COLUMNコラム
トンマナはライティングにおいてなぜ重要なのか?具体例とともに解説
ライターとして仕事をしていると「トンマナ」という言葉を見聞きすることがあるでしょう。
しかし、トンマナという言葉をしっかりと理解していない方も多いかと思います。
そこで本記事では、トンマナの意味や具体例、SEOとの関係性などについて詳しくご紹介しています。
ライターとして仕事をしている方の参考となれば幸いです。
トンマナってどういう意味?
トンマナとは「トーン&マナー」の略です。トーンは色調、マナーは様式を示します。
ライティングで言えば、文体などの体裁面です。
文末や改行、句読点のスタイルなどがトンマナに関わってきます。
トンマナがライティングにおいて重要である理由とは
トンマナを整えることで、発注者だけではなくライターや読者にとっても大きなメリットを得ることができます。
ここでは、トンマナの重要性について詳しく解説します。
読者に好印象を与えられる
レイアウトやフォントなどのトンマナを整えることで、記事やコンテンツが読みやすくなり、内容が読者に伝わりやすくなります。
また、画像や配色についても、見やすい配置などをルール可することでメディアのイメージやブランディング効果に期待することができるでしょう。
時間とコストの削減につながる
記事やコンテンツを制作するライターは複数人いることがほとんどです。
トンマナを確立することによってライター全員のイメージが一致し、表現や表現で迷う時間が減ります。そのため、少ない修正でスムーズに記事を書くことができるでしょう。
その結果、記事の完成までのコストを大きく減らすことができます。
企業イメージに統一感が出る
フォントや文体は、企業のイメージに直結する要素です。
配色にもよりますが、細めの明朝体であればしなやかな印象を与えたり、太めのゴシック体であれば力強い印象を与えます。
また、文末が「~だ」「~である」の文章は硬いイメージ、「~です」「~ます」の文章は丁寧でやわらかいイメージを与えるものです。
そのため、執筆を依頼する際はのフォントや文体を指定するようにしましょう。
記事の品質向上につながる
トンマナを設定することで、記事の品質を向上させることができます。
ライターの価値観に委ねて記事を発注すると、予想していたイメージと違うものができてしまう可能性が高いです。
ライターと発注側にイメージにブレがあると、統一感がなくなり見づらくなってしまいます。
その結果、記事の離脱に繋がってしまう恐れがあるのです。
トンマナの具体例を紹介
トンマナの重要性についてはご理解いただけたかと思います。
ここからは、具体的にどのような内容を設定すればよいか解説します。
表記のルール
よく使われる単語や記号の書き方を統一します。
「弊社」か「当社」「お客様」か「顧客」など、自称や他称は表現を統一しましょう。
また、会話は「」、引用は””を使うなど、記号も指定することができます。
文末表現
基本的には「です・ます調」か「だ・である調」から選びます。
ややくだけた表現にするのであれば「・・・ですよね。」「・・・ます!」などの表現も織り交ぜたり、丁寧さを重視するのであれば「・・・おります。」「・・・ございます。」といった表現を使うことも可能です。
文末は記事全体印象を大きく左右する要素となります。そのため、体言止めの使用可否なども含め、詳細に決めましょう
一文の長さ
一文の長さは、長くても100文字以内に統一するなどしましょう。
一文が長いと、内容がまとまらず読みにくいという印象を与えてしまします。
最近はスマートフォンで閲覧する人も多いため、40文字から50文字を目安に抑えることが推奨される場合も多いです。
ただし、一文の長さの指定により読みにくい文章になってしまっては意味がありません。あくまで目安とし、内容にあった文長にすることが大切です。
表記の統一
- 英数字
全角半角のどちらに統一するか、1000は「1000」「1,000」のどちらにするか決めます。
- ひらがなか漢字
「ください」か「下さい」、「とき」か「時」など、ひらがなでも漢字でも書ける言葉はどちらかに統一します。
- アルファベットかカタカナ
会社やブランド名をアルファベット表記とカタカナ表記のどちらにするか統一します。
記事の初出しのみ「カタカナ表記(アルファベット表記)」とし、その後は単なるカタカナ表記とする、などの細かい設定もできます。
NGワード
- 誇張表現
最安、日本一などの誇張した表現を根拠なく使用してはいけません。
- ネガティブ表現
他社を批判したり、ターゲットを攻撃するなど、人を不快にする表現は使用しないようにしましょう。
- トンマナと一致しない表現
例えば明るい印象のトンマナを設定しているときにネガティブな表現をしない、暗い色を使用しないようにしましょう。
文体
「ですよね。」や「するんです。」などの口語表現や、「~だと思います。」「私は~」などの主観表現を使用するか決めます。
語り手のキャラクターを設定したり、コンテンツにより独自の世界観を作っていく場合は、さらに細かく設定する必要があるでしょう。
文字数
- タイトル、ディスクリプションの文字数
広告や検索結果などに表示できる文字数にできるだけ納めます。
- 見出しごとの文字数
1つの情報だけボリュームが大きくなりすぎたり、少なくなってしまったりしないように文字数を設定します。
- パラグラフの文字数
200文字から300文字ごとに1行空白の改行を入れるようにします。
文字数が記事によって大きく異なると、統一感がない印象になります。
同じようなスタイルにして読みやすくしたい場合はあらかじめ指定しておきましょう。
段落
段落の間に空白行を挟む、文頭を一字下げるなど統一します。
余白の活用により、文章が整理された印象を与えたり、情報をより強調して伝えることができます。
トンマナとSEOの関係性
SEOとはSearch Engine Optimizationの略称で、検索エンジン最適化という意味になります。簡単に言うと、検索エンジンに気に入られる文章を書きましょうということです。
なぜ検索エンジンに気に入られるようにしなければならないかというと、そもそも検索エンジンが「これは良い記事だ」と評価しないと読者の目に留まりにくくなるからです。
キーワードを検索した際に、検索結果の1番上に表示されている記事は検索エンジンの評価が良く、ユーザーの目にも留まります。
一方で、検索エンジンにあまり良い評価をされなかった記事は検索結果の後の方に表示され、クリック率が一気に落ちます。
SEO対策に関係するルールでは、タイトルにSEOのキーワードを入れて、本文には関連するキーワードを含める、という方法が多いです。
しかし、SEOを気にするあまり不自然なタイトルや文章になってしまうと読みにくい記事になってしまいます。あくまで読者側からみて読みやすい文章を心掛けましょう。
トンマナを決める際のポイント
ここまで、具体的なトンマナの例を解説しました。
しかし、ライターや読者に意図が伝わりやすいレギュレーション(執筆上の指示・規則)を作るためにはいくつかポイントがあります。
読者層を明確にする
まずペルソナを作ります。ペルソナとターゲットは似ていますが、ペルソナは年齢や性別、職業、収入、住所、趣味などまで細かい情報の設定を行います。
例えば、簡単で手間のかからない料理のコンテンツを作成したい場合、ターゲットは「40代既婚女性。働きながら子育てをしている。」といったように、大まかな属性のみを設定します。
一方でペルソナはより詳しく、特定の人物像を設定します。
40歳女性、4人家族で夫婦共働き。神奈川県在住。学生の息子が2人いる。
フルタイムで会社員をしている。年収は400万円。
2人の息子が食べ盛りのため、料理のレパートリーを増やしたいがあまり時間もとれない。
SNSで料理関係の投稿を見ているが、手間がかかっているものが多く取り入れられない。
冷凍食品に頼っているが、同じようなものが多く飽きられてしまっている。
上記2つを見比べると、ペルソナの方が読者の心境などが詳細にイメージすることができます。
読者目線で物事を考えることができれば、その人にとって必要な情報に絞ってライティングできるでしょう。
さらに、複数のライターがライティングする場合でもイメージがぶれにくくなる利点もあります。
NGルールも設定する
修正の手間を減らしたり、一定の品質を保つためにもNGルールを設定しましょう。
競合する企業や製品の名称は使わないなど詳細に決めておくことがポイントです。
前述したNGワードも入れないようルールを設定しましょう。はっきりと明文化することは、トラブルを避けることにつながります。
トンマナの徹底されたレギュレーションはなぜ重要か
レギュレーションのない状態でライターに発注してしまうと、ライター側は発注者の意図が明確に分からず、手探りで書くことになります。
また、イメージと違う記事に対して修正を入れていくのは手間がかかり、完成までに時間もかかってしまうでしょう。
レギュレーションがあれば、ライター側に発注者の意図が伝わりクオリティの高い記事を書くことに集中することができます。その結果修正も少なくなり、記事の品質も良くなる可能性に期待できるでしょう。
まとめ
この記事ではトンマナの重要性と具体例、設定する際のポイントを解説しました。
トンマナを細かく設定するのは手間がかかるため、面倒に思われるかもしれません。
しかし、一度決めておけば発注者側の意図がライター側、読者側にも伝わり、分かりやすく統一感のあるコンテンツとなります。
トンマナを設定し、クオリティの高い記事を納品してもらえるようにしましょう。