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新規ドメインはSEOで不利? スロースタートになる理由や運用方法を解説

ライティング

新規ドメインは、検索エンジンからの評価がゼロから始まるため、既存サイトより上位表示に時間がかかります。そのため、つい「Webサイトを立ち上げるなら、中古ドメインや既存ドメインを利用した方が有利」とシンプルに考えがちです。

しかし長期的な観点で見ると、一概に新規ドメインが不利とは言えません。むしろ、サイトの運営方針によっては有利な側面も多数あります。

この記事では、新規ドメインがスロースタートになる理由や適切な運用方法について解説します。SEOでも迷いや誤解が生じやすい部分です。不安のある方は確認のためにも、ぜひ記事をご参照ください。

新規ドメインがスロースタートになる理由

新規ドメインでWebサイトを立ち上げると、どれだけ高品質なコンテンツを作成しても、すぐには検索上位に表示されません。これは珍しいことではなく、新規ドメインが持つ構造的な特性によるものです。ここでは、新規ドメインがスロースタートになる理由を3つ解説します。

ドメインパワーがゼロから始まる

一つ目は、「信頼できる情報源」の指標となっているドメインパワーがゼロから始まることです。

ドメインパワーとは、検索エンジンから見た、ドメインの信頼性や権威性です。被リンクの数や質、運営期間などWeb上のサイト実績が総合的に評価されます。

新規ドメインには、当然そのような実績がありません。蓄積された評価がないため、既存の上位サイトと同質のコンテンツを作れたとしても、検索順位で遅れを取りやすい傾向があります。

被リンクによる外部評価がない

2つ目は、他サイトからの「推薦状」の役割を果たす被リンクがないことです。

被リンクとは、他のWebサイトから自分のサイトへ向けて張られたリンクのことです。検索エンジンは被リンクを第三者からの信任を得ている証拠と見なし、その数と品質をサイトの信頼性として評価します。

新規ドメインは、当然被リンクがありません。客観的な裏付けがないので、検索エンジンもコンテンツを慎重に評価します。結果、たとえ有益なコンテンツを公開しても正当な順位がつくまでに時間がかかってしまう傾向があります。

検索結果から除外されやすい仕組みがある

3つ目は、検索エンジンに「ドメインフィルター」や「サンドボックス」といった、新規ドメインを冷遇する仕組みが存在しているとされていることです。

ドメインフィルターとは、新規ドメインを対象に検索順位が上がらないよう制限(フィルター)をかけることです。
サンドボックスは、新規ドメインを砂場(隔離場所)に入れて信頼性をじっくり観察する期間を指します。

Google公式の用語ではありませんが、SEO業界では実態として「スパムサイトを除外するために、このような仕組みがある」という認識です。新規ドメインは、仕組み上からも検索順位が上昇しにくい状態からスタートする、と考えた方がいいでしょう。

新規ドメインを取得するメリット

新規ドメインでWebサイトを立ち上げると、最初期はコンテンツが正当に評価されず、スロースタートになってしまうのは間違いありません。

とはいえ、新規ドメインにもメリットはあります。それは、過去の負債がないクリーンな状態で、比較的低コストで自由度の高い運用ができることです。ここでは、中古ドメインとの比較を通じて、その長所を明らかにしていきます。

負債のないクリーンな状態からスタートできる

中古ドメインでは、被リンクや運用履歴が必ずしも資産としてプラスに評価されるとは限りません。前の所有者がスパム行為などの不正を行っていた場合、負債としてマイナスに評価されるケースもあります。

一方で、新規ドメインであれば確実に負債がないクリーンな状態から始められます。過去の運用履歴に左右されるリスクが一切ないため、これから積み上げる実績がそのまま評価へとつながります。

ブランド名とドメインを一致させられる

ブランドを扱うサイトでは、ユーザーが記憶しやすくするため、ブランドに準じたドメイン名をつけるのが一般的です。しかし、中古ドメインは前の所有者が使用していたドメイン名をそのまま引き継ぎます。名前を一致させることはほぼ不可能です。長期的なブランド構築において不利な側面があります。

一方で、新規ドメインは登録済みでなければ自由に名前を選択できます。ブランド名に合わせたドメインを選択できるため、長期的なブランド構築を有利に進められます。

過去テーマを気にせず運用できる

ドメインに蓄積されたSEO資産の価値は、サイトで扱っていたジャンル・テーマに付随する傾向があります。
たとえば、料理レシピのサイトで評価を蓄積していた中古ドメインを、金融をテーマにしたサイトで使ったとしましょう。この場合、これまでの評価と現コンテンツのギャップからSEO評価をほとんど継承できません。
中古ドメインを活用するには、過去テーマ・ジャンルに沿った運用が必須になります。

一方で、新規ドメインは過去の制約がないので、自由にサイトを構築できます。自分で運用方針を設定できるため、ドメインとコンテンツの専門性にズレが発生するようなことはありません。ミスマッチによる評価ロスを気にせず、柔軟にサイトを運用できます。

中古ドメインと比較して低コスト・低リスクで運用できる

中古ドメインは、蓄積されたSEO資産に価値があるため、購入費用が高額になるケースがあります。また、前述した通りペナルティの履歴や現テーマとのミスマッチの可能性があります。リスクを避けるには、専門家による購入前の精査が必須です。
また、運用ジャンルとの相性や当たり外れもあります。コストをかけて取得したにもかかわらず、期待した効果が得られないケースも少なくないでしょう。

一方で、新規ドメインは取得費用が安く、年間数百円から数千円程度で登録できます。過去の負債を引き継ぐリスクがないため、余計なコストや手間をかけずにサイト運営をスタートできます。

新規ドメインと相性がいいサイト

過去の負債を気にせず、自由かつ安価で運用できるのが新規ドメインの強みです。
このような強みはサイト開設でどのように活かされるのでしょうか? 代表例としては以下のようなサイトがあります。

  • コーポレートサイト(企業公式サイト)

社名とドメインを一致させることがWeb上で信頼を構築する基本になる。中古ドメインでは名前の一致がほぼ不可能なので、新規取得一択になる。

  • 独自ブランドサイト(商品特化型)

ブランド名をそのままドメインに使うことで認知度や信頼感が高まる。長期的なブランド構築に向いている。

  • SNS連動型のキャンペーンサイト

短期運用が前提なので過去の評価を必要としない。集客もSNSに依存するため、SEO評価の蓄積も必要としない。キャンペーン内容に合わせたドメイン名を付けられ、コストも安く済む新規ドメインが使われる。

  • 個人ブログ・趣味サイト(非商用・非SEO)

好きなドメイン名を低コストで自由に取得できる。

新規ドメインの強みは、大きく2つに分かれます。
一つは「ブランドの一貫性」です。
コーポレートサイトや独自ブランドサイトのように、社名・ブランド名とドメインを一致させることが信頼構築の基本となるケースでは、名前を自由に選べる新規ドメインが唯一の選択肢になります。

もう一つは「手軽さと自由度」です。
キャンペーンサイトや個人ブログのように、SEO評価の蓄積よりも低コストで目的に合ったドメインをすぐに用意することを優先するケースでは、安価で制約のない新規ドメインの強みがそのまま活きます。

新規ドメインの運用で心がけること 

新規ドメインでのSEO運用は、スロースタートを前提に、長期的な評価を着実に積み上げるのが基本です。小手先の対策よりも、コンテンツの品質や運用の継続性、クリーンな履歴の維持に取り組むことが重要になります。ここでは、新規ドメインの運用で心がけることについて解説します。

コンテンツは数ではなく品質を重視する

近年の評価アルゴリズムは量から質にシフトしています。低品質なコンテンツを大量に作って評価を蓄積しようとするやり方は通用しないどころか、スパム行為とみなされるリスクがあります。履歴に傷をつけないためにも、コンテンツは数ではなく品質を重視しましょう。

高品質の基準は「ユーザーの役に立つこと」です。具体的には、ユーザーが抱く疑問に対し、網羅的で正確な答えを提供できるコンテンツを作るのが基本になります。その上で、読みやすい文章構成や見出し設計、情報の裏付けとなる根拠の提示を意識します。ユーザーの利便性と信頼獲得を意識して仕上げることが大切です。

長期戦を前提に運用する

先述した通り、新規ドメインはスロースタートで、成果が目に見える形になるまで時間がかかります。結果を焦ってジャンルやテーマを途中変更してしまうと、順調に積み上がっていた評価を台無しにしてしまう可能性があります。最初から長期戦を前提とした運用を心がけましょう。

新規ドメインで作られたサイトが既存サイトと同じように順位がつくまでには、およそ6ヶ月から1年かかります。その間は検索順位の変動に一喜一憂せず、コンテンツの定期的な更新とサイト設計の改善を継続しましょう。方針がぶれないためにも、運用開始時にロードマップを作成し、月単位で目標を設定しておくのもおすすめです。

クリーンな履歴を保つ

新規ドメインの最大の強みは、負債のないクリーンな状態からスタートできることです。しかし、運用開始後にスパム的な施策や不正なSEO対策を行えば、その強みを自ら手放すことになります。クリーンな履歴を保つことは、新規ドメインで長期的な評価を積み上げるための前提条件です。

具体的には、低品質な被リンクの購入や過剰なキーワードの詰め込みといった、検索エンジンのガイドライン違反となる施策は避けます。また、定期的に被リンクの状況を確認し、不審なリンクが増えていないかチェックする習慣をつけましょう。クリーンな履歴はすぐに評価されるものではありませんが、長期的に見ればペナルティリスクのない安定した運用基盤となります。

新規ドメインで重要になるSEO対策

新規ドメインでSEOの成果を出すには、方針を正しく理解した上で、それに沿ったSEO対策を積み重ねることが重要です。ここでは、先ほど解説した「品質重視」「長期戦」「クリーンな履歴」の3つの方針を踏まえた上で、新規ドメインで特に意識すべきSEO対策を紹介します。

実績作りにロングテールキーワードの活用する

ロングテールキーワードとは、3語以上の単語を組み合わせた検索される回数(検索ボリューム)が少ない検索キーワードです。たとえば、「SEO 新規ドメイン 不利」などの組み合わせが該当します。

新規ドメインのSEO対策では、このロングテールキーワードでの上位表示を重ねていくことが、基本になります。上位表示が達成できれば自然な被リンク獲得にもつながり、ドメインパワーの底上げが期待できます。検索回数の多いビッグキーワードでの上位表示は、下地のない新規ドメインではまず望めません。最初はロングテールキーワードで実績を作り、徐々に競合の強いキーワードへ挑戦していくステップアップ型の戦略が、新規ドメイン運用のセオリーです。

高品質なコンテンツの継続的に発信する

ドメインを育てるには、ただ年数を重ねるだけではなく、運営を継続的に行っていたという実績が必要になります。また、ただ継続するだけではなく、発信するコンテンツの品質にもこだわる必要があります。楽に継続しようと低品質なコンテンツを乱発すると、検索エンジンから低品質と判断される恐れがあります。信頼構築のためにも、「継続」と「品質」を両立するのが新規ドメイン運用の基本になります。

高品質なコンテンツの作成と継続的な発信はSEO対策においても基本です。専門的で役に立つ情報が定期的に発信されれば、ユーザーのアクセスや滞在時間、回遊率も向上しやすくなります。これらの指標を検索エンジンがサイト評価の参考情報として受け取れば、クロール頻度が高まりやすくなり、インデックスも促進されやすくなります。長く継続すれば、いずれ専門性・権威性を評価されるようにもなり、検索エンジンから「専門家」として信用されるようになるでしょう。被リンクも集めやすくなり、ドメインパワーも向上する好循環を構築できます。

高品質な被リンクの取得する

被リンクはドメインパワーを底上げする上で不可欠な要素です。しかし、被リンクであればなんでもいい、というわけではありません。
近年ではスパム対策が強化されており、以前横行していた低品質なサイトから大量の被リンクを獲得するような手法は通用しなくなっています。数より品質が重視され、信頼性の高いサイトから情報源として自然に貼られる「ナチュラルリンク」でなければ評価されにくくなっています。
ドメインパワーを得るためにも、クリーンな経歴を保つためにも、高品質な被リンクを獲得する必要があります。

ナチュラルリンクは、検索エンジンからの評価を効率よく高める効果があります。取得できれば、検索順位が安定するまで数ヶ月の停滞期(サンドボックス)の短縮も期待できます。被リンクは他サイトからの人気投票です。自然にリンクを受けるためにも、ユーザーだけでなく、同業者にとっても役立つコンテンツを心がけましょう。

内部リンクを最適化する

検索エンジンは、クロールでのリソース消費を抑えるため、情報が整理されたサイトを優先的に巡回するようになっています。この「情報整理された状態」を作る手段の一つが、内部リンクの最適化です。このような導線設計は、外部評価に頼れない新規ドメインの初期段階において、最も取り組みやすいテクニカルSEOの一つです。

内部リンクを最適化する基本は、サイト内で関連性のあるページ同士を、自然な文脈でリンクさせることです。この施策により検索エンジンは、リンクでつながったページを、テーマで整理された情報の集合体(トピッククラスター)として理解しやすくなります。結果、クロールが効率化してインデックスが促進されます。検索表示されにくい新規ドメインでは、特に有効な施策といえるでしょう。

タイトルと見出しで記事内容を明確にする

ドメインパワーがゼロから始まる新規ドメインでは、信頼構築の土台を作るために、コンテンツ内容を正確に伝えることが重要になります。タイトルと見出しは、検索エンジンがページの内容を判断する上での手がかりです。ここから掲載内容を明確に提示できれば、クロールの段階からコンテンツの専門性と関連性を正しく理解させることができます。

基本は、キーワードを含めつつ複雑な表現を避けることです。初期段階では、ユーザーはまだ多くは訪れません。広告文で人を引き付けるより、検索エンジンにどのようなページであるか知ってもらうことの方が重要なため、直接的な表現を心がけます。
具体的には、タイトルは30文字前後でテーマとなるキーワードを自然に含め、見出しはH1からH2・H3と階層で整理します。階層で情報の粒度をそろえ、各見出しで何が書かれているかが一目でわかる表現を意識しましょう。

サーチコンソールで状況を確認する

新規ドメインの初期段階は不安定で、自サイトが検索エンジンに認知されているかすらも曖昧です。現状を把握して方針を立てるためにも、Googleサーチコンソールで検索エンジンからサイトが数値的にどのように評価されているか、頻繁に確認する必要があります。

サーチコンソールでは、インデックスの状況や検索パフォーマンスなどを確認できます。新規ドメインの初期段階では、まずコンテンツが正しくインデックスされているかを定期的に確認することが基本です。また、サーチコンソールでは、どのキーワードで表示されているかを把握することで、ロングテールキーワードの選定や既存コンテンツの改善にも活用できます。データに基づいた運用を習慣化することで、長期戦においても方針がぶれにくくなります。

まとめ

新規ドメインはスロースタートになるものの、負債のないクリーンな状態から自由に育てられる強みがあります。上位表示までに時間はかかるものの、その特性を理解した上で長期的な視点で運用すれば、決して不利な選択肢ではありません。

ドメイン選びは、サイト運営の方向性を左右する大きな要素の一つです。強みを把握し、運用目的に合ったドメインを適切に選択できるようにしましょう。