COLUMNコラム
コンテンツSEOとテクニカルSEOはどちらが優先?ブログ開設初期の視点で解説
コンテンツSEOとテクニカルSEOのどちらかを優先するかは、管理するブログの現状やジャンル、目標次第です。しかし、まだブログの立ち上げ時であれば、まず優先すべきなのはコンテンツSEOです。
この記事では両者の違いを解説しつつ、なぜ最初はコンテンツSEOを優先すべきか、どのタイミングでテクニカルSEOに取り掛かるべきかについて解説します。また、ジャンルや現状の違いによって変化する優先度についても取り上げます。どこから取り掛かろうと悩んでいる方はぜひ、記事を参考にしてみてください。
コンテンツSEOとテクニカルSEO違い
コンテンツSEOもテクニカルSEOも大きな括りでは同じSEO(検索エンジンの最適化)です。検索ランキングやユーザー体験の向上といった大きな目的では一致します。
一方で、その目的のためにどのような施策をとるかはコンテンツSEOとテクニカルSEOで異なります。
コンテンツSEOでは検索ユーザーを対象とした施策を取ります。施策の主目的は、ユーザーにとって有益なコンテンツを制作することです。ユーザーのニーズを把握し、求める情報を過不足なく提供します。
テクニカルSEOでは検索エンジンを対象とした施策を取ります。施策の主目的は、検索エンジンにサイト内容を適切に伝えるためです。自サイトを発見してもらい、より早くインデックスしてもらうために内部構造の最適化などテクニカル面での改善を施します。
両者は同じSEOですが、検索ユーザーを対象とするか、検索エンジンを対象とするかで異なる施策を取ります。
コンテンツSEOで行われる施策
コンテンツSEOとテクニカルSEOの違いを踏まえた上で、両者で行われる各施策を見てみましょう。コンテンツSEOでは、検索ユーザーを対象とした施策が行われます。ここでは、以下の代表的なコンテンツSEOを紹介します。
・キーワードリサーチ
・高品質なコンテンツの作成
・タイトルやメタデータの最適化
・内部リンクの構築
・コンテンツの定期更新
キーワードリサーチ
キーワードリサーチは、検索エンジンで検索されるキーワードやフレーズを特定するプロセスです。
ターゲットユーザーの意図を理解し、コンテンツを最適化することを目的としています。コンテンツのターゲティングを効果的に行い、サイトへの流入数を増やす重要な施策です。
高品質なコンテンツの作成
高品質なコンテンツ作成では、ユーザーのニーズに応えた情報を提供するほか、情報の正確性や信頼性、読み易さなどを確保します。
品質を高めることで、ユーザーの関心を惹きつけ、滞在時間や閲覧数を高め、検索順位を向上させることを目的としています。ユーザー満足度の向上や競合他社との差別化など、SEO戦略に欠かせない施策です。
タイトルやメタデータの最適化
タイトル・メタデータの最適化とは検索表示される際のサイト情報を改善するプロセスです。
具体的には魅力的なブログタイトルやメタディスクリプションの作成などが含まれます。魅力的で関連性の高いタイトルやメタデータが検索結果に表示されることで、検索結果から自サイトへのクリックを促します。ユーザーのクリック率を向上させ、自サイトの可視性とアクセス性を向上させるための施策です。
内部リンクの構築
内部リンクの構築は、Webサイト内のページリンクを最適化するプロセスです。
関連性の高い内部リンクが提供されることで、ユーザーは必要情報をスムーズに見つけ出せるようになります。また、自作の関連コンテンツへのリンクを提供できれば、ユーザーのアクセス増加や滞在時間の向上も期待できます。ユーザーエクスペリエンスや検索順位を向上させるための施策です。
コンテンツの定期更新
コンテンツの定期更新では、既存コンテンツの定期的に見直し、必要に応じて最新情報やトレンドに適合するよう修正を加えます。
定期的に管理・改善することで、ユーザー訪問数の安定・増加させます。コンテンツの価値を保ち、競争力を維持し続けるための施策です。
テクニカルSEOで行われる施策
コンテンツSEOが人間を対象しているのに対して、テクニカルSEOは検索エンジンのアルゴリズムを対象に施策を行います。ここでは、以下の代表的なテクニカルSEOの代表的な施策を紹介します。
- クロールとインデックスの最適化
- ページ速度の最適化
- モバイルフレンドリーの確保
- セキュリティの強化
- エラーページの修正
クロールとインデックスの最適化
クロール・インデックスの最適化はWebサイトが検索エンジンにクロールされ情報が適切にインデックスされるためのプロセスです。
クロールの最適化では、例えば XMLサイトマップを作成・送信して検索エンジンに重要なページの発見を促します。インデックスの最適化では、例えば検索エンジンがサイトのページを適切にリスト化するために、noindexタグやcanonicalタグを使ってをタグ付けします。効率的なクロールと適切なインデックスにより、検索エンジンにサイトを正しく評価させるための施策です。
ページ速度の最適化
ページ速度の最適化はページの読み込み速度を改善するプロセスです。
画像の圧縮、不要なプラグインの削除、リピーターのアクセス速度を向上させるキャッシュ設定などを行い、ページ読み込み速度を改善します。ページの読み込み速度がサイト評価に及ぼす影響は広範囲です。ユーザーエクスペリエンス、SEOパフォーマンス、ビジネス成果に直結するため、Webサイト運営において非常に重要な施策です。
モバイルフレンドリーの確保
モバイルフレンドリーはスマホなどのモバイルデバイスからのWebサイト閲覧を最適化するプロセスです。
レスポンシブデザインの実装や狭い画面を想定した文章、タッチ操作への対応を行い、モバイルデバイスからの操作性を向上させます。近年のスマホからのインターネット利用率は8割を超えており、PCからのアクセス数を上回っています。アクセスを増やすためにモバイルフレンドリーの確保は欠かせない施策です。
セキュリティの強化
セキュリティの強化はWebサイトのセキュリティを向上させるプロセスです。
SSL証明書を導入してサイト全体をHTTPSプロトコルで暗号化したり、Webサイトの脆弱性をスキャンしたりすることで、悪意ある攻撃や不正アクセスからの保護を確保します。セキュリティの強化は、Webサイトの信頼性を高め、ユーザーのプライバシーとデータの安全を確保するために不可欠な施策です。
エラーページの修正
エラーページの修正は、Webサイトで発生するエラーページを改善するプロセスです。
404エラーページや技術的なエラーを修正することで、ユーザーエクスペリエンスやクロール効率を向上させます。エラーページを放置しているとユーザーは求める情報を見つけ出せずにページを離脱してしまいます。また、検索エンジンにエラーページが発見されると、検索エンジンはアルゴリズムからそのサイトの信頼性を低く評価します。エラーページの修正は、ユーザーエクスペリエンスにも検索順位にも強く影響を及ぼします。
最初はコンテンツSEOを優先すべき理由
これまでに紹介した代表的な施策は、ブログの収益化を進めていく過程で、コンテンツSEOか、テクニカルSEOかに関わらず最終的にすべて実践していくことになるでしょう。
しかし、ブログを立ち上げる時であれば優先するのはコンテンツSEOです。ここでは、その理由を3つ解説します。
テクニカルSEOは良質なコンテンツがあってこそ意味を成す
1つ目は、テクニカルSEOは良質なコンテンツがないと効果を発揮できないことです。
Googleの公式見解によれば、Google検索エンジンは常に検索クエリと最も関連性の高いコンテンツをユーザーに提供することを目指しています。つまり、検索順位は「ユーザーにとって最も有益と思われるコンテンツ」であることに基づいて決定されています。この良質なコンテンツ作りは、コンテンツSEOの領域といえるでしょう。
一方、テクニカルSEOは、Webサイトのテクニカルな側面を最適化するための戦略であり、Googleの検索アルゴリズムがWebサイトを評価する際に役立ちます。しかし、テクニカルSEOの施策が十分であっても、施策を施したコンテンツの品質が悪ければユーザーの満足度や価値は向上しません。コンテンツSEOによって良質なコンテンツが提供されている前提があって、テクニカルSEOは効果を十分に発揮できるのです。
よって、前提となっているコンテンツSEOをまず優先して実施する必要があります。
初期段階ではユーザーエンゲージメントの確立が優先される
2つ目はブログ初期では、良質なコンテンツ作成によるユーザーエンゲージメントの確立が優先されることです。
ユーザーエンゲージメントはユーザーがコンテンツに示す関心・反応を測定する指標です。コメントや「いいね」のリアクションなどがこの指標に含まれます。エンゲージメントが高いサイトは、読者がコンテンツに満足し、再訪する可能性が高いです。リピーターはブログの信頼性を高め、新規読者の獲得にもつながるため、ユーザーエンゲージメントを確立させればブログ成長に好循環が生まれます。
ブログ初期はユーザーに関心をもらえるコンテンツ作りのためにも、テクニカルSEOよりコンテンツSEOを優先すべきです。
テクニカルSEOは初心者には取り組みにくい
最後はテクニカルSEOには技術的な専門知識が必要で、初心者には取り組みにくいことです。
コンテンツSEOは、基本的なSEO知識とライティングスキルを身に付ければ、後はどのように「ユーザー視点で価値ある情報の提供」するかを追及していくだけです。簡単ではありませんが、目的が明快なため、取り組みやすい施策といえます。
一方で、テクニカルSEOはHTML、CSS、JavaScriptなどのWeb技術に関する深い知識が必要です。さらに、実施にはWebサーバーの設定や、サイトのクロールエラーの修正、構造化データの実装など、専門的・実践的な技術が求められます。各方面のWebスキル・専門知識を身に付けなくてはならないため、初心者にはハードルが高いです。
そのため、コンテンツSEOで基本知識を身に付けてからテクニカルSEOに取り組んだ方が効率的かつ無難です。順番的にも難易度的にも、コンテンツSEOを優先した方がいいでしょう。
テクニカルSEOを実施するタイミング
ブログ初期ではコンテンツSEOが優先されることがわかりました。
しかし、だからといってコンテンツSEOだけを行っていればいいわけではありません。最終的に検索エンジンからの評価を最大化するには、テクニカルSEOもバランス良く実施していくことが大切です。
では、テクニカルSEOはどのようなタイミングで実施されるのでしょうか? ここでは、テクニカルSEOの「タイミングの目安」と「コンテンツ作成後に早い段階で導入したい施策」について解説します。
タイミングの目安
テクニカルSEOを実施するタイミングはWebサイトの状況によって異なりますが、以下を目安にして行うと効果的です。
・新規Webサイトの公開前
新しいWebサイトの公開前にテクニカルSEOを実施して、検索エンジンに正しくクロール・インデックスするよう働きかけます。このタイミングで行えば、新規サイトを作ったのに検索結果に反映されない、などのトラブルを未然に防げます。
・Webサイトのリニューアル時
既存のWebサイトをリニューアルする際には、テクニカルSEOを実施して新しい構造やコンテンツが検索エンジンに適切に反映されるようにします。このタイミングで行えば、仕様変更によるトラブルを防止でき、流入数の喪失・順位低下など問題発生を回避できます。
・検索アルゴリズムの変更後
検索アルゴリズムの変更後は、検索エンジンがWebサイトの評価基準が変化するため、今までのやり方が通用するかどうかを確認する意味でもテクニカルSEOを実施する必要があります。このタイミングで行えば、Webサイトを最新のアルゴリズムに合わせて調整できます。これは、流入数を最大化し、競争力を維持するのにつながります。
・重要コンテンツの追加時
重要なコンテンツは高いビジネス効果が見込まれるため、正しく検索エンジンにクロールされなければ、大きな損失になる可能性があります。このタイミングで行えば、潜在的な損失を未然に回避できます。
目安に基づいたタイミングでテクニカルSEOを実施すれば、Webサイトのパフォーマンスを向上させるだけでなく、ビジネス成果の最大化や未然のトラブル防止などが期待できます。
コンテンツ作成後に早い段階で実施したいテクニカルSEO
コンテンツ作成後に早い段階で実施したいテクニカルSEOは、将来的な流入数の増加や、検索エンジンのインデックス効率を確保する施策です。以下は該当する施策とその理由です。
・クロールとインデックスの最適化
サイトマップの作成やrobots.txtファイルの設定などを通じて、検索エンジンが重要なページを見つけやすくなります。効果的にクロールされ、インデックスされることで、検索結果に表示される可能性も向上する。ブログ初期に実施できれば、将来的な流入数の増加が期待できます。
・ページ速度の最適化
高速なページ速度はユーザーエクスペリエンスを大きく向上させるので、検索順位にも影響を与えます。ブログ初期にページ速度の最適化を行うことは、ユーザー満足度を高め、長期的な成功につながります。
・モバイルフレンドリーの確保
スマホからのユーザーの増加に伴い、モバイルフレンドリーなデザインは必須になっています。ブログ初期に実施することで、モバイルユーザーに最適な体験を提供し、競争力を維持できます。
・セキュリティの強化
SSL証明書の導入により、HTTPSプロトコルでデータが暗号化され、ユーザーの信頼性が向上します。GoogleはHTTPSの使用をランキング要因として評価しており、検索順位の向上にも有効に作用します。初期にセキュリティの強化を実施できれば「信頼性の高さ」をブランドイメージに組み込むことが可能です。
これらの施策をブログ初期に行うことは、ユーザーの満足度や検索エンジンの評価を向上させ、長期的な展望での成果を期待できます。
テクニカルSEOがとくに優先されるジャンルとは?
テクニカルSEOの優先度は扱うジャンルによっても変わってきます。最後にテクニカルSEOがとくに優先されるジャンルについて解説します。
テクニカルSEOの施策が高い効果を発揮するジャンルとしては、以下のようなものがあります。
- ニュース
- テクノロジー
- 旅行
・ニュース
ニュースを扱うブログでは毎日多くの記事を公開することになります。ニュースの価値は最新情報の提供にあるため、更新も頻繁に行われます。
・テクノロジー
新しい技術やガジェットに関するレビュー、チュートリアル、ニュースなどの情報を扱うため、コンテンツ量が多くなります。テクノロジーの進歩は日進月歩で、最新情報に価値があるため更新も頻繁に行われます。
・旅行
旅行を扱うブログでは旅行先情報、ガイド、レビューなどのコンテンツを大量に扱います。新しい旅行先やガイド、体験談が定期的に追加されるため、更新も頻繁に行われます。
テクニカルSEOが優先されるジャンルの傾向は次の通りです。
・大量のコンテンツまたは商品を扱う
・頻繁にコンテンツ更新を行う
大量のコンテンツや頻繁な更新を行うサイトでは、検索エンジンのクロール効率やインデックスの精度を高めることが重要です。このような傾向が見られるジャンルでは積極的にテクニカルSEOを行いましょう。
まとめ
テクニカルSEOは良質なコンテンツあってこその施策です。ブログ初期はまず、コンテンツSEOを優先すべきでしょう
しかし、コンテンツが充実してきた後は、コンテンツSEOとテクニカルSEOに優先度の差はほとんどなくなります。最終的にはどちらもバランス良く行うことが大切です。
コンテンツSEO・テクニカルSEOの特徴を把握し、状況に合わせて適切に優先度を変えていきましょう。