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リスティング広告とSEOの違いとは?それぞれの特徴をわかりやすく解説

ライティング

リスティング広告とSEO対策にはどのような違いがあり、効果が高いのはどちらかわからないと悩む方は多いでしょう。
今回は、リスティング広告とSEO対策の違いや仕組み、それぞれの特徴について解説するとともに、効果的な選び方も紹介します。

リスティング広告とSEOの違い

リスティング広告とSEOは、どちらも同じサーチエンジン上の施策としては共通していますが、両者には多くの違いがあります。
主な違いとしては、以下のようなものが挙げられます。

リスティング広告

  • クリック率が低い
  • 有料
  • 外部要因の影響を受けやすい
  • コントロール性(予算・キーワード・入札額・リンク先などの要素の変更)が高い

SEO

  • クリック率が高い
  • 無料
  • 外部要因の影響を受けづらい
  • コントロール性が低い

リスティング広告とは?

リスティング広告とは、クリックされるたびに課金される仕組みの「クリック課金型Web広告」のことで、「検索誘導型広告」とも呼ばれます。
リスティング広告の仕組みや特徴について詳しく解説していきます。

リスティング広告の概要

リスティング広告は、検索結果に表示される際に「広告」と表示されます。
クリックするたびに課金され、1クリックの広告費はターゲットとする広告費によって異なります。競合の少ないキーワードほどクリック単価が低くなり、人気の高いキーワードほどクリック単価が高くなります。

リスティング広告の特徴

リスティング広告には、メリットとデメリットの両面の特徴があります。
それぞれについて解説していきます。

メリット面

  • クリック率が低い

リスティング広告は、SEOによって上位表示されているWebサイトと比べると、クリック率が低いことが特徴です。
現在、広告をクリックすることを避けるユーザーが増えていて、クリック率は一般的に2~5%といわれています。
リスティング広告の運用によって多くの売上を獲得している企業もあり、クリック課金型という仕組みのため、クリックされなくても広告費が消化されることはなく、損失には繋がりません。

  • 即効性が高い

リスティング広告は、即効性が高いことも特徴として挙げられます。
広告審査が通り次第、検索結果に広告が表示されます。Webサイトを開設して間もない場合やすぐに成果が欲しい場合には、即効性の高さはメリットとなるでしょう。

  • コントロール性が高い

リスティング広告には、掲載順位をある程度コントロールできるという特徴があります。
リスティング広告が掲載される基準には「広告ランク」というものが関わっていて、広告ランクが高いほど、検索結果の上部に表示されます。
尚、広告ランクは以下の項目で決まる仕組みになっています。

  • 品質ランク(推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性)
  • 上限クリック単価
  • 広告表示オプション

リスティング広告を運用する場合、上記の項目をしっかりと押さえることで掲載順位をある程度コントロールできます。

デメリット面

  • 広告を停止するとサイトへの流入が減る

リスティング広告は、広告を停止すれば検索結果に表示されなくなります。
広告費がなくなればWebサイトへの流入が減り、コンバージョンとしての最終的な成果も減少します。

SEOとは?

「SEO」とは、検索エンジン最適化のことで、日本ではGoogleの検索エンジンで検索結果の上位に表示されるように対策することを意味します。
SEOの概要や特徴について解説していきます。

SEOの概要

「SEO」とは、Googleアルゴリズムに適したWebサイト運営を行うことで評価を高め、少しずつ検索結果上位に表示させていくことです。
SEOは短期的な成果を求める施策ではなく、中長期的な施策として最適です。
GoogleはWebサイトに、「ユーザーファーストであるべきで、ユーザーを第一に考えればその他の成果はついてくる」と記しています。
Webサイトの運営者が、ユーザーはどのような情報を求めてWebサイトを訪問したのかを考えることで、Googleが求めるWebサイトになります。
Googleアルゴリズムを理解し、ベストプラクティスを実施することが検索順位を挙げることにつながります。

SEOの特徴

SEO対策により検索上位に表示されれば高いクリック率を獲得できます。
ただし、上位に表示されても順位によってクリック率は大きく変わります。
SISTRIX社が公開した2020年7月の検索順位別クリック率データによると、1位は28.5%という高い確率でクリックされる一方、10位では2.5%となっています。

このように、クリック率が高いのは上位表示された場合に限るので注意が必要です。

また、SEOには以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

  • 上位表示されれば、継続的にサイトへのアクセスがある

SEO対策は上位表示されるまでに時間がかかりますが、上位表示されれば継続的にサイトへのアクセスが期待できます。Googleアルゴリズムアップデートや競合の上位表示がなければ、基本的にはサイトの検索順位は変化しません。
初期段階には費用や時間がかかりますが、上位表示されれば後から巻き返しで回収することができます。

デメリット

  • 掲載順位のコントロール性がない

リスティング広告と異なり、SEO対策には「これを行えば上位表示される」というものがないため、掲載順位のコントロール性がありません。
検索順位が突然落ちることや、Googleが求めるベストプラクティスを実施しても上位表示されないことがあります。
常に仮説検証を繰り返すことで、上位表示を目指すことが必要になるでしょう。

  • 即効性が低い

SEO対策は即効性が低く、短期間で成果が得られることはほとんどありません。
基本的に中長期的な対策を行うことが前提となるため、すぐに成果が欲しい場合はSEO対策は不向きです。

リスティング広告とSEOはターゲット層にも違いがある

リスティング広告とSEO対策は、仕組みや特徴が異なる他にもさまざまな違いがありますが、その一つとしてターゲット層の違いが挙げられます。

それぞれのターゲット層の違いについて詳しく解説していきます。

リスティング広告のターゲットは顕在層

リスティング広告の主なターゲット層は「今すぐ問い合わせしたい」という顕在層であり、検討中の顧客へのアプローチ方法としては適していません。

リスティング広告は、すでに購買意欲の高い顧客向けのものであり、出稿すればコンバージョンを多く得られます。

SEOのターゲット層は潜在層

SEOの主なターゲット層は「まだ購買を考えていない」「悩んでいる」「そのうちに」といった、まだ情報収集の段階にいてすぐに購買にはつながらない潜在層です。

顕在層へのアプローチも可能ですが、現在はSEOの9割は潜在層へのアプローチが主体となっています。
SEOは潜在層を囲い込み、自社の商品の認知を促して購入へつなげることを得意とするものです。

リスティング広告とSEOの選び方

リスティング広告とSEOではどちらが効果的なのか悩むという方もいるかもしれません。

選び方としては、それぞれの特徴や仕組みを理解した上で、目的や商材によって決めることが大切になります。詳しく解説していきます。

短期的な集客を狙うなら「リスティング広告」

リスティング広告には即効性があるため。短期的に集客をしたい場合は適しています。

期間限定のキャンペーンの実施、繁忙期に合わせて成果を求めるなど、短期間で高い集客効果を上げたい場合に有効となるでしょう。

SEOは、キャンペーンや繁忙期が訪れる数ヶ月前から対策し、その時期に上位表示されるように進めなくてはならず、短期的な集客には向いていません。

しかし、毎年繰り返されるようなイベントであれば、SEOも非常に効果的です。

中長期的な視点で考えるなら「SEO」

中長期的な視点で継続的に集客したい場合はSEOが適しています。
リスティング広告は即効性はありますが、広告の停止に伴いアクセス数が減少する心配があるため、中長期的な集客には適していません。

SEOは即効性はなくても中長期的にアクセス数を獲得でき、継続した成果が期待できるので、中長期的な集客を求める場合には最適な方法です。

リスティング広告とSEOの具体的な使用例

リスティング広告とSEOは、それぞれのメリットとデメリットを理解し、商材によって使い分けることをおすすめします。

リスティング広告とSEOを効果的に使い分けるために、それぞれの具体的な使用例についてみていきます。

リスティング広告がよく使われるケース

リスティング広告が効果的なケースとして以下のようなものがあります。

  • 「指名キーワード」での流入を確保する場合

指名キーワードとは、社名、サービス名、商品名などで、リスティング広告ではこれらの固有名称で検索をかけるユーザーに対して直接的なアプローチが可能になります。

  • 即効性やスピードを求める場合

リスティング広告は、広告審査が完了すればすぐに掲載を開始できます。短期間での上位表示を期待でき、短期的にコンバージョンを発生させることが可能になります。

  • 掲載したい期間が限定的な場合

「キャンペーン期間のみ」「新商品発売から1ヶ月間のみ」など掲載期間が限られる場合、
リスティング広告は有効です。

リスティング広告は、広告の開始と終了を自分でコントロールでき、掲載期間のみ使用したいランディングページで特定のキーワードや広告文を使用した集客ができます。

セール期間の終了と掲載の停止を連動させられる便利さがメリットです。

SEOがよく使われるケース

SEOが効果的なケースとして以下のようなものがあります。

  • 費用をかけずに流入を確保したい場合

SEOは、検索結果画面に表示させるために直接的に支払う費用は発生しません。
上位表示させるためには時間や手間がかかりますが、継続して取り組んでいけば費用をかけずに上位表示を実現させることも期待できます。

  • 一般キーワードを多数獲得したい場合

指名キーワード以外の一般キーワードでも訪れるユーザーを増やしたい場合、SEOは効果的です。見込みが低いキーワードも含めた対策を行う際は、新しいページを作ったり、サイト内に「コンテンツSEO」という形で一般キーワードに関連するコンテンツを増やしたりすることが有効です。

リスティング広告とSEOは併用すべき?

リスティング広告とSEOにはそれぞれ特徴やメリットに違いがあり、両者には片方の短所が一方の長所であるといった面と裏のような関係性があります。

それぞれの持つ特性を活かして両者を併用することで高い効果が得られ、より多くのユーザーを自社サイトに誘導することが可能になります。

まとめ

リスティング広告とSEOの違いをよく理解すると、短期、中期、長期それぞれの視点でマーケティング活動を展開でき、より効果的な集客が実現できます。

新商品の発売およびキャンペーン・イベントの時期をスケジュール化し、リスティング広告とSEOを併用していくことで大きな成果に期待できるでしょう。