COLUMNコラム
【情報鮮度】フレッシュネスアルゴリズムとは? 概要やSEOで優先すべきケースを解説
フレッシュネスアルゴリズムとは、情報の鮮度を評価する検索エンジンの仕組みです。
たとえば、衆議院総選挙は過去に何度も行われていますが「衆議院総選挙 結果」で検索表示されるのは、常に直近の選挙結果です。このように最新情報がニーズと直結するコンテンツでは、フレッシュネスアルゴリズムは検索順位に強い影響力を発揮します。
一方で、どのようなコンテンツでも情報鮮度が重要になるわけではありません。中には料理レシピなど最新情報を必要としないジャンルもあります。フレッシュネスアルゴリズムを活用するには、必要になるジャンルや対策を把握しておくことが大切です。
そこで、この記事では、フレッシュネスアルゴリズムの概要とSEOで優先すべきケースについて解説します。速報性や定期更新が必要なコンテンツを管理しているSEO担当者にとって、フレッシュネスアルゴリズムは検索順位を向上させるために把握しておきたい仕組みです。ご存じでない方は、ぜひ記事をご参照ください。
情報鮮度を評価する仕組み

フレッシュネスアルゴリズムは、最新情報や鮮度の高いコンテンツを評価し、上位表示させる仕組みです。ただし、評価は一律ではなく、検索クエリごとに最新情報の必要性を分析し、高いと判断したコンテンツを優先的に評価します。
たとえば、社会的に注目度が高い最新トピックを扱う政治ニュースや、定期的に開催されるスポーツ大会の告知などです。
このような分野は、最新情報のニーズが高く、情報鮮度が特に評価される分野といえます。一方で、料理レシピや古典文化、歴史など、基本情報が長期間変わらない分野では、鮮度はそれほど重要視されない傾向があります。古くなっても情報価値が変わらず、信頼性や網羅性などの他要素の方が評価されることが多いため、最新情報が必ずしも上位表示の要因にはなりません。
フレッシュネスアルゴリズムは、ユーザーのニーズを予測しつつ、コンテンツの情報鮮度の評価をする仕組みといえます。
QDFアルゴリズムとの違い

このフレッシュネスアルゴリズムと同様に、情報鮮度を評価する仕組みがQDFアルゴリズムです。
QDFアルゴリズムは短期間で検索回数が急増するなど時事性が高いトピックに適用されるように設計されています。たとえば、芸能人の結婚や、有名監督の新作映画の発表などの一過性の話題が分かりやすいでしょう。このような話題は、最初こそ高い注目を集めますが、時間の経過とともにニーズが薄れていきます。
QDFアルゴリズムはいわゆる「ホットな話題」の検索順位を一時的に上げるための仕組みです。話題が沈静化すると、検索需要の減少に伴い、順位の優遇も弱まります。
一方で、フレッシュネスアルゴリズムは、常に最新情報が求められる分野に適用されます。たとえば、変化し続ける金融市場の動向、定期的に更新されるスポーツ大会といった話題です。このような話題はユーザーが常に最新の情報を求めるため、更新頻度の高いコンテンツが検索結果で優遇される傾向にあります。
フレッシュアルゴリズムはいわゆる「最新情報が求められる話題において常に最新情報を提供できるサイト」を評価する仕組みです。長期的な恩恵が見込めますが、そのためには取り扱うジャンルで継続的に価値ある情報を提供し続ける必要があります。
QDFアルゴリズムとフレッシュアルゴリズムはどちらも情報鮮度を評価する仕組みです。しかし、施策対象や恩恵を得る条件はそれぞれ異なります。混同しないように注意しましょう。
フレッシュネスの評価要素

フレッシュネスアルゴリズムがQDFアルゴリズムとは異なり、長期的な戦略が必要な仕組みだと分かりました。
Google検索エンジンはどのような要素からフレッシュネスを評価しているのでしょうか?ここでは、フレッシュネスの評価要素を解説します。
HTMLの変化量
HTMLとは「ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ(Hyper Text Markup Language)」の略で、Webページを制作・更新するためのマークアップ言語です。Webページを新しく制作したり、既存ページの文章やデザインを変更したりする際は必ず使用されるので、HTMLの変化量は情報鮮度を示す要素になります。
検索エンジンはクロール時に前回取得したHTMLと比較して、どの程度の変更があったかを分析します。大きな変更があった場合、ページの更新頻度が高いと判断され、フレッシュなコンテンツとして扱われやすくなります。
一方で、単なるデザイン変更や広告追加などの微調整ではフレッシュネスの評価に影響しない可能性があります。不要な変更は無駄になる可能性が高いので意味のある変更を行うように心がけましょう。
キャッシュの更新頻度
キャッシュとは、Googleの検索エンジンがWebページの情報を一時的に保存しておく仕組みです。Webページの内容を更新して、それをクローラーが感知するとキャッシュも更新されます。そのため、キャッシュの更新頻度は情報鮮度を示す要素になります。
検索エンジンはキャッシュの更新頻度を元に、そのページがどのくらいの頻度で新しい情報を提供しているか判断しています。頻繁にキャッシュ更新がされるページは、常に最新情報が発信されていると認識されやすくなるため、フレッシュネスアルゴリズムに評価される可能性が高くなります。
ただし、クローラーが訪問するタイミングや頻度は検索エンジン次第です。訪問頻度は、サイトの人気度やコンテンツの品質が高いほど増加する傾向があります。ページを無意味に更新するのではなく、質の高い情報を追加することを意識しましょう。
被リンクの新しさ
扱うジャンルに関連したサイトから新しい被リンクを獲得することも、ページの鮮度や話題性を示す要素の一つです。最新情報やトレンドに関連するコンテンツは、他のWebサイトやメディアから参照されやすく、自然な被リンクを獲得しやすくなる傾向があります。そのため、新しい被リンクの獲得は、Webサイトの情報鮮度を評価する要素として、フレッシュネスアルゴリズムに良い影響を与えます。
検索エンジンは、被リンクの増加スピードやリンク元の質を分析し、ページの新しさや話題性を評価します。高品質で新しいリンクを多く獲得したページは、最新情報として検索結果で優遇される可能性があります。
ただし、被リンクの品質や獲得方法には注意が必要です。現在のアルゴリズムでは、被リンクの「関連性」「質」、そして「自然なリンク(ナチュラルリンク)」であることが重要視されます。要件を満たさないリンクは、新規でも評価されにくく、場合によっては逆効果になることもあります。正攻法ですが、定期的に高品質なコンテンツを発信し、自然な形で被リンクを獲得するのが最も無難なやり方です。不自然なリンク獲得(リンク購入や相互リンクの乱用)はやめましょう。
ソーシャルシェア数
ソーシャルシェア数とは、SNS上で、特定のコンテンツ(記事、画像、動画など)がユーザーによって共有された回数です。このシェア数は、コンテンツの新しさや話題性や指標になります。特に短期間での急激なシェアの増加は、話題性があることの証拠になります。
Googleは、検索エンジンがSNSのシェア数自体を直接的なランキング要因として使用しているとは明言していません。しかし、シェアが増えることで被リンクや流入数が増加しやすくなるのは確かです。間接的にフレッシュネスの評価に影響を与えていることは、SEO業界ではほぼ確実視されています。
シェア数を増やすには、SNSでの拡散を意識したコンテンツ作りや戦略が必要になります。たとえば、SNSユーザーを意識したタイムリーな情報提供や、インフルエンサーとの連携などさまざまな工夫をすることになります。他の評価要素に比べ、施策が大掛かりになりやすい点にはご注意ください。
具体的なフレッシュネス対策

フレッシュネスはコンテンツの更新だけでなく、情報の拡散力も評価要素に含まれると分かりました。実際、フレッシュネス対策ではコンテンツのリライトやSNSでの情報拡散が主軸になります。ここでは具体的に何をするかを解説します。
コンテンツのリライト
コンテンツのリライトでは、既存の文章を見直し簡潔にしたり、情報を最新の内容に差し替えたりします。
文章は一度で完璧に仕上がることはまずありません。少し時間が経ってから見直すと、読みにくい文章や無駄な文章、構成の不備がわかるようになります。このような部分を改善することで、コンテンツの品質を上げることができます。
また、時間が経つにつれて有益性が損なわれる情報も少なくありません。このような情報を最新の内容に差し替えることで、コンテンツ価値を保つことができます。
検索エンジンはコンテンツの品質と情報鮮度を向上させるリライトを高く評価します。ページ作成後、定期的に有益なアップデートを繰り返すことが基本的なフレッシュネス対策です。
SNS等での情報拡散
SNS等での情報拡散は、新規被リンクの獲得につながり、Googleから「情報鮮度の高いコンテンツ」として評価されやすくなります。
たとえば、「◯月最新版」「速報◯◯」など、タイムリーで検索されやすいワードを使ってSNSに投稿することで、ブロガーやメディアから引用・紹介を受けやすくなります。これにより、新規被リンクが増えれば、検索エンジンからユーザーの関心度が高い新情報として評価されるようになります。
このように、SNS等での情報拡散も、基本的なフレッシュネス対策のひとつです。
フレッシュネスが重要になるジャンルの特徴
フレッシュネス対策で何をするかが分かりました。では、フレッシュネスはどのようなジャンルで重要になるのでしょうか? ここでは、対象となるジャンルの特徴について解説します。

ニュース性が必要とされる
ニュース性が必要とされるコンテンツでは最新の内容が求められるため、フレッシュネスアルゴリズムの影響を強く受けます。ニュースの世界では、情報の鮮度が価値を大きく左右します。よって、正確な最新情報を競合サイトに先駆けて発信することが、検索上位を獲得するカギになります。
具体的なトピックとしては、政治や経済の動向、スポーツの試合結果などが挙げられます。このような情報は、情報の鮮度がユーザー満足度に直結するため、古い情報ではニーズを満たせません。検索エンジンも時間経過によって価値が下がる情報と判断し、最新の情報を優先的に表示します。
ニュース性が特に重要とされるジャンルとしては、エンタメ・芸能・スポーツ関連のニュースサイトや、金融・株式・仮想通貨を扱う投資情報サイトなどがあります。
定期的な情報更新が必要とされる
定期的な情報更新が必要とされるコンテンツは、常に最新の情報を提供し続けることが求められるため、フレッシュネスアルゴリズムを強く受けます。情報鮮度が信頼性に直結するため、適切なタイミングで継続的に更新を行うことが重要です。
具体的なトピックとしては、定期的・周期的に開催されるイベントや季節行事、株式市場の動向、法改正などが挙げられます。このような情報は古いままだと、ユーザーの期待や利益を損なう恐れがあります。検索エンジンも頻繁に更新されるべき情報であると判断し、最新情報を優遇します。
定期的な情報更新が特に重要とされるジャンルとしては、旅行・観光の特集サイト、金融・投資の情報サイト、税制・法律の解説サイトなどがあります。
YMYL領域に属している
YMYLとは「Your Money or Your Life」の略です。お金や生活に重大な影響を及ぼす情報領域で、一般情報よりも正確性・信頼性などを検索エンジンに厳しく評価されます。
情報における正確性・信頼性は時間経過と共に損なわれていきます。たとえば、YMYL領域に属している医療情報は、新しい治療法や薬の承認状況、技術発展によって正確性・信頼性が変化します。情報として評価されるには、正確性・信頼性を裏付ける最新性、つまり情報鮮度の高さが必要です。このように、YMYL領域に属しているコンテンツは、最新性を評価するフレッシュネスアルゴリズムの影響を強く受けます。
具体的なトピックとしては、投資に関するアドバイス、医療薬品の解説、病気の治療法などが挙げられます。このような情報に誤りが含まれていると、ユーザーの人生に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。リスクを未然に防止するため、検索エンジンはYMYL領域に対し、フレッシュネスアルゴリズムを含む厳しい評価基準を設けています。
YMYL領域に属しているジャンルとしては、医療・健康情報サイト、金融・投資メディア、法律相談サイトなどがあります。
フレッシュネス優先対象の見極め方

フレッシュネスの影響力は広範囲のジャンルに及ぶといえます。しかし、情報鮮度を保つには継続的なコストが必要です。いくらフレッシュネスを重視するジャンルでも、すべてのコンテンツに対策を施すのは現実的ではありません。フレッシュネス対策をすべきか判断するためにも、次の2つを自らに問いかけましょう。
- 最新情報が必要なテーマか?
- コスト面から考えて更新優先度は高いか?
ここでは、フレッシュネスを優先すべきコンテンツの見極め方を解説します。
最新情報が必要なテーマか?
フレッシュネス対策が必要か判断するには、ユーザーの検索意図やトレンドを分析して、最新情報の必要性を見極めることが大切です。
ネットで見極める方法としては、サジェストの活用があります。Googleの検索窓にテーマとなるキーワードを入力し、「速報」「最新」「アップデート」「新機能」「リリース」など、新しさを示す語句や、「2025年版」「〇月最新」などの特定の期間を示す語句がサジェストに表示されるかを確認する方法です。これらが含まれていれば、最新情報のニーズが高いと判断できます。
また、SNS上で急増しているハッシュタグや、ニュースメディアが頻繁に取り上げるテーマなども、最新情報の必要性の高さを測る判断材料になります。SNSやニュースで話題になっているテーマは、今まさに多くの人が関心を寄せている情報だからです。
サジェストやSNSを活用して、コンテンツのテーマにフレッシュネスが求められているか分析しましょう
収益性やコストから考えて更新優先度は高いか?
フレッシュネスが求められるテーマでも、すべて同じ頻度で更新し続けるのは、リソースやコストの観点から効率的ではありません。恩恵を最大化するためにも、更新優先度を決めておきましょう。
更新優先度は「収益への貢献度」「ユーザー需要」「情報の変化頻度」という三つの軸を元に優先度を整理すると効果的です。
たとえば、商品情報やキャンペーン内容を掲載するコンテンツなどは、直接的に売り上げに結びつくことが多いです。「収益への貢献度」が高いので、優先して更新すべきでしょう。
SNSやニュースで話題になっているテーマは、最新情報へのニーズが高まっていると考えられます。「ユーザー需要」が高くなっているので、一時的に更新頻度アップを検討すべきです。
金利や為替レートのように、頻繁に更新しないとフレッシュネスを保てないジャンルもあります。需要や利益があっても、「情報の変化頻度」を考えると、コストと見合わないコンテンツもあるでしょう。
複数のコンテンツを管理する際は、フレッシュネス維持のコストを見積もることが大切です。基準を設けて、フレッシュネスを優先すべきか見極めましょう。
フレッシュネスを活用する際の注意点

フレッシュネス対策は有効な一方で、誤解されやすい部分も少なくありません。的外れな対策をしてしまうと、コストの無駄遣いになったり、逆効果になったりしてしまいます。そこで、最後にフレッシュネスを活用する際の注意点を解説します。コンテンツの更新内容や品質維持、対象外に気を付けましょう。
小規模な更新では効果が薄い
フレッシュネスアルゴリズムの評価の主軸は、ユーザーにとって有益な最新情報を提供することです。条件を満たせない小規模な更新では、ほとんど評価は見込めません。
たとえば、記事の内容をほとんど変えずに、公開日や最終更新日だけを新しい日付に更新したり、リライトしたりしても無駄になってしまう可能性が高いです。
更新は「有益な最新情報の提供」を前提にして行いましょう。
更新してもコンテンツの質を維持する
検索エンジンは高品質なコンテンツを評価します。更新してもコンテンツの質を維持しましょう。
フレッシュネスはあくまで検索エンジンの評価の一要素です。フレッシュネスを満たそうとするあまり、コンテンツ全体の品質を落としてしまっては本末転倒です。
たとえば、最新情報を提供できていても記事の内容が薄かったり、文章が読みにくかったりすれば、情報鮮度が高くても検索エンジンの評価は得られません。
検索エンジンが何よりも重視するのは、ユーザーの役に立つ高品質なコンテンツであることを忘れないようにしましょう。
フレッシュネスが影響しないコンテンツもある
すべてのジャンルに情報鮮度が必要になるわけではありません。フレッシュネスが影響しないコンテンツもあります。
フレッシュネスアルゴリズムが適用されるのは、ユーザーに最新情報が求められるテーマやジャンルのみです。そのため、コンテンツによっては評価が情報鮮度の影響を受けないものもあります。
たとえば、料理のレシピやよくある質問、基礎知識ガイドなどは、時代や季節を問わず長期間にわたって情報価値が継続します。このようなコンテンツに、フレッシュネスの概念は必要ありません。
対策する前に、フレッシュネスが必要か見極めましょう。
まとめ
フレッシュネスアルゴリズムは、最新情報がニーズと直結するコンテンツで強い影響力を発揮します。その一方で、対策にはコストがかかり、最新情報を必要としないコンテンツも少なくありません。
活用するには評価の仕組みや、情報鮮度を重視するジャンルについて把握しておくことが大切です。その上で、コンテンツが「本当に最新情報を必要としているか?」「対策する価値があるのか?」と自問する必要があります。概要や優先すべきケースを学習して、フレッシュネスアルゴリズムをSEOに役立てましょう。