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core web vitals(コアウェブバイタル)とは?SEOやビジネスとの関連性も解説

ライティング

core web vitalsの改善方法がわからずお悩みの方も多いのではないでしょうか。

core web vitalsはSEO評価に影響を与えるため、その改善は非常に大切です。

この記事では、core web vitalsの概要や改善方法、測定・確認方法などについて解説します。

core web vitalsとは?

core web vitalsとはGoogleが定めた3つの指標のことです。

ここでは、core web vitalsの概要や、core web vitalsと組み合わせる既存の4指標などについて解説します。

core web vitalsはGoogleが定めた「サイトの健全性を示す重要指標」

core web vitalsとは、Googleが定めたWeb Vitalsという7つある「サイトの健全性を示す重要指標」のうち、コアとなる3つの指標のことです。

具体的には、LCP、FID、CLSの3つを指します。core web vitalsはSEO評価において重要な指標なので、Web担当者は知っておいた方がよいでしょう。

core web vitalsはSEO評価に影響を与える

core web vitalsはSEO評価に影響を与えます。

ただし、どの程度影響を及ぼすのかは今のところ不明です。

しかしながら、同品質のコンテンツを含むサイトがある場合、core web vitalsが優れているサイトの方がSEO評価において有利になります。

サイト制作においてコンテンツの質が最も大切であることは今後も変わりませんが、今後はcore web vitalsを意識したサイト作りを心がけることが大切です。

core web vitalと組み合わせる既存の4指標をおさらい

SEO評価には、core web vitalsと組み合わせる既存の4指標も影響を与えます。

したがって、既存の4指標も大切であるといえるでしょう。

ここでは、既存の4指標について以下に解説します。

既存の4指標

  • モバイルフレンドリー

モバイルフレンドリーとは、サイトがスマホに対応しているか否かを評価する指標です。スマホに対応していない場合、検索順位が大きく低下する可能性があります。サイトがスマホに対応していない場合や、これから新しくサイトを作る場合は、スマホにしっかりと対応させましょう。サイトがスマホに対応しているかどうかはGoogleが提供するモバイルフレンドリーテストで確認できます。

  • セーフブラウジング

セーフブラウジングとは、安全なサイトであるかどうかを評価する指標です。この指標によって、ウイルス感染の危険性や悪意あるページへのリンクなどがなく、安全に閲覧できるサイトであると判断されれば、SEO評価によい影響を与えます。サイトの安全性は、Google Search Consoleの「[セキュリティの問題] レポート」から確認できます。

  • HTTPS

HTTPSとは、「HyperText Transfer Protocol Secure」を略したもので、SSL(Secure Sockets Layer)という暗号化通信のプロトコルによって安全性を高めたhttp(通信規格)のことです。サイトをhttps化していれば、情報漏えいや第三者による情報の改ざんを防止できます。まだhtttps化していない場合、必ずhttps化しましょう。

  • 煩わしいインタースティシャルがない

インタースティシャル(interstitial)とは、ページを覆うように表示される広告や登録ボタンなどのことです。一般的には、ページにアクセスした直後に表示されます。インタースティシャルが表示されると、ユーザーが閲覧したいと思っていたコンテンツが覆われてしまうので、ユーザーに悪印象を与えることが多いといえます。インタースティシャルはユーザーに商品購入や会員登録などを促すのに役立ちますが、ユーザーに煩わしさを感じさせてしまったらむしろマイナスにしかなりません。インタースティシャルを表示させる場合は、最適化しておきましょう。

LCP(Largest Contentful Paint)とは?

LCPとは、「ページ内で最も大きいコンテンツ(テキストブロックや画像・動画)が表示されるまでの速度」を示す指標のことです。

この速度が2.5秒以内だと「良好」、2.5~4秒だと「要改善」、4秒以上かかってしまうと「不十分」とGoogleに判断されます。ここでは、LCPの悪化原因、改善方法について解説します。

LCPの悪化原因

LCPの悪化原因は以下の通りです。

  • ファイルサイズの大きい画像や動画を埋め込んでおり、その読み込みが遅い
  • サーバーの応答速度が遅い
  • JavascriptやCSSなどのレンダリング(演算処理を行って画面に表示すること)が遅い

つまり、LPCを改善するには、単純に読み込み速度を速くすればよいといえるでしょう。

改善方法については以下に述べます。

LCPの改善方法

LCPの改善方法は以下の通りです。

  • ページ内に設置する画像や動画は、ファイルサイズの小さいものを使う

例えば、圧縮した画像やWebp画像などを使うとよいでしょう。

  • 高速サーバーを使用する
  • キャッシュ設定を見直す
  • JavaScriptファイルやCSSを圧縮する

FID(First Input Delay)とは?

FIDとは、「ページ内でユーザーが最初にアクション(タップやクリックなど)を起こしたときのページの反応速度」を測る指標のことです。

この速度が0.1秒以内だと「良好」、0.1~0.3秒だと「要改善」、0.3秒以上かかってしまうと「不十分」とGoogleに判断されます。

ここでは、FIDの悪化原因、改善方法について解説します。

FIDの悪化原因

FIDの悪化原因は以下の通りです。

  • 大量のJavaScriptを実行している
  • 重いJavaScriptを実行している

FIDの改善方法

FIDの改善方法は以下の通りです。

  • 不要なJavaScriptを削除する

Webサイトの運営期間が長くなると、ソースコードが増加していきます。それに付随して、すでに使われていないJacaScriptの記述が消されずに残存している場合があります。まずは、そのようなJavaScriptの記述を見つけ出し、削除しましょう。

  • JavaScriptを修正する

例えば、プラグインや広告を多く使用している場合は、不要なプラグイン・広告を削除しましょう。

CLS(Cumulative Layout Shift)とは?

Webページにアクセスし、ボタンをタップしようとしたら突然広告画像が出てきてタップしてしまったことはないでしょうか。あるいはWebページを閲覧していると画像があとから表示され、読んでいた箇所を見失ってしまったことはないでしょうか。CLS(Cumulative Layout Shift:累積レイアウト変更)とは、そのようなページ内で発生するレイアウトのズレを数値化し、「ページの視覚的な安定性」を測る指標のことです。レイアウトのズレは「ズレが起きた領域の比率 × 距離の比率」という計算方法で数値化され、0.1未満だと「良好」、0.1~0.25だと「要改善」、0.25以上だと「不十分」とGoogleに判断されます。ここでは、CLSの悪化原因、改善方法について解説します。

CLSの悪化原因

CLSの悪化原因は以下の通りです。

  • サイズが指定されていない画像によるズレ
  • フォントが事前に読み込まれない
  • サイトがモバイルフレンドリーでない

CLSの改善方法

CSLの改善方法は以下の通りです。

  • 画像のサイズを指定する

CSLの悪化原因は「サイズが指定されていない画像によるズレ」であるケースが多いため、画像のサイズを指定しておくことが重要です。

  • フォントを事前に読み込みさせる記述をする
  • サイトをモバイルフレンドリーにする

core web vitalsの測定・確認方法

core web vitalsの測定にはツールが必要です。

測定ツールは複数あります。ここでは、主な測定ツールを紹介します。

Google Search Console

Google Search Consoleは、Googleが無料で提供するツールです。

メニューにある「ウェブに関する主な指標」からcore web vitalsを確認可能で、どのページにどのような問題があるのかを把握できます。

そのため、SEO対策に重要なツールといえます。

ただし、1つ1つの問題点をどのように修正すべきなのかは教えてくれません。なお、このツールはGoogle Analyticsと連携すると、より多くのデータを取得できます。

DeepCrawl

Lumarはcore web vitalsだけでなく、不要なリダイレクトやリンク切れなども確認できるツールです。

サイトのモニタリングも行ってくれます。有料ですが、PayPal、Microsoft、Adobeなども導入しており、人気の高さをうかがえます。料金は月額33,000円(税込)からです。

PageSpeed Insights

PageSpeed Insightsは、Googleが提供する無料のページ読み込み速度測定ツールです。

URLを入れるだけで簡単にLCP、FID、CLSを分析可能で、改善点も教えてくれます。

また、PageSpeed Insightsではパソコンとスマホ両方でのデータを計測してくれます。URLを入力するだけなので、自社サイトだけでなく他社サイトの計測も可能です。

Chrome UX Report

Chrome UX Reportは、Googleが提供するサイト分析ツールです。

core web vitalsの測定結果をグラフで把握することができます。また、「レポートを作成」ボタンをクリックするだけでレポート作成もしてくれるため、非常に利便性の高いツールといえるでしょう。

Lighthouse

Lighthouseは、Googleが無料で提供するGoogle Chromeの拡張機能です。

FIDの測定はできませんが、LCPとCLSの測定はできます。

分析したいページをその場で簡単に測定できるので、Google Search ConsoleやPageSpeed Insightsよりも手軽に使用可能なのが強みです。

また、自社サイトだけでなく他社サイトの測定もできます。

(補足)フィールドデータとラボデータ

PageSpeed InsightsでWebページを測定すると、「フィールドデータ」と「ラボデータ」の2種類が提供されます。

これらには以下の違いがあるため、それぞれの特徴を理解し、サイト改善につなげましょう。

  • フィールドデータ

実際にユーザーが様々な端末やネットワーク環境でアクセスしたときのデータを元に計測される数値です。実際のアクセスから導き出す数値なので、回線や端末などの影響によりノイズを含む場合があります。

  • ラボデータ

固定された環境での1台の端末によるシミュレーション結果のデータです。フィールドデータとは異なり、ユーザーが実際に体験したデータを元に計測される数値ではないため、ノイズを含みません。したがって、core web vitals改善作業の前後比較に向いているといえます。

core web vitalをビジネスでどう生かすか

ビジネスで中長期的な成功を収めるには、自社サイトのSEO対策をすることが必要不可欠です。

また、「core web vitalsはSEO評価に影響を与える」で述べたように、今のところSEO評価にどの程度影響を与えるのかは不明ですが、core web vitalsはSEO評価に影響を及ぼします。

したがって、ビジネスで業績を上げるにはcore web vitalsを生かすことが大切です。実際に、イタリアのVodafonがLCPを改善したところ売上が増えたという事例があります。

また、フランスのCdiscountが3つの指標をすべて改善したところセールでの収益が増加したという事例もあります。このように、core web vitalsを改善するとビジネスの成長につながるため、決裁者は自社を成長させるための投資としてcore web vitalsの改善に取り組むべきといえるでしょう。

SEO対策におけるcore web vitalの注意点

「core web vitalsはSEO評価に影響を与える」で述べたように、同品質のコンテンツを含むサイトがある場合、core web vitalsが優れているサイトの方がSEO評価において有利になります。

しかし、サイト制作においてコンテンツの質が最も大切であることは今後も変わりません。

コンテンツの質向上を最優先にしつつ、core web vitalsの改善も行っていくことが大切です。

まとめ

ここまで、core web vitalsの概要や改善方法、測定・確認方法などについて解説しました。

core web vitalsを改善する際は、コンテンツの質向上を最優先にしつつ改善していくことが大切です。

それにより、中長期的な成果につながります。

本記事を参考に、core web vitalsを改善してみてはいかがでしょうか。