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Google検索品質評価ガイドラインとは?評価項目から活用法まで解説

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検索エンジンは、私たちがWeb上の情報を調べる際に使われます。大手検索エンジンサービスであるGoogleは「Google検索品質評価ガイドライン」というガイドラインを公開しており、検索結果には一定の評価基準によって反映されることで知られています。

この記事ではGoogle検索品質評価ガイドラインについて、評価項目の具体的な内容や活用法などを詳しくご紹介します。

Google検索品質評価ガイドラインとは?

Google検索品質評価ガイドラインとは、Googleの検索エンジンがどの様にWeb上のコンテンツを評価しているのか、その基準を示したガイドラインを指します。検索品質評価ガイドラインに書かれていることは、「Googleがどのようなページを高く評価したいか」ということです。そのため、SEOに携わる担当者にとっては、自社のコンテンツを検索結果の上位に反映させるための重要な資料となります。

検索品質評価ガイドラインは、「General Guidelines」というタイトルで、英語で公開されています。

Google検索の仕組みと検索品質評価テストの位置付け

Google検索の仕組みには、「クロール(情報を探す)」「インデックス(情報を登録する」「ランキング(情報を順位付けする)」という3つの工程があります。

クロールでは、クローラーと呼ばれる検索ロボットが、世界中のコンテンツから情報を集めてきます。クローラーの巡回ロボットは、Webサイトを訪問するとサイト内のリンクからリンクを移動し、それぞれの情報を読み取ります。

クロールで集まった情報はインデックスという作業において、本棚に本を入れるように、Googleのデータベースに逐次登録されます。データベースの内部では、情報の鮮度やキーワードなどのシグナルに応じて、ユーザーの求める情報と関連性が高いかを判断して、適切な場所に登録されます。

登録された情報は、最後にランキング作業によって順位付けがされます。順位付けは、PageRankというアルゴリズムの総合得点によってなされます。

このようにGoogle検索品質評価ガイドラインは、Google検索のアルゴリズムが記載されているので、Google検索に大いに関係があります。しかし、詳しくは後述しますが、Googleの検索順位に直接影響を及ぼすことはありません。

Google検索品質評価ガイドラインの特徴

Google検索品質評価ガイドラインには、いくつかの特徴があります。これらの特徴を踏まえて、SEO施策を実施すると効率的です。以下で4つの特徴をご紹介します。

内容更新が定期的に行われる

Google検索品質評価ガイドラインの特徴の1つとして、定期的に内容更新が行われることが挙げられます。ガイドライン「General Guidelines」の冒頭には日付が記載されており、これがガイドラインを更新した最終の日付となっています。

内容の更新は頻繁かつ定期的に行われ、2017年から2021年1月までで7回も更新がされています。どのように内容が更新されたのは定期的に把握する必要があるでしょう。

英語版しか存在しない

Google検索品質評価ガイドラインは、英語版のみで構成されていることも特徴のひとつです。「General Guidelines」はすべて英語で書かれていて、日本語をはじめ英語以外の言語のガイドラインは用意されていません。

そのため、英語に精通していないと内容を読んで理解するのは難しいかもしれません。

記載内容のボリュームが多い

Google検索品質評価ガイドラインは、記載内容のボリュームが多いことも特徴的です。どれくらいの分量があるのか、「General Guidelines」を見てみましょう。

目次の横には1から順に番号が振られており、ページの一番下までスクロールすると172と書いてあります。これは検索品質評価ガイドラインが全172ページという大きなボリュームであることを示しています。

評価者の評価で検索順位は変わらない

検索品質評価ガイドラインは、評価者がサイトを評価するための基準ではあるものの、検索順位に直接影響するものではありません。これも検索品質評価ガイドラインの特徴です。

評価者があるサイトを良いサイトであると評価したとしても、「良い」という評価で検索順位が上がるということではありません。反対に、評価者が悪いサイトであると評価したからといって、検索順位が下がってしまうわけでもありません。

Google検索品質評価ガイドラインの主な評価項目

Googleによる検索品質評価ガイドラインの主な評価項目は2つあり、「ページクオリティ評価」と「Needs Met」と呼ばれています。この2つの評価項目について、詳しくご紹介します。

ページクオリティ評価

ページのクオリティ(品質)は、Googleが検索品質評価ガイドラインによって行う評価の1つです。ページクオリティ評価には、「E-A-T」と「YMYL」という2つの用語が大きく関連します。

E-A-Tとは、Googleにおける「良いコンテンツ」の評価指針で、専門性・権威性・信頼性の英語の頭文字を取ったものです。

YMYLは、「Your Money or Your Life」を略したコンテンツの分野を示す用語で、人々の幸福や健康、経済の安定や安全に影響を与える可能性があるページを指します。主に医療やお金に関するページ、金銭取引を行うページなどがこれにあたります。

2017~2018年頃に行われたコアアルゴリズムアップデート以降は、YMYLのなかでも特に医療や健康に関係するページに対して、大きな変動が起こる状態が発生しました。また、医療健康分野のSEO対策として、E-A-Tが備わっていないことが明確なページをランキング上位で見かけることも少なくなりました。

Needs Metの実現

「Needs Met」とは、検索結果がどれくらいユーザーの役に立ち、さらにニーズを満たせるかどうかを評価するものです。

高いNeeds Metを実現するためには、そのクエリを使用したユーザーのインテント(意図)を想像して、インテントに適合するコンテンツを作成することが求められます。

ユーザーのインテントに合致しないコンテンツは、それがどれほど高品質なページであってもNeeds Metを達成できません。

Google検索品質評価ガイドラインの活用法

Google検索品質評価ガイドラインを活用するには、ガイドラインに書かれていることを考慮してSEO対策に活かす必要があります。ここからは、具体的な活用法を3つご紹介します。

競合上位Webサイトの傾向を調べる

Google検索品質評価ガイドラインの活用法の代表的なものとして、「ユーザーの検索インテントを満たす」という条件が挙げられます。検索インテントを満たすためには、競合する上位サイトの傾向を調べることが必要です。上位に表示したいSEOキーワードで検索して、上位表示されるサイトのコンテンツの内容やタイトル名の傾向を調べるというものです。

そのうえで、調べて分かった傾向を自身のコンテンツ内に盛り込み、さらにタイトル名にSEOキーワードを入れるようにしましょう。そうすることでユーザーの検索クエリ、すなわちユーザーの求める情報と合致するコンテンツに仕上がります。

ユーザーの利便性を高める

ガイドラインに書かれている評価基準を満たすことで、ユーザーの利便性を高めることにつながります。このユーザーの利便性のことを、ユーザーエクスペリエンス(UX)と言います。

UXを高めるための具体的な方法としては、画像の形式を最適化するなどの手法でファイルサイズを小さくする、キャッシュを活用する、Webページを一瞬で表示できるAMPの導入などの方法が挙げられます。ユーザーのストレスが少なく、使いやすいと感じさせるコンテンツは、UXが高いと判断することができます。

より専門性を高める

E-A-Tを高めることは検索上位に入るようなコンテンツを作るうえで重要なことですが、最初にコンテンツ自体の専門性を高めるといいでしょう。
例えば「背負い投げ」「大外刈り」のように、柔道に関係するキーワードでページを増やすことで、そのページは柔道に関しての内容に特化したコンテンツと判断されるようになります。

また、記事執筆者が柔道歴20年の人物であったり、柔道のコーチをしている人物であったりすれば、書かれている文章の信頼性も高まります。

こうしたコンテンツは評判が良くなりやすく、ポジティブな口コミや参照リンクも増えやすくなります。結果的にE-A-Tのすべてが高まることで、Googleからの評価を受けやすくなるのです。

Google検索品質評価ガイドラインの利用で注意したい点

Google検索品質評価ガイドラインを参考にして、SEO対策を行う際にはいくつか注意点があります。以下で4つ注意点をご紹介します。

Webマスター向けのガイドラインとは異なる

まず1つ目に挙げられることは、Google検索品質評価ガイドラインはWebマスター(Webサイトの管理者)に向けて作られたガイドラインではないという点です。もしガイドラインに書かれていることが守れなかったとしても、そのためにペナルティを受けるようなことは起こりません。

検索品質評価ガイドラインの目的は、それを読むことでGoogleやユーザーに評価されるWebサイトを作るヒントとして活かすことにあります。

検索結果で上位表示されるわけではない

先ほども触れましたが、評価者があるサイトを検索品質評価ガイドラインに沿って高くあるいは低く評価しても、それが検索順位を直接上下することにはつながりません。

Googleはこのことについて一貫した説明を行っています。2020年10月にガイドラインが更新された際は、ガイドライン内に関係する記述を追加しています。

ユーザーの検索意図・ニーズを無視しない

検索をしたユーザーの検索意図やニーズを考慮しないと、必要な情報が盛り込まれないコンテンツになってしまう懸念があります。

コンテンツを作る際に、検索上位のサイトのコンテンツ内容やタイトル名などの傾向を見ずに作成者の想像だけで作ってしまうと、検索ユーザーがどのような情報を求めているかが分からないままコンテンツが作られてしまいます。その結果、ユーザーの求める情報が欠如したコンテンツになる可能性が高まります。

そうなると、ユーザーとのニーズと一致しないことから、結果的にGoogleから高い評価を得られなくなってしまうということにつながるのです。

ページの質を下げない

ページ自体の質を下げないことも、非常に重要なポイントです。無理にコンテンツのボリュームを増やそうと低品質なページを作成してしまうことで、Googleからの評価が下がる要因になってしまうため注意しましょう。

低品質なページというのは、コンテンツ内容が類似している、重複しているページが多いというのがその一例です。ユーザーは、同じようなコンテンツを何度も見ることになってしまい、利便性が低下することにつながります。
このようなコンテンツは信頼性が失われてE-A-Tが上がらなくなってしまい、Googleに評価されづらいページになってしまいます。

Google検索品質評価ガイドラインを日本語訳で確認する方法

Google検索品質評価ガイドラインは英語版しか存在しないため、英語に精通していないと読んで理解することは難しいといえます。しかし、日本語訳で検索品質評価ガイドラインを公開しているサイトもいくつか存在します。

電通デジタル

Google検索品質評価ガイドラインの概要や、評価基準や評価範囲などより詳細な内容を日本語で公開しています。図が多く用いられ、初めてガイドラインを読むという方にも分かりやすく紹介されています。

儲け学

Google検索品質評価ガイドラインの日本語訳が掲載されています。翻訳されたガイドラインは、章ごとに分類分けされ独立したページになっており、ガイドラインのなかにピンポイントで知りたい情報があるという方にも便利なページになっています。

まとめ

Google検索品質評価ガイドラインは、検索順位に直接影響されるものではないものの、Google検索で上位に表示されるためのヒントを知ることができます。ガイドラインに沿って、E-A-Tを高める、UX(ユーザーの利便性)を高めるといった工夫を行うことが、ユーザーにとって支持されやすいコンテンツを作るうえで非常に大切です。