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画像引用のルールをおさらいし、魅力的なコンテンツ作成の秘訣を公開!

ライティング

ブログを運営している方で、他のサイトに掲載されている画像を引用したい方も多いのではないでしょうか。画像を引用する際には、著作権法上のルールを守って適切に行う必要があります。

この記事では、画像引用における基本知識や注意点、画像引用に関係する主な法律と罰則内容、著作権に抵触しないための方法などについて解説します。

画像引用における基本知識

ブログを書くとき、他のサイトに掲載されている画像を自分のページに使用したくなることはありませんか。しかし、他のサイトから画像を引用する際にはルールがあり、守らない場合は罰則が発生する可能性があります。
今回は、画像引用について、知っておくべきルールなど基本事項を解説するとともに、魅力的なコンテンツを作成する秘訣についても紹介していきます。

ルールが守られれば、画像引用は可能

「画像の引用」とは「他の人が作成した画像を自分の制作物の中で使用すること」です。思想や感情を表現した創作物で、著作権で保護される対象のことを「著作物」といいます。画像における著作物としては、具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • 絵画、イラスト
  • 映画
  • 写真
  • 地図、模型

これらの著作物は、一定の要件を満たせば許可なく引用することが可能ですが、正しくルールが守られなければ、法律により罰則を受ける可能性があります。

「引用」と「転載」の違い

「引用」と似た言葉に「転載」があります。引用と転載の違いは、一言でいうと「自分で制作した部分と他人が制作した部分の配分」の違いです。
引用は「自分の著作が主体」であり、引用部分よりも自分の制作部分が多くなっていることが条件となっています。
一方、転載は「転載部分が主体」であり、自分の制作部分よりも転載部分が多くなっている状態です。
転載の場合は引用のルールが適用されないため、転載箇所の著作者に許諾を取らなくてはなりません。

「引用」と「参考・参照」の違い

「参考・参照」も「引用」と似た言葉です。著作権の侵害を起こさないためには、引用と参考・参照の違いも明確にしておく必要があります。
「参考」とは、資料や意見など考慮できるすべてのものを手がかりに考える際に使用する言葉です。「役立つ情報すべてから考慮した」という場合に使われ、資料などの形のあるものから、人の意見や考えなど形のないものまでを対象としています。
一方、「参照」とは、基本的には「目に見える」情報を対象とした言葉で、図や文章などの資料に照らし合わせる際に使用します。例としては、「この文章を見れば分かります」といった場合に使われます。
「参考」は「参照」よりもカバーする範囲が広いため、どちらか迷った場合には「参考」を使用するとよいでしょう。

画像引用における主な注意点は5つ

画像を引用する際は、ルールを正しく理解していないと、著作権法違反でトラブルになりかねません。著作者が著作物から生じる経済的利益を確保するための権利が著作権であり、著作権保護のために制定されているのが著作権法です。
著作権の侵害でトラブルにならないために、ここでは画像引用における主な注意点5つについて解説します。

引用を行う「必然性」が認められる

この場合の「必然性」とは、引用するに足る理由と同義です。引用の際は、内容の補足や説明に不可欠な画像であることが条件になります。記事の見栄えやアイキャッチのためにイメージ画像を使用することがありますが、イメージ画像については引用の必然性は認められません。
イメージ画像では他者の制作した画像を引用できないため、自分で用意する必要があります。
画像引用の際は、客観的に見てその画像を引用することが妥当かどうかをよく検討しなくてはなりません。

引用部分が明確である(明瞭区別性)

文章を引用する際は、引用部分が明確になるようにカギ括弧や段落分け、フォントを変える必要があります。
画像を引用する場合も、自分の制作物と明確に区別できるような装飾が求められます。
引用タグを使用して自分の制作物と明確に区別すれば、コピーコンテンツと判断されるリスクを回避できるでしょうすることにつながります。

引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確である

引用の条件は「あくまでも補足的に使用する」ことです。
引用における「主従関係」とは、引用者の著作物が主であり、引用部分が従であるという関係にあることです。この主従関係は、量と質から判断されます。引用部分の量が多い場合でも、引用の目的のために必要であれば主従関係です。
自分の著作物よりも引用部分が多い場合は、「転載」とみなされてしまいます。
自分のオリジナルコンテンツが主であり、引用部分は従(補足する役割)であることを意識してください。

引用元の出所が明示されている

著作物を引用する場合には、引用元を明示する義務が課されます。
具体的には、引用部分の著作者名、著作物名、出版社名、掲載ページなどの表示が必要です。Webサイトからの引用の場合は、引用元のサイト名、記事名、URLを記載し、引用元へのリンクを貼ります。

引用元から修正されていないこと

引用を行う際に、引用元の著作物が「修正・改変されていないこと」も引用のルールの一つです。他者の画像やイラストを勝手に加工した場合は、著作権の侵害に該当してしまいます。
画像やイラストを引用する場合は、元のデータに色の調整や文字入れを行うことは許されません。引用する画像やイラストに変更を加えず、そのままの状態で引用する必要があります。
ただし、著作者が「加工、編集OK」としている場合は修正しても問題ありません。

画像引用に関係する主な法律と罰則内容

画像の引用に関しては「著作権」のほかに「肖像権」や「パブリシティー権」が制定されています。ここでは画像の引用や無断利用に関連する法規や罰則について解説するとともに、違反例についても紹介していきます。

画像引用に関連する法律①著作権

「著作権」は、著作物の作成者が持つ権利で、様々な種類があります。
例としては、

  • 著作者人格権
    著作物を通じて表現されている著作者の考えや気持ちを守るための権利
  • 著作財産権
    著作者が著作物の利用を許可することで使用料を受け取ることができる権利

などがあります。
著作権法では著作者の利益を保護するために他者に勝手に利用されることを禁止できます。
著作権法の中では引用について、「正当なルールを守れば著作物を引用することは可能」と
されています。

画像引用に関連する法律②肖像権

「肖像権」は、個人の顔や姿に対して発生する権利です。
他人の写真を無断で撮影したり、公表、利用したりすることは肖像権の侵害に該当します。
自分の記事に他人の写真を載せる場合は、本人の許可を得るようにしましょう。

画像引用に関連する法律③パブリシティー権

「パブリシティー権」とは、有名人の氏名や肖像などに生じる経済的な価値を本人が独占できる権利です。
例えば、自分の記事に有名人やスポーツ選手の画像を使用した場合、アクセス数を増やすために広告として利用したと認識され、パブリシティー権の侵害に該当してしまいます。

違反した場合の罰則例

引用のルールを守らなかった場合には罰則が課されます。
違反した場合の罰則例には、以下のようなものがあります。

  • 損害賠償の請求
    著作権を持っている人から本来払うべき掲載料やライセンス料を請求される
  • 刑事罰
    10年以下の懲役か1000万円以下の罰金(法人の場合は罰則の上限が3億円)のいずれか、もしくは両方が科せられる
  • ブログや記事の閉鎖
    著作権を侵害された人は、相手にコンテンツの公開停止や削除を求めることができる
    (プロバイダに対して情報削除の申請ができ、削除申請があった場合プロバイダはデータを削除しなくてはならない)

違反に該当するパターン

引用のルール違反に該当するパターンの例として、以下のようなものがあります。

  • イメージ画像やネットで拾った画像の掲載
  • 有名人の写真の掲載
  • 直リンク(引用元の画像URL)画像の掲載
  • コーディネート投稿サイトの画像の掲載

画像引用で著作権に抵触しないための方法

著作権についての知識がない場合、悪意がなくても知らぬ間に法に抵触してしまう恐れがあります。Webコンテンツ制作において画像を引用する場合、具体的にどのような方法が好ましいのでしょうか。適切な画像引用方法について解説していきます。

著作者(著作権者)から利用許諾を取る

他者の著作物を使用する場合には、著作者から利用許諾を取らなくてはなりません。
著作権者を探す方法は様々ですが、本やCDなどであれば、その出版社や発行元に問い合わせます。著作者と著作権者が異なる場合(著作者が著作権を他者に譲り渡しているなど)には、著作権者の許可をとる必要があります。
著作権者に利用の許可をもらうためには、著作物の利用方法や引用の必然性を出来るだけ詳しく解説することが大切です。

オリジナルの画像を作成する

自分で画像を作成すれば、著作権侵害になる心配はありません。
オリジナルの画像を作成することで、記事全体の独自性が増す可能性もあります。
簡単に画像を作成できるツールもありテンプレートが豊富に用意されているため、誰でも簡単にクオリティの高い画像を作成できます。

著作権フリーの画像素材を利用する

著作権フリーの画像を配布しているサイトはたくさんあります。
写真やイラストに関しては「フリー素材集」「フリーイラスト集」など多くのサイトがあり、無料で使用できるものも多いです。
このようなフリー素材サイトの画像を使用することで、著作権の侵害を防止できます。
ただし、利用する際はサイトの利用規約を必ず読んでください。
「著作権フリー」と書かれていても、素材を使用して利益を得る「商用利用」については許可していないサイトも多くあるためです。
ビジネスなどで著作権フリーの画像を使用する場合は、商用利用が許可されているかどうかをよく確認しなくてはなりません。

有料素材サイトShutterstock(シャッターストック)を利用する

有料の素材サイト「Shutterstock(シャッターストック)」は、質の高い画像素材が揃っているサイトです。ブログ記事に使用するアイキャッチやイメージ画像を探す際におすすめのサイトです。

アイキャッチ画像が設定不要のWordPressテーマを使う

アイキャッチ画像が不要な「WordPressテーマ『ZERO』」を使用すれば、アイキャッチがなくても見栄えのいいブログが制作できます。
アイキャッチ画像を設定する必要がなくなることで、記事作成の時間が短縮され効率的なブログ運営ができます。

記事やコンテンツ制作を外注する

記事やコンテンツを自分で制作する自信がない場合は、プロの制作会社に外注する方法もあります。
専門的な知識やスキルが豊富なプロに外注することで、効果的な戦略が可能になり更新頻度も安定します。
ただし、外注先の会社によって質が異なることや、外注費用が発生することも考慮しておかなくてはなりません。外注先の担当者と円滑なコミュニケーションをとるためには、コンテンツマーケティングの知識を身に着けておくことも大切です。
また、外注する際の著作権は制作会社に帰属するのが通例となっています。

グラフやデータを引用したい時

グラフは色の調整やフォント変更などが工夫されているため、創造性のある著作物とみなされる可能性があります。
基本的にデータを取り上げる記事を制作する際は、グラフ画像などは引用せず自分で新しく作り直すのが妥当です。
また、調査・アンケート結果などのデータを引用したい時は、調査元の利用ルールを必ず確認し順守する必要があります。
官公庁のデータについても、基本的には出典を明記し、編集・加工などを行う場合は、その旨を明記しなくてはなりません。

引用された画像をさらに引用したい時(孫引き)

他の人が書籍・論文・Webページなどで引用した画像をさらに引用する行為は、俗に「孫引き」と呼ばれます。推奨される行為ではないですが、原典となる一次資料が閲覧できない状態となっているなどのやむを得ない場合には、孫引きをするケースもあるでしょう。

孫引きの際には、著作権法で注意すべき点があります。
孫引きは、引用元はもちろん、一次資料からの引用にもなるとみなされます。そのため、引用元に加えて一次資料の出典も併記しなくてはなりません。
また、オリジナルから編集された画像は「無断転載画像」に該当する可能性が高いため、引用は避けるべきです。

画像引用時の「出典」の正しい書き方

他者の著作権を保護するためにも、正しく出典を記載することは重要です。
ここでは、出典元の媒体ごとに具体的な出典の記載方法について解説していきます。

ウェブサイトやSNSからの引用

ウェブサイトやSNSから画像を引用する際は、画像の下に出典元を明記しリンクを貼ります。このとき、URLだけでなくコンテンツのタイトルやサイト名も表記するとよいでしょう。

書籍からの引用

書籍から画像を引用する場合、インターネットからの情報と異なりリンクを貼ることができないため、引用を行った書籍の情報を記載する必要があります。
具体的な記載方法として、以下の内容を明記します。

  • 書籍のタイトル
  • 出版社名
  • 著者名
  • 翻訳者名(外国の書籍の場合)

書籍から引用する際は、漢字・カタカナ・ひらがなの表記を正確に記載することが大切です。

論文・レポートからの引用

論文やレポートから画像を引用する場合は、以下の事項を記載します。

  • 著者名
  • 発表年
  • 論文のタイトル
  • 掲載誌名(+巻数)
  • 所在ページ

画像引用におけるよくある疑問

ここからは、画像の引用に関してよくある疑問について解説していきます。

正しい引用の仕方が分からない場合

間違った方法で画像を引用してしまうと、著作権違反になって罰則を課されてしまう可能性があります。正しい引用の仕方がよく分からない場合は、記事制作に特化している会社に外注すれば効率的で安心です。

ひとつの記事のなかで複数のサイトから引用したい場合

ひとつの記事の作成において複数のサイトから引用することは問題になりませんが、引用した内容のみのコンテンツは検索エンジンからの評価が低くなる可能性があります。

引用する際は、あくまでもオリジナルコンテンツの根拠や補足として使用するのにとどめましょう。

引用するデータや情報の日付タグについて

公的なデータやWikipedeaの情報は定期的に更新されます。
そのため、データや情報を引用する場合は、引用元の最終更新日を記載しておくとよいでしょう。
また、htmlでは引用タグにblockquoteを使用するため、引用した箇所はblockquoteで囲うことをおすすめします。

他人に無断利用されてしまった時の対処法は?

他人から「著作権侵害」「複製権侵害」されていることに気づいた時や、その疑いがある時には専門機関に相談しましょう。
「公益社団法人著作権情報センター」(TEL 03-5333-0393)では、専門の相談員による無料電話相談を受け付けています。

まとめ

画像を引用する際には、著作権法上のルールを守って適切に行う必要があります。
正しい知識を持って、クオリティの高いコンテンツ作成を心がけましょう。