COLUMNコラム

キラーコンテンツとは? 事例・作り方を有効なSEO対策と併せて解説

ライティング

キラーコンテンツとは、魅力と人気があり、ユーザーを強く惹きつけるコンテンツです。
Webマーケティングでは、キラーコンテンツを有効活用し、効率的にコンバージョンを達成していくことが基本戦略になります。

この記事では、キラーコンテンツの代表例と作り方、効果的なSEO対策について解説します。基本を網羅した内容になっているので、Web担当者はぜひ記事をご参照ください。

キラーコンテンツとは

キラーコンテンツとは、Webマーケティングに限らずよく使われる言葉です。その特徴は「人を魅了し、実際に行動させる力がある」ことでしょう。

分かりやすい例が、映画「スターウォーズ」です。アメリカでは、最新作の公開時に、熱心なファンが映画鑑賞のために仕事を休むといった社会現象が度々見られました。映画を公開する側の目的は来場者数の獲得なので、スターウォーズは「人々の生活習慣や優先順位を変えてまで、そのコンテンツに接触(来場)させる力があった」と言えます。まさにキラーコンテンツが持つ「人を魅了し、実際に行動させる力」を象徴する、わかりやすい事例でしょう。

規模こそ小さくなるかもしれませんが、Webコンテンツでも同じことが言えます。圧倒的な魅力と影響力でユーザーを惹きつけ、コンバージョン(CV)を促すのがキラーコンテンツのコンセプトです。

キラーコンテンツの具体例

「人を魅了し、実際に行動させる」のがキラーコンテンツだとわかりました。
Webマーケティングでは、具体的にどのようなコンテンツがキラーコンテンツになるのでしょうか? ここでは、その具体例を7つ紹介します。

使い方動画

1つ目は、具体的な使用方法や操作手順を紹介し、理解を促進させる使い方動画です。

使い方動画は、視覚・聴覚から伝えることで、製品やサービスの理解度を大幅に高めます。特に、初めて使う製品に対する操作や機能への不安を払拭し、購入や申し込みへの心理的ハードルを下げられます。

たとえば「3分で分かるクラウド会計ソフトの導入手順」という使い方動画を設置すれば、ツールの利便性を直感的に伝えられます。動画視聴により、CV率の向上やサポート問い合わせ件数の減少などの効果が期待できます。使い方動画は、製品やサービスの理解を深め、購入・申し込みへの不安を解消することで、CVの向上に貢献します。

導入事例

2つ目は、製品やサービスを導入した企業や個人の具体的な成功体験を紹介することで、メリットを伝える導入事例です。

導入事例は、顧客視点で語られる成功体験であり、商品やサービスの実力を証明する説得力の高いコンテンツです。ユーザーは、自分と近い業種や立場の事例に触れることで「自分にも効果があるかもしれない」と共感しやすくなります。

たとえば、「通販サイトがAIチャットボットを導入し、問い合わせ対応時間を70%削減」といった成果事例は、導入後の業務効率改善を読者に明確に伝えます。カスタマーサポート担当者の声を交えたインタビュー形式で掲載すれば、実感のこもった内容となり、説得力と再現性が高まるでしょう。導入事例があると、ユーザーの意思決定を後押しできる可能性が高まります。

お客様の声

3つ目は、ユーザーのリアルな感想が共感を生むことにより、コンバージョンへの心理的ハードルを下げるお客様の声です。

お客様の声は、実際の利用者によるリアルな感想であり、企業が発信する広告よりも信頼されやすい特徴を持っています。特に、ユーザーが感じていた悩みや課題と、その解決方法を語る構成は、新規ユーザーにとって強い説得材料になります。

たとえば、比較検討や決定のポイント、競合他社との違いを明確に記載されている口コミなどは理想的です。口コミを見ているユーザーは「失敗したくない」という意識が強いため、自分を後押ししてくれる決定的な情報を求めています。お客様の声を活用できれば、迷っているユーザーの背中を押し、CVにつなげられる可能性が高まります。

ホワイトペーパー

4つ目は、見込み顧客にとって役立つ情報をまとめたホワイトペーパーです。

ホワイトペーパーは専門的な情報やノウハウを体系的にまとめた資料であり、BtoBマーケティングにおいては特に効果的です。課題解決の糸口を探している見込み客にとって、ダウンロード価値のある資料は行動を促す決め手になります。

たとえば、人材育成のコンサルティング会社が「社員のエンゲージメントを高める秘訣10選」というホワイトペーパーを公開すれば、社員の定着やモチベーション向上に悩む企業の人事担当者は、その解決策を求めてホワイトペーパーをダウンロードするでしょう。これにより、コンサルティング会社は見込み顧客の情報を獲得し、具体的なサービス提案へと繋げることが可能になります。ホワイトペーパーはリード(見込み客)獲得を促進させ、最終的なCVにつなげます。

アンケート・調査データ

5つ目は、特定のテーマに関する客観的で信頼性の高い情報を提供できるアンケート・調査データです。

自社で実施したアンケートや調査データは、オリジナリティが高く、他のメディアとの差別化に貢献します。数値に裏付けられた情報は信頼性があり、読者に事実として説得力を与えます。ユーザーが知りたいと思う有益な情報であれば、他サイトから引用されることで被リンクの獲得につながり、SEO効果も期待できます。

たとえば「サブスクサービス利用者1,000人に聞いた満足度調査」などのリアルな市場調査データは、関心の高いテーマであればあるほど読者の興味を引きつけます。具体的な数値や傾向が含まれていることで、メディア記事やレポート、SNSの引用元として使われやすくなり、自然な被リンクの獲得にもつながるでしょう。アンケート・調査データは、「アンケート・調査データは、信頼性と共感を生み出し、ユーザーの行動を後押しすることでCVに貢献します。

専門家の意見

6つ目は、権威性・信頼性の高い専門家によって担保されたコンテンツです。

専門家によるコメントや監修は、情報の信頼性を高める上で非常に重要です。特に医療・法律・金融など、生活に大きな影響を与えるYMYL分野では、専門家の関与がコンバージョンに大きく影響するケースも少なくありません。

たとえば健康食品を販売するWebサイトでは「医師監修」と明記された記事や製品説明が信頼獲得の鍵となります。YMYL分野では、情報そのもの以上に「誰が発信しているか」が重視されます。専門家の有無によって、ユーザーだけでなく検索エンジンの評価も大きく変わるのです。専門家の意見は、情報の信頼性を補強し、規制が厳しい領域でのCV達成を可能にします。

商品(サービス)紹介ページ

最後は、提供する商品やサービスの機能や価格、利用方法などを詳細に説明する商品(サービス)紹介ページです。

商品ページは、ユーザーが購入・申し込みを決断する代表的なタッチポイントであり、最終的な行動を促すコンテンツです。ユーザーの疑問や不安を払拭する情報を掲載することで、離脱を防ぎ、コンバージョンに直結させます。

たとえば、「価格」「機能」「導入事例」「FAQ」などを1つに統合した紹介ページは、ユーザーの意思決定をスムーズにします。レビューや認定バッジなどの社会的証明を加えると、さらなる信頼獲得にもつながるでしょう。商品ページは、ユーザーの不安を解消し、購入・申し込みへの最終的な後押しとなることでCVを直接促進します。

キラーコンテンツの作り方

Webマーケティングにおけるキラーコンテンツは、ユーザーの問題を解消し、信頼獲得を通じてコンバージョン(CV)を達成するよう情報設計されています。

では、キラーコンテンツはどのように作るのでしょうか? ここでは、その基本的な方法について解説します。

CV前に経由しているページを調査する

キラーコンテンツを作る第一歩は、コンバージョン前にユーザーがどのページを閲覧したか把握することです。Googleアナリティクスやヒートマップツールを活用すれば、CV前に多く参照されているページや、離脱されるページを可視化できます。

こうしたページの把握は、キラーコンテンツを作成する上で、ユーザーがどんな問題を抱え、どんな情報に関心を持っているかを知る手がかりになります。まずは、データをもとに「各ページがCVにどんな影響を与えているか」を把握しましょう。

訪れているページからユーザーの悩みを推測する

「各ページがCVにどんな影響を与えているか」が分かったら、ページ内容を分析してユーザーの悩みを推測します。

たとえば、CV前に「導入事例のページ」を訪れているユーザーが多ければ、彼らは「このサービスや製品が本当に自社で役立つのか」「具体的な成功イメージが持てるか」といった点に悩みや不安を感じていると推測できます。また、価格ページでの離脱が多ければ、費用対効果に納得できていないと推測できるでしょう。

「悩み(問題)を解決する情報設計」がWebマーケティングにおけるキラーコンテンツです。ユーザーの検索行動から「知りたいこと」「迷っていること」を分析し、コンテンツ作成の基礎として活用しましょう。

悩みを1つに絞ってキラーコンテンツを作成する

悩み(問題)を分析したら、その悩みを解決するというコンセプトで、キラーコンテンツを作成します。

この際に気を付けたいのは、解決する悩みは1つのコンテンツにつき、1つと決めておくことです。たとえば、英語学習サービスなら「短期間で効率的に英語を習得したい」ユーザーと、「時間はかかっても良いから、基礎からじっくりと英語力をつけたい」というユーザーがいるはずです。このような悩みをまとめて解決しようとすると、結果的に誰にも響かないコンテンツになってしまいます。

キラーコンテンツを作成する際は、1つの悩み解決に特化した情報設計にすることが重要です。CVにつながる悩みが複数ある場合は、それぞれに対して専用のキラーコンテンツを作成しましょう。

キラーコンテンツの流入数を増やすSEO対策

どんなに優れたキラーコンテンツを作成しても、ユーザーに届かなければコンバージョンを達成できません。そのため、キラーコンテンツ作成では、高品質な問題解決を提供するだけでなく、流入数を増やすための工夫も大切です。ここでは、そのために重要になるSEO対策について解説します。

検索意図への最適化

検索意図の最適化とは、ユーザーが検索する事情や目的を理解し、それに合わせてキーワード設定やコンテンツ設計を行うことです。たとえば、コンバージョンが製品購入なら、情報収集している段階のユーザーには製品概要や提供価値、購入を検討している段階のユーザーなら、競合比較や導入事例など、フェーズに応じた内容を提供します。また、タイトルや見出し、本文に関しても意図に沿ったキーワードを自然に盛り込むことで、コンテンツの関連性を高めます。

検索意図に合致したコンテンツは、検索エンジンからの評価が高まり、上位表示されやすくなります。ユーザーも、自分の疑問にピンポイントで答えてくれる記事を見つけやすくなるため、クリック率も向上します。結果として、検索経由の自然流入数が増え、より多くのターゲットにリーチできるようになります。

高品質な被リンクの獲得

高品質な被リンクとは、関連性・信頼性が高いサイトから、自然に設置されたリンクです。このようなリンクを獲得するには、他サイトが参照したくなるような独自性のある情報や信頼性の高いコンテンツを提供する必要があります。例としては、業界独自の調査データや専門家監修のノウハウ記事などが挙げられるでしょう。また、SNSでのシェアや関連性のあるサイト同士の適度な連携など、能動的な広報活動も有効です。

高品質な被リンクはSEOにおける評価指標の一つであり、検索順位の向上につながります。加えて、被リンク元のサイトからの間接的な流入も見込めるため、新たなユーザーとの接点が広がるのもメリットです。検索エンジンとユーザーの双方から信頼されることで、キラーコンテンツへの訪問数が持続的に増えていきます。

内部リンクの最適化と導線設計

内部リンクの最適化とは、サイト内のページ同士を適切にリンクでつなぐことで、ユーザーが関連情報へスムーズにアクセスできるようにする施策です。たとえば、ページ数が多いサイトでは、キラーコンテンツと関連性の高い情報を掲載しているページが存在する場合も少なくありません。このようなページとキラーコンテンツを内部リンクでつなぐことで「関連情報をもっと知りたい」と思ったユーザーを誘導します。

このような導線設計により、ユーザーは課題を理解しやすくなり、検索流入からCVにつながる確率が高まります。また、回遊率や滞在時間、ページ閲覧数なども向上するため、サイト全体でも流入数の向上に寄与するのも大きなメリットです。

モバイルフレンドリーで快適な表示環境

モバイルフレンドリー対応とは、スマホなどの小さな画面でもコンテンツをストレスなく利用できるようにデザインや機能を最適化することです。具体的には、レスポンシブデザインの採用やフォントサイズや行間の調整、ページ読み込み速度の改善などがポイントになります。

近年ではモバイル(スマホ・タブレット)からの情報アクセスがPCを上回るようになりました。これに伴い、検索エンジンはモバイル対応していないサイトの評価や検索順位を下げるアルゴリズムが導入されています。モバイルフレンドリーはユーザー体験を向上させ、間接的にSEO効果を高める上で極めて重要になっています。

キラーコンテンツの活用シーン

高い流入数を見込めるようになったキラーコンテンツはどのように使うのでしょうか? 最後に代表的な活用シーンについて解説します。

リード獲得 (リードジェネレーション)

リード獲得 (リードジェネレーション) とは、顧客となりうる見込み客(リード)の情報を集める活動です。

ホワイトペーパーや調査レポートなどのキラーコンテンツは「メールアドレスや会社名といった情報を入力すれば無料でダウンロードできる」形式で提供することで、リード獲得に活用できます。ネット上では得にくい問題解決の知見や具体例を盛り込むことで「この情報が欲しい」と思わせるのがポイントです。

有益なコンテンツと引き換えに連絡先を得ることで、見込み顧客のリストを蓄積できます。獲得したリードは、将来的な売上につながる大切な資産です。さらに、登録時の情報をもとにリードの質を見極めることもでき、メール配信や営業活動の精度向上にもつながります。

リード育成(リードナーチャリング) 

リード育成(リードナーチャリング)とは、獲得したリードが顧客になるように、メールやコンテンツを通じて関係性を深めていく活動です。

リード育成では、獲得した見込み顧客に対して、段階に応じたキラーコンテンツをメルマガなどで定期配信します。たとえば、初期は課題の理解を促す基本情報、中期には競合他社との比較情報、後期には導入事例などを提供し、見込み顧客との信頼関係を築いていきます。ユーザーの関心と段階に合わせた情報提供を行うのがポイントです。
段階を経て自社サービスへの理解と関心を高めることで、最終的に資料請求や問い合わせ、見積もり依頼などの具体的なアクションを促します。コンテンツによって教育されたリードは購入意欲が高まりやすく、CVや検討期間の短縮につながります。


リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、一度Webサイトを訪れたユーザーに対して、再度広告を表示してWebサイトへの再訪問を促す手法です。
キラーコンテンツは、リターゲティング広告の着地先としても効果的な活用が可能です。たとえば、過去にコンバージョンに至らなかったサイト訪問者に対して、関心フェーズに応じたキラーコンテンツを案内する広告を配信することで再訪を促せます。これにより、見込み顧客との再接点を持ちやすくなり、CVにつながる導線を構築できます。
リターゲティング広告は、興味を持ちながらも離脱したユーザーを呼び戻し、資料請求や問い合わせといった次のアクションへと誘導できます。CV率も高いため、広告費を効率よく売上につなげられます。また、購買の意思決定が長いBtoB領域では検討を継続しているユーザーに再認知させる効果を期待できるのもメリットです。

MAツールによる再販促進

マーケティングオートメーション(MA)ツールとは、見込み客獲得から育成・顧客化までの一連のマーケティング活動を自動化・効率化するためのソフトウェアです。

MAツールは、顧客の行動履歴や購買データをもとに、一人一人に合わせた最適なキラーコンテンツを自動で選び、適切なタイミングで配信できます。 たとえば、過去に特定商品を購入した顧客には、その商品と相性の良い関連商品や、より上位のグレードの商品を紹介するコンテンツを自動で送ります。これにより、お客様の興味を引きつけ、再購入や追加購入を促すことが可能です。

この仕組みによって、アップセル(上位商品への移行)やクロスセル(関連商品の購入)というコンバージョンを得られます。 顧客は自分に合った情報を受け取ることで、より高い満足感を得ながら、自然な流れで再購入や追加購入を検討するようになります。

まとめ

キラーコンテンツとは、「人を魅了し、実際に行動させる力がある」コンテンツです。Webマーケティングでも、使い方動画や商品紹介ページなど様々なコンテンツが、キラーコンテンツとして利用されています。

キラーコンテンツを作るには、サイトデータからユーザーが抱える悩み(問題)を把握し、それを解決する情報を提供するのが基本になります。また、完成後はSEO対策をして、最大限の力を引き出せるようサイト環境を整えるのも大切です。

完成したキラーコンテンツは、リードの獲得・育成や商品販促などのさまざまな収益化施策に利用できます。Webマーケティングにおいて、頻繁に使われるアプローチです。Web担当者は、キラーコンテンツを積極的に作成・運用して、コンバージョン達成に活用しましょう。