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Twitterで企業アカウントを運用しよう!成功のポイントとは

SNS・広告運用

Twitterは、今や巨大SNSとして有名です。最近ではアメリカの実業家イーロン・マスクによる買収撤回報道も広く報じられており、社会への影響力の高さがうかがえます。そのため、サービスの提供が開始された当初に比べて、企業や個人事業主がビジネス目的で使用するケースは格段に増加しているといえるでしょう。

適切に利用すればビジネスチャンスにもつながり得るTwitterの企業アカウントですが、一歩間違えれば「炎上」という形で機会損失の原因にもなり得ます。この記事では、Twitterの企業アカウントをどのように運用すれば成功するのか、ポイントと実際の成功例、便利なツールやサービスについてまとめて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

企業がTwitterを運用する理由とは?

企業が自社商品やサービス、浸透させたいイメージを宣伝する際に使われる媒体は数多くあります。看板広告やテレビCMは代表的な例ですが、現代の情報化社会においては、WebメディアやSNSの台頭が著しいといえるでしょう。

SNSはTwitterだけではなく、FacebookやInstagram、TikTokなどさまざまな種類が存在しますが、企業がTwitterを利用するメリットはどこにあるのでしょうか。TwitterというSNSの特徴を踏まえた上で解説します。

Twitterの強み

Twitterは他のSNSと比較すると、「リアルタイムで情報が爆発的に拡散する」可能性が高い媒体です。アクティブユーザー数の多さや、リツイートというシェア機能がこの特徴をより強いものとしています。情報取得の手軽さにおいても、1つのツイートが140文字までに制限されている点は、Twitterならではの強みといえるでしょう。

Twitterが選ばれる理由

企業にとって、自社が提供する商品やサービスを消費者に知ってもらうことは何よりも重要です。いかに素晴らしい品質の商品が開発されたとしても、消費者がその存在を認知しなければ意味がありません。
「数多くの消費者に自社の商品、サービスについて興味を持ってもらう」という観点から見ると、不特定多数のユーザーが手軽に情報を得ることができるTwitterは、企業が導入するに値する情報宣伝媒体といえます。

Twitterを運用する目的とメリット

企業がTwitterを運用するにあたって、「販売促進」「ブランディング」「顧客獲得」など、何らかの最終目的が存在するでしょう。注意しておきたいのは、「フォロワー数」や「いいね」を増やすことは、目的を達成するための過程に過ぎないという点です。「フォロワーが1万人を超えた=商品が大ヒットする」とはならないので、最終的な目的を明確にし、目的達成のための継続的な運用が重要になります。

また、目的達成のためには、Twitterを運用するメリットについても把握しておくとより効果的です。爆発的な情報拡散力を持ち、前述した「販売促進」「ブランディング」「顧客獲得」で大いに期待できることは、Twitter独自のメリットといえます。加えて、不特定多数のユーザーの声が届きやすいため、自社商品やサービスへのフィードバックとして活用できる点も魅力の一つです。

企業がTwitterを運用する際の注意点

適切に運用すれば相応の効果を発揮する企業のTwitter運用ですが、使い方を誤ればさまざまな悪影響を及ぼしかねません。そのような事態を避けるために、企業がTwitterを運用する上で注意した方が良い点について、4点紹介します。

炎上する恐れがある

企業アカウントに限らず全てのユーザーに共通することですが、Twitterは年齢や性別、職業、思想信条などの属性が全く異なる方々が多数利用しています。そのため、どのような発言が反発を招くか不透明です。
徹底した社会的倫理観やネットリテラシー、コンプライアンスの下に情報を発信していたとしても、「炎上」という形で企業イメージの悪化につながる場合もあります。

「炎上」を避けるための社内教育の徹底はもちろんですが、万が一の際に備えて「炎上対策」も講じておくと良いでしょう。

運用する負担が大きい

企業アカウントの運用はマーケティングの一つであり、個人が思ったことをツイートするのとは雲泥の差があります。つまり、企業アカウントの担当者が行う業務は、片手間にはできないということです。企業アカウントの運用で必要なポイントは以下の通りです。

  • 効果的なツイートを継続的に投稿する
  • アクティビティの分析を行って改善する
  • 目的達成に向けてより良い運用を行う

通常の業務と兼用するには負担が大きいことを把握し、アカウント運用の専任者や専門チームを配備するなどの取り組みが重要になります。

フォロワー数だけに着目しない

アカウントのフォロワー数が増える=消費につながる、というわけではありません。企業アカウントをフォローしたユーザーの興味関心が、企業が打ち出したい商品やサービスに向いているとは限らないからです。

情報拡散力という観点から見ればフォロワー数が多いのに越したことはありませんが、フォロワーによる「いいね」や「リツイート」の傾向、フォロワーの属性などの包括的な分析が重要になります。

「いいね」や「リツイート」する内容にも注意

企業アカウントの担当者、俗にいう「中の人」が私的なツイートを投稿して、炎上に発展するケースがしばしば見受けられます。気を付けておきたいのが、ツイートだけではなく、企業アカウントによる「いいね」や「リツイート」でも同様の懸念がある点です。

問題の本質は、企業アカウントという「Twitter上で企業を代表する顔」が、個人的な興味関心を公的な場でさらけ出してしまうという点にあります。「いいね」や「リツイート」の内容によっては、企業のイメージが偏ったり悪化したりする恐れがあるので、企業アカウントとしての「キャラクター性」を統一させましょう。

Twitter運用を成功させるポイント「1.指針」

続いて、企業がTwitterを運用するにあたって成功を収めるためのポイントを、大きく5つに分けて解説します。まずは、運用を始める前の準備段階におけるポイントについてです。

ターゲットや目標の設定

発信したい情報と、情報の受け手となるターゲット層を明確にすることは非常に重要です。一つの企業アカウントで、属性の異なる複数の情報を発信することは楽かもしれません。

しかし、ユーザーからすると、興味のない情報を発信されても困惑してしまいます。
属性の異なる情報を複数発信したいのであれば、企業アカウントもターゲットと目標に応じて複数作成しましょう。

キャラクターの設定

次に、企業アカウントに「魂を吹き込む」段階に入ります。投稿されるツイートが無機質で業務連絡的では、ユーザーの興味関心を引くのに十分とはいえません。設定したターゲット層が興味を抱いてくれたり、共感してくれたりするようなキャラクター性をアカウントに組み入れましょう。

一例として、誠文堂新光社の翻訳レーベルである「G-NOVELS」を紹介します。
「G-NOVELS」公式アカウントが発信しているのは、海外のエンターテインメント(アメコミや映画、ゲームなど)に関連する書籍の翻訳や出版情報です。担当者である「中の人」が、積極的に自身の映画・ゲーム体験や書籍の感想・特徴を述べているのが特徴といえます。
この場合、架空のキャラクターではなく「中の人」の存在が強いように思われますが、「ターゲット層とキャラクター性の一致」という観点では運用に成功しているのです。

運用者の選定とマニュアル作成

ターゲット層と目標、アカウントのキャラクター性が明確になったら、実際にアカウントを動かす担当者を配置する段階になります。先述した通り、企業アカウントの運用には複数の業務が発生するため、通常業務との兼用は避けましょう。

少なくとも専任者として配置すること、可能であれば複数の担当者を配置するとより効果的です。なお、担当者が複数になる場合は、アカウントの統一性を維持するためのマニュアル作成も行いましょう。

Twitter運用を成功させるポイント「2.工夫した投稿」

次に、実際に投稿する際のポイントについて解説します。

設定したターゲットにマッチする投稿

先述した「G-NOVELS」アカウントの場合、ターゲット層は「海外のエンターテインメント情報を知りたがっているユーザー」です。設定されたターゲットが明確だと、投稿内容もユーザーが求めている情報に特化させられます。

大切なのは、準備段階で設定したターゲット層の興味関心を引き、共感を抱かせる投稿を行うことです。

トレンドを意識

Twitterの特徴として「リアルタイム性が高い」ことが挙げられますが、顕著に示しているのが「トレンド」です。「トレンド」には、ある時期・ある瞬間に話題となった情報がランキングとして表示されます。数多くのユーザーが、興味のある・なしを別にして、何気なく見てみることの多いコンテンツがトレンドなのです。

トレンドには、一過性のものもあれば、季節や行事など定期的で予測可能なものもあるため、属性に応じて投稿することを意識すると良いでしょう。要約すると、「流行りの情報に敏感に対応できる」姿勢が必要なのです。

見栄えや投稿時間にも注意

ツイートを投稿する上で加えて重要なのが、「ユーザーの目に留まる」ことと「ユーザーの属性に合わせた時間帯に投稿する」ことです。

140字という制限の中で、工夫を凝らしたツイートを作成するのは簡単ではありません。しかし、記号や絵文字を使ったり、画像を添付したりするだけで、他のツイートよりも目立たせることは可能です。

また、ターゲット層となるユーザーの属性によって、ツイートを見ることができる時間帯はおおむね決まります。ターゲットとなるユーザーが忙しいであろう時間帯に投稿しても、タイムライン上から流れてしまうので、投稿時間も意識してみてください。

Twitter運用を成功させるポイント「3.分析・改善」

実際にアカウントの運用を始めたら、定期的に分析を行う必要があります。分析結果によっては運用方針の改善が必要となる可能性もあるので、忘れずにチェックしておきましょう。

Twitterアナリティクスの見方

企業アカウントの分析を行うためには、Twitterアナリティクスを利用しましょう。Twitterアカウントの保有者であれば無料で利用できるツールで、アカウントに対するあらゆる反応を詳細に確認できます。

ツイートアクティビティのチェック

Twitterアナリティクスの「ツイート」の項目を開くと、各ツイートに対する反応(ツイートアクティビティ)を確認できます。「インプレッション:タイムラインに表示された回数」や「エンゲージメント:ツイートへの何らかの反応」などの数値を確認できるため、分析を行うためには必須といえるでしょう。

トップツイートを分析

Twitterアナリティクスのホーム画面で確認できるのが「トップツイート」で、これは月間における最大インプレッションを得たツイートのことです。他にも、エンゲージメントの高かったツイートを示す「トップの@ツイート」や、月間にフォローしてくれたユーザーのうち最もフォロワー数が多いユーザーを示す「トップフォロワー」なども確認できます。

Twitter運用を成功させるポイント「4.双方向コミュニケーション」

Twitterはただ情報を発信する場ではありません。企業や個人を問わず、ユーザー同士でコミュニケーションを取ることが可能です。双方向のコミュニケーションを積極的に活用することも、Twitter運用を成功させる秘訣といえます。

返信や「いいね!」を活用

企業アカウントだからといって、一般ユーザーに対してアクションを起こすのは控えた方が良い、とは限りません。むしろ企業アカウントから反応があれば、嬉しく思うユーザーは少なくないでしょう。

「リプライ」を送って感謝の意を表明したり、クレーム対応を行ったりすることも可能です。また、自社に関するツイートに対して「いいね」を送るだけでも、ユーザーからの好感度が上がる可能性があります。

ユーザー参加型企画を実施

企業アカウントから働きかけるだけではなく、ユーザーからのリプライを積極的に募ったり、アンケートを実施したりするなどのユーザー参加型企画を実施するのも良いでしょう。この際、オリジナルの「ハッシュタグ」を活用するとより効果的です。

Twitter運用を成功させるポイント「5.広告やキャンペーン」

最後に、広告やキャンペーンの活用について紹介します。より強い宣伝効果を求める方は、ぜひポイントを押さえて実践してみてください。

Twitter広告を活用

Twitterのタイムライン上には、通常のツイートだけでなく広告ツイートが表示されます。このようなツイートはユーザーの目に留まりやすく、興味があるユーザーであれば自社アカウントをフォローしてくれるきっかけにもなり得ます。フォローに至らずとも「いいね」や「リツイート」が可能なので、広告内容が拡散され、より多くのユーザーの目に留まるのです。

インフルエンサーを起用

現代の情報化社会において、芸能人に勝るとも劣らない影響力を持つのがインフルエンサーです。インフルエンサーには「美容系」や「アパレル系」など得意とするさまざまな属性があり、自社の商品やサービスと親和性の高いインフルエンサーを起用することで、高い宣伝効果を発揮できる可能性があります。

Twitterキャンペーンの実施

「該当のアカウントをフォロー&リツイートで商品GETのチャンス!」というように、ユーザーにアカウントのフォローと情報拡散を依頼する代わりに、何らかの報酬を提示するのがTwitterキャンペーンです。少ない労力で爆発的にフォロワーを集めることができ、情報拡散力も高いというメリットがあります。一方で、キャンペーン終了後にフォローを解除されるケースも多く、フォローしてくれたユーザーをつなぎとめるための取り組みが必要になる点に注意しましょう。

Twitter運用代行サービスとは?効果的に活用しよう

Twitterにおける企業アカウントの運用は、自社内で取り組めますが、アカウントの運用を専門とする企業に外注もできます。アカウント運用の人材・ノウハウ不足で悩んでいる場合は、運用代行サービスの利用を検討してみても良いでしょう。

Twitter運用代行サービスについて

企業アカウントの運用を代行してくれるのは、主にアカウント運用を専門とする企業、またはフリーランサー(フリーランス)です。委託先によってサービス内容は異なります。

委託先の選定に際しては、自社の商品やサービス、ターゲット層に共通する実績を持ち、最終的な目的達成のために明確な道筋を設計できる委託先を選ぶと安心です。

Twitter運用代行サービスの運用費用

運用代行サービスを利用する場合、サービス内容や委託先により月額費用は異なります。Twitterへの投稿のみであれば2~10万円程度、運用全般の代行であれば20~30万円程度でしょう。継続的かつ効果的に運用するために、広告やキャンペーンの活用まで行ってくれる場合は40万円以上が相場です。

委託先がフリーランサーの場合は企業よりも安価で代行してくれる場合があり、柔軟な対応をしてくれる可能性が高い点も魅力といえます。

おすすめのTwitter運用代行サービス

参考までに、2023年現在おすすめのTwitter運用代行サービス会社を2社紹介します。

  1. 株式会社ライトアップ
    東京都渋谷区に本社を置く株式会社ライトアップは、2002年4月5日に設立されました。主に、SNS運用代行やWebコンテンツ企画制作、メールマーケティング支援を行っています。Twitter運用代行サービスについては月額5万円を底値としており、2022年3月時点では、運用代行に携わった企業アカウントのファン・フォロワー数(Twitterを含む該当SNS)が1,500万人超という実績を誇っています。
  2. 株式会社バケット
    2008年1月に営業を開始した株式会社バケットは、東京都新宿区に拠点を置く企業で、SNS導入支援・運用代行やWebコンテンツ制作、SNSキャンペーンの企画・運用サービスを提供しています。SNS黎明期から培われてきたノウハウを基に、コンサルから提案までを自社で請け負い、最終的な目的達成に向けた計画設計と運用が強みです。

Twitter運用に成功した企業を紹介

次に、実際にTwitterの企業アカウントを運用して成功を収めた企業4社について簡単に紹介します。

シャープ株式会社

アカウントの「中の人」が非常にフランクな調子で情報を発信し、他のアカウントとも積極的に交流している点が特徴的なのが、シャープ株式会社です。アカウント運用担当者の私的な感覚が出過ぎてしまうと企業イメージダウンにつながりかねませんが、シャープ株式会社の場合はそのバランスが絶妙といえます。2022年7月時点で82.5万ものフォロワーを獲得しているのも納得です。

株式会社ローソン

株式会社ローソンのアカウントでは、「ローソンクルーのあきこ」という架空のキャラクターを創造し、ユーザーにとって親しみやすいアカウントづくりを行っています。また、新商品の宣伝において独創性の高い画像を添付したり、積極的にTwitterキャンペーンを行ったりするなど、効果的な運用が行われているといえるでしょう。2022年7月時点で、708万という膨大な数のフォロワーを獲得しています。

株式会社ユニクロ

ユーザーにとって分かりやすい画像や動画を添付し、購買意欲の促進に成功しているのが株式会社ユニクロです。ユーザー参加型企画やキャンペーンもうまく活用していますが、何よりも自社サイトへの導入が自然に行われていることが特徴といえるでしょう。2022年7月時点のフォロワー数は107.9万人を誇っています。

任天堂株式会社

数多くの自社ゲーム情報を発信している任天堂株式会社のアカウントでは、動画や自社の別アカウントのリツイートなどを利用してユーザーの興味関心を引き続けることに注力しています。任天堂株式会社の大きな特徴としては、「任天堂株式会社」というアカウントの他に、カスタマーサポート向けの「任天堂サポート」や、ゲームごとのアカウントを多数運用している点です。複数のアカウントを効果的に運用することで、Twitter上で成功を収めています。2022年7月時点における任天堂株式会社のフォロワー数は245.7万人です。

Twitterを運用する際におすすめのツール

最後に、Twitterで企業アカウントを運用する上で効果的なツールを4点紹介します。以下のツールについて把握して活用できれば、アカウント運用を成功させられる可能性が高くなるでしょう。

Twitterアナリティクス

まずは、先述したTwitterアナリティクスです。こちらはTwitter社が無料で提供しており、アカウント保有者であれば誰でも利用できます。自社アカウントの分析には必須のツールなので、ぜひ活用してみてください。

Twitterアナリティクス

Twitter広告アカウント

こちらも簡単に触れましたが、ユーザーに興味を持ってもらうためにはTwitter広告アカウントの活用が効果的です。なお、Twitter広告アカウントを利用は、企業アカウントの運用直後ではなく、おおむね2週間程度経過してから利用を始めると良いでしょう。

Twitter広告の始め方

Twilog

自社アカウントの過去のツイートを検索することは難しくありませんが、より簡単に見直したいと思ったら、Twilogの利用がおすすめです。Twilogは、ツイートをブログ形式で保存するため見やすくなり、過去のツイートもキーワード検索で簡単に見返せます。

Twilog

SocialDog

企業アカウントの運用に際して、さらに進んだ管理や分析を行いたいなら、SocialDogの利用を検討してみても良いでしょう。無料プランと有料プランがありますが、機能が充実した有料プランには7日間の無料トライアル期間が付いているので、より効果的にTwitter運用を行いたい場合はお試し登録をおすすめします。

SocialDog

まとめ

企業によるSNSの活用事例は昨今では珍しいことではなく、むしろビジネスチャンスを生み、さらなる利益を得るために必須といっても過言ではありません。しかし、使い方や運用システムには十分な注意が必要となり、自社内で完結させることが難しい場合もあるでしょう。そのようなときは、今回紹介したツールを活用してみたり、思い切ってSNSアカウントの運用を専門とする企業に委託したりすることをおすすめします。