖昧な見出し

身体の調子が悪い方におすすめのサプリメント

• 「何のため」が明確な見出し

肌荒れで悩んでいる方におすすめのサプリメント

「身体の調子が悪い」では当てはまる範囲が広すぎて何のためのサプリメントか分かりません。一方で「肌荒れで悩んでいる」と書かれていれば、何のためのサプリメントかは明確です。肌荒れに効くサプリメントを探している読者の目に留まれば、読み進めてもらえる可能性は高いでしょう。

一見すると読者層を絞っているように見えますが、すべての読者を引き付けられる言葉はありません。「誰のため」「何のため」を明確にして、読者に「私のための情報だ」と思ってもらうことが大事です。

読者が得られるメリットを明確にして、見出しの効果を高めましょう。

まとめ

見出しは文章の設計図です。しっかり作り込まないと文章全体の一貫性が保てなくなり、作業効率も落ちてしまいます。
一方で、基本ルールを遵守し、効果を高める工夫をすれば、見出しは文章作成の道しるべになってくれます。見出し作成に注力して、クオリティと作業効率が両立したWebライティングを目指しましょう。