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SEOコンテンツ制作の基礎「検索意図」とは? 基本的な調査・実装方法を解説
検索意図とはユーザーが「どのような目的で検索をしているか」を指します。検索エンジンはユーザーの目的を果たすための情報をスムーズに提供することを目指しています。そのため、SEOに則したコンテンツの作成には検索意図の把握が不可欠です。
この記事では検索エンジンに評価されるSEOコンテンツを作成するために、検索意図の調査・実装方法を解説します。検索意図はSEO対策の方針に大きな影響を与える要素です。どのように対策をすればいいか迷っている方は、ぜひ記事をご参照ください。
検索意図とは

検索意図は、検索キーワードからユーザーが求めている情報とも言い換えられます。ここでは、コンテンツが検索意図に沿わなくてはいけない理由と、具体的に何を分析するのかを解説します。
検索意図に沿わなくてはいけない理由
検索意図に沿わなくてはいけない理由は、それがユーザーファーストに基づいてコンテンツを上位表示させる基本的な条件だからです。
Googleの理念は「ユーザーファースト」です。検索エンジンを使う人たちに「優れたユーザー体験」を提供することを第一に考えています。
検索エンジンにおける優れたユーザー体験とは、求めている情報がすぐに見つかることです。その実現には、検索目的と合致したコンテンツの上位表示が欠かせません。つまり、制作側はユーザーの検索意図を把握し、その目的に応えるコンテンツを作成する必要があるのです。
このようなユーザーファーストに基づく条件は本質的に変わりません。検索意図に沿ったコンテンツの作成は、技術進歩で小手先のSEO対策は駆逐されていく中、ますます重要度が高まっています。
分析するのはユーザーが抱えている悩み
検索意図は、ユーザーがどんな悩みを抱えているかを分析することで明確になります。悩みを分析することで、ユーザーが検索で何を解決したいかという動機が推測できるからです。
たとえば、「新しいスマホ」「おすすめ」「2024」というキーワードを入力したユーザーなら、「スマホ選び」に迷っていると考えられます。この場合、2024年の最新モデルの比較レビュー、スペック比較、予算別のおすすめモデルリストなどを紹介することで、ユーザーの目的に沿ったコンテンツを提供できます。
悩みを分析するうえで、重点的に考えたいのがユーザーの「不安」や「解決したい課題」です。これらに焦点を当てることで、求められる解決策や情報に的確に応えるコンテンツを作成しやすくなります。
上記のスマホ選びも「不安」に焦点を当てると、悩みがより具体的になります。
スマホは高価で、日常で長期間使う生活必需品です。そのため、ユーザーは「大きな買い物だから損をしたくない」「頻繁に使うから、デザインや機能で後悔したくない」という不安を抱えている可能性があります。このように「不安」を考えることで、悩みが明確になり、検索意図も把握しやすくなります。
もちろん、「不安」や「解決したい課題」以外にもユーザーが検索する理由はあります。たとえば、好奇心、楽しみ、目標達成なども検索の動機でしょう。
しかし、よりニーズや緊急性の高いの「不安」や「解決したい課題」はです。これらの悩みを解決する内容を優先的に取り入れることが、評価されるコンテンツを作成する基本になります。
ユーザーが抱える悩みについて深く考えることが、検索意図を明確にするポイントです。
検索クエリの3分類

検索意図を理解するためにはユーザーの悩み、とくに不安や課題に焦点を当て、その解決策を考えるのが重要だとわかりました。
ユーザーの抱える悩みを適切に推測するには、検索クエリがどのような意図で使われたかを把握しておく必要があります。
検索クエリとは、ユーザーが検索エンジンに入力したキーワードやフレーズのことです。検索クエリは検索意図によって3つに分類されます。ここでは「ナビゲーショナルクエリ」「インフォメーショナルクエリ」「トランザクショナルクエリ」ついて解説します。
ナビゲーショナルクエリ(Goクエリ)
ナビゲーショナルクエリとは特定のWebサイトにアクセスしたいときに使う検索クエリです。
ユーザーは特定のサイトやページで情報やサービスを得るためにナビゲーショナルクエリを利用します。このタイプのクエリは「移動する」ことを目的に使われるため、Goクエリとも呼ばれます。
検索クエリの例は次の通りです。
「JR 時刻表」
「Gmail ログイン」
「Amazon プライム」
たとえば、「Amazon プライム」なら、ユーザーは、動画配信や宅配サービスを利用するためにAmazonプライムのWebサイトに移動したい、という目的で検索クエリを使ったと考えられます。
ナビゲーショナルクエリは、特定のWebサイトに移動して情報やサービスを取得するために利用される検索クエリです。
インフォメーショナルクエリ(Knowクエリ)
インフォメーショナルクエリとは、ユーザーが情報収集をしたいときに使用する検索クエリです。
ユーザーは疑問を解決したり、知識を深めたりするためにインフォメーショナルクエリを利用します。このタイプのクエリは「知る」ことを目的に使われるため、Knowクエリとも呼ばれます。
検索クエリの例は次の通りです。
「日本 歴史」
「犬 しつけ方」
「2024年 オリンピック 日程」
たとえば、「2024年 オリンピック 日程」なら、ユーザーは2024年オリンピックの開催期間や競技スケジュールに関する情報を知りたいことを示しています。また、具体的な日付やイベントの詳細を求めている可能性があります。
インフォメーショナルクエリは、ユーザーが特定の情報を収集し、理解するために使用する検索クエリです。
トランザクショナルクエリ(Doクエリ・Buyクエリ)
トランザクショナルクエリとは、ユーザーがアクションを起こしたいときに利用する検索襟です。
ユーザーは商品購入やサービス申し込み、資料ダウンロード、アカウント作成などをするためにトランザクショナルクエリを利用します。このタイプのクエリは何かを「する」ことを目的に使われるため、Doクエリとも呼ばれます。
検索クエリの例は次の通りです。
「iPhone15 購入」
「クレジットカード 申し込み」
「Netflix 無料トライアル」
たとえば、「Netflix 無料トライアル」なら、ユーザーは無料トライアルを利用してサービス内容を評価してから、有料プランへの移行を検討したいことを示しています。
ここで挙げた検索クエリはBuyクエリにも分類されます。
Buyクエリは「する(Do)」をより具体化し、購入行動に焦点を当てた検索クエリです。
上記で一番分かりやすいBuyクエリは「iPhone15 購入」でしょう。
一方で「Netflix 無料トライアル」も、ユーザーがサービスを試すことで購入決定を検討する意図を含むため、Buyクエリに分類されます。
トランザクショナルクエリは、ユーザーが明確な行動を起こそうとしている際に使用される検索クエリです。
検索意図の調査手法

ユーザーが入力するキーワードの種類や文脈から、その背後にある目的やニーズを推測するのが、検索意図のもっとも基本的な調査手法です。
一方でクエリだけで検索意図を推測するのは困難です。ユーザーの求める情報を把握するには、複数の要因を総合的に考慮する必要があります。ここでは検索意図の調査に使われる代表的な手法を3つ紹介します。
上位サイトを参考にする
1つ目は、検索意図の模範解答ともいえる上位サイトを参考にすることです。
上位サイトは、検索エンジンがユーザーの検索意図に最も合致すると判断したページです。
参考にすることは、ユーザーが求めている情報やニーズを理解する近道になります。
上位サイトを参考にする調査の手順は次の通りです。
①上位サイトを複数リストアップ
②サイトの含まれている情報を分析
③上位サイトに共通するテーマやトピックを特定
上位サイトに共通するテーマやトピックは、ユーザーが検索クエリを通じて得たい基本的な情報であると考えられます。
たとえば、「ダイエット 方法」の検索クエリで複数の上位サイトが「運動方法」「食事」「生活習慣」の情報を提供している場合、これらのトピックが検索意図を満たす情報である可能性が高いです。
上位サイトを参考にすれば、共通するコンテンツから検索意図を調査できます。
サジェストを調べる
2つ目は、ユーザーの関心を反映するサジェストを調べることです。
サジェストとは、検索ボックスにキーワードを入力した際に表示される関連キーワードです。過去の検索データやユーザーの行動に基づいて、入力キーワードと最も関連性の高い内容が上位に表示されます。そのため、サジェストはユーザーのニーズやトレンドを反映したキーワードやトピックを特定するのに役立ちます。
サジェストは検索ボックスに主要キーワードを入力するだけで調査が可能です。たとえば「オリンピック」と入力すると次のようなサジェストが表示されます。

これらのサジェストから、オリンピックで検索するユーザーの「日程」「サッカー」「メダル数」が上位の関心事だと予測できます。
サジェストを調べれば、ユーザーの検索意図や関心を広く把握し、関連性の高いコンテンツを提供するための有力な手がかりを得ることができます。
共起語を調べる
3つ目は、検索キーワードに関連した用語やトピックを探す手掛かりになる共起語を調べることです。
共起語とは、検索キーワードと一緒にコンテンツ内で頻繁に使用される単語やフレーズを指します。調べることで「ユーザーが検索キーワードから何を知りたいか?」がより具体的になります。
たとえば「ダイエット」というキーワードに関連する共起語として以下のような単語やフレーズがあるでしょう。
- カロリー制限
- 運動
- 健康食品
- 食事管理
- 体重減少
関連したコンテンツで頻繁に使われている単語やフレーズがわかることで、ユーザーが求める具体的な情報やトピックがより具体的になります。
共起語はSEOツールを使って調べるのが一般的です。代表的なツールとしては「Google Keyword Planner」や「Ahrefs」、「ラッコキーワード」などがあります。
ラッコキーワードの場合、検索ボックスに主要キーワードを入力後、機能一覧から上位20サイトの共起語を調べることができます。

共起語を調べれば、ユーザーが求める具体的な情報やトピックがより具体的になり、検索意図に対する理解を深めることができます。
検索意図の精査:ユーザーインサイトの収集方法

上位サイトの参考、サジェストの確認、共起語の調査は、検索意図を把握するために有効な手法です。一方で、これらの手法は使用される機会が多いため、コンテンツ作成で重要となる「オリジナル性」を出すのに向きません。
そこで、活用したいのがユーザーインサイトです。ユーザーインサイトとは、ユーザーの行動や意見を深く理解し、彼らのニーズや問題を把握するための情報です。ここでは、ユーザーインサイトの収集方法を3つ解説します。
質問掲示板を見る
質問掲示板には、ユーザーが実際に困っていることや、解決したい問題がリアルに投稿されています。そのため、検索クエリだけでは得られない具体的なニーズやインサイトを収集できます。
たとえば「短期間で痩せる方法を知りたいのですが、どんなダイエットが効果的ですか?」という質問なら、ユーザーは「短期間で結果が出るダイエット方法に関心がある」と考えられます。
質問掲示板からインサイトを収集する手順は次の通りです。
①質問掲示板にアクセスする
②主要キーワードで検索する
③ユーザーの質問内容を精査する(精査は回答や共感が多い質問に注目)
質問掲示板を活用すれば、ユーザーの疑問やニーズを把握でき、ユーザーインサイトを収集することができます。
SNSで関連する投稿を検索する
SNSではユーザーが日常的に抱える課題や関心がリアルタイムで投稿されています。そのため、検索エンジンには反映されないユーザーの生の声、最新のトレンドなどユーザーインサイトに基づく情報が入手できます。
たとえば、「#ダイエット」や「#痩せる方法」などのハッシュタグでX(旧Twitter)を検索すると、ユーザーの成功談、失敗談、推奨されているダイエット食品や運動方法が見つかります。これにより、実際にはどのようなダイエットが効果的だと感じられているかを知ることができるでしょう。
SNSからインサイトを収集する手順は次の通りです。
①ハッシュタグやキーワードで検索
②投稿内容を精査(コメントや反応、シェアした投稿から課題や興味を把握)
SNSを活用すれば、ユーザーの本音やトレンドを把握でき、ユーザーインサイトを収集することができます。
アンケートやインタビューを活用する
アンケートやインタビューでは、知りたい情報をユーザーから直接的に収集できます。具体的な体験や感情、ニーズを直接的に把握できるため、適切に活用できれば詳細かつオリジナル性の高いユーザーインサイトを収集できます。
たとえば、アンケートでは具体的な課題や感情、行動パターンに焦点を当てた質問を設定することでオリジナル性の高いユーザーインサイトを収集できます。これによりライバルサイトにはない情報を提供できるでしょう。
アンケートやインタビューは事前の準備が大切です。
アンケートなら適切な項目を備えた質問シートの設計、インタビューなら質問内容の準備や対話の流れを調整できる計画が重要になります。
アンケートやインタビューを活用できれば、ライバルサイトと競合しないオリジナル性の高いユーザーインサイトを収集できます。
検索意図をコンテンツに反映させるポイント

ユーザーインサイトを意識することでより詳細な検索意図が理解できるようになり、ユーザーが求める情報を提供しやすくなります。
ユーザーが求める情報の提供は上位表示される基本条件です。SEOコンテンツの作成において、検索意図の正確な把握は欠かせません。その一方で、検索意図は把握するだけでは不十分です。把握した後はコンテンツにしっかり反映させる必要があります。
ここでは、検索意図をコンテンツに反映させるポイントを解説します。
タイトルや見出しに検索意図を含める
タイトルや見出しに検索意図を含めて、ユーザーが求める情報があることをアピールします。
タイトルや見出しにはコンテンツの内容を簡潔に伝える役割があります。そのため、検索意図を含めると、ユーザーが探している答えが視覚的に認識され、クリック率が上がりやすいくなります。
検索意図をタイトルに含めるポイントは次の通りです。
- 対策キーワードは画面表示を意識して前半に入れる
- 具体的な情報や解決策を提示して求める内容であることを示す
- 問題や利益を強調することで感情に訴える
- 数字や具体的なメリットを含めて関心を引く
検索意図をタイトルや見出しに反映することで、ユーザーにとって関連性が高く、価値のあるコンテンツと認識されやすくなります。
<中見出し>問題解決を目的に構成する
検索意図に応えるために、ターゲット読者の問題解決を目的にコンテンツを構成します。
読者の問題解決は検索エンジンが特に重視する指標です。読者のニーズに適切に応えて満足度を高めることができるため、問題解決を目的にしたコンテンツは高く評価されます。
読者の問題解決を目的にコンテンツを構成するポイントは次の通りです。
- 誰の問題かを明確にするにターゲット読者の設定
- 何が解決できるかを明確にするコンテンツ冒頭での問題定義
- 理解を促す論理的に整理された構成
この中で特に重要なのがターゲット読者の設定です。ターゲット読者が設定されていないと問題定義や解決策の提示が効果的に行えず、コンテンツの方向性が曖昧になってしまいます。ターゲットが曖昧なコンテンツは誰にも響かない内容になってしまうことに注意しましょう。
読者の問題解決を目的にしたコンテンツ構成は、検索意図を的確に反映し、読者の満足度とサイトの評価を高める鍵となります。
オリジナルコンテンツを含める
競合サイトとの差別化や、ユーザーの隠れたニーズに応えるために、オリジナルコンテンツを含めます。
オリジナル性は検索エンジンが公式に掲げているコンテンツ評価基準「E-E-A-T(オリジナル性・専門性・権威性・信頼性)」の1つです。
オリジナル性の確保は、検索意図に沿ったコンテンツ作成の課題でもあります。たとえば、検索意図の調査では上位サイトを参考にするのが基本です。しかし、それだけではユーザーの新しいニーズは発見できません。上位サイトと似通った構成になってしまい、検索意図に沿っていても評価されないコンテンツになってしまいます。
この課題を解決するには検索意図に沿いつつも、独自視点で隠れたニーズを探したり、新情報を加えたりする必要があります。ポイントは次の通りです。
- 同じテーマでも独自視点での意見やアプローチを加える
- 最新データやトレンドを取り入れて既存情報に価値を付加する
- 検索意図を深く分析して掘り下げた考察や詳細な解説を提供する
これらを実行するには先述したユーザーインサイトの収集が有効です。
検索意図に応えながらオリジナル性も確保できれば、ユーザーの関心を強く引きつけ、長期的な信頼とリピーターを獲得できるコンテンツを作成できます。
検索意図の調査なら無料プランでも多機能なラッコキーワードがおすすめ

検索意図を調べるのに活用できるツールは色々ありますが、その中でもラッコキーワードは特におすすめです。
ラッコキーワードには検索意図の調査に使える機能が多数あります。たとえば、見出し抽出機能を使えば、上位サイトの見出しが一覧形式で把握できます。見出しから構成やトピックを割り出せるので、上位サイトを参考にする際に便利です。
また、調査メニューにはサジェストだけでなく、Q&Aサイト(知恵袋など)も選択できます。検索キーワードに対し、ユーザーが実際にどのような質問をしているかがまとめて表示されるので検索意図の深掘りにも役立ちます。
無料プランでも多機能で広範囲な検索意図の調査に使えるので、ツール選びで迷ったらとりあえずラッコキーワードを使ってみましょう。
まとめ
検索意図とは、ユーザーが自身の悩みを解決するために求めている情報です。求める情報の具体化には、上位サイトやサジェスト、共起語を活用します。
評価されるコンテンツを作るには、表面的な検索意図に応えるだけでなくオリジナル性を確保できる潜在的な検索意図にも応える必要があります。そのためには、ユーザーインサイトを収集してニーズの深掘りを行うことも大切です。
検索意図の基本的な調査・実装方法を把握して、検索エンジン・ユーザー双方に評価される高品質なコンテンツを作成しましょう。