COLUMNコラム
SimilarWebの使い方を解説!無料版・有料版の違いと機能の見方
この記事では「SimilarWeb」というWEBサイト解析ツールの使い方を解説します。
SimilarWebは、WEBサイトのトラフィック情報や、ユーザーの情報、競合他社の情報など、様々な情報を取得できるツールです。
本記事では、SimilarWebの概要からそのメリット、使い方などについて詳しく解説していきます。
SimilarWebとは?無料版と有料版の違い
ここでは、SimilarWebの概要、無料版と有料版の違いについて紹介します。
SimilarWebとは
SimilarWebは、イスラエルの企業が開発したWEBサイト分析ツールです。
競合分析はもちろん、ジャンル毎のアクセスランキングやトラフィックの分析、SEO施策の策定など多岐にわたる機能を有しています。
無料版と有料版の違い
SimilarWebの無料版と有料版の違いは、下表のようになります。
無料版 | 有料版 | |
料金 | 無料 | 応相談(208$~) |
同時ログイン可能ユーザー数 | 1 | 複数(要問い合わせ) |
データ期間 | 1ヶ月前後 | 最大36ヶ月 |
キーワード分析 | 上位10件 | 上位1,000件〜 |
広告クリエイティブ分析 | 1枚表示 | 100枚~表示 |
類似サイト分析 | できない | できる |
サイト比較機能 | できない | できる |
業界分析 | できない | できる |
サブドメイン分析 | できない | できる |
人気ページ分析 | できない | できる |
期間セグメント機能 | できない | できる |
国別セグメント機能 | できない | できる |
アプリ分析 | できない | できる |
データエクスポート機能 | できない | できる |
有料版では最大37ヶ月前のデータまで確認できる
有料版では最大37ヶ月前のデータまで確認できます。
多様なサイトの3年間以上のデータが蓄積されており、過去のあらゆる期間のトラフィックの変化などのデータを自由に指定、参照ができます。
また、SimilarWebは競合他社のトラフィックデータやマーケティングのデータを提供するため、競合他社の環境を理解する上でも役立ちます。有料版と比べると短いですが、無料版でも3ヶ月前までのデータを確認できるため、過去のSEO施策との比較が可能です。
SimilarWebのデータ獲得方法
SimilarWebのデータは、世界中のクローリングや数百万台のデバイスにインストールされているSimilarWebアプリで収集したデータを解析しています。
複数のデータソースから収集したデータを統合することで、信頼性の高い高精度なデータを提供することが可能になっているのです。
SimilarWebを使うメリット
SimilarWebを使用することで、以下のようなメリットがあります。
- 競合を分析できる
SimilarWebは競合サイトが一覧表示されるため、自社の競合サイトとの優位性やマーケティング戦略の改善点を見つけることができます。 - SEO対策ができる
サイトのトラフィックや訪問者の属性などを調べることができます。そのため、よりユーザーニーズに沿ったコンテンツ作成に役立つでしょう。キーワードのアクセス数も分かるため、キーワード選定の際にも有効です。 - ターゲットに訴求する広告作成ができる
自社が出稿している広告の表示回数やCTRなどのデータを調べることができます。
ターゲットの属性や他に閲覧しているサイトなどの情報が取得できるため、クリティカルな広告作成に役立つでしょう。 - アクセス数が変化したときの分析がしやすくなる
顕著なアクセス数の増減があったとき、その原因を特定するのは簡単ではありません。
アクセス数が変化したときに、ユーザーの行動や検索順位、アクセス元を分析することで、変化の原因を分析しやすくなります。
SimilarWebの使い方
SimilarWebの具体的な使い方について解説していきます。以下は手順です。
- SimilarWebのWEBサイトにアクセスする。
- ログイン画面で登録したアカウントのIDとパスワードでログインする。
- 検索バーに調べたいWEBサイトのURLを入力する。
- 分析画面が表示される。ここで、データの活用ができるようになる。
- さらに詳細な情報が必要な場合は、各カテゴリーのタブをクリックする。
具体的な機能については後述します。
無料版で使えるSimilarWebの機能
ここでは、無料版のSimilarWebの機能について紹介します。
SimilarWebにはさまざまな機能がある
SimilarWebでは、競合サイトの流入数や市場状況、流入経路など多様な情報を取得できます。
これらの情報はSEO対策だけでなく、WEB集客などのマーケティング活動に役立つでしょう。また、競合サイトだけでなくアクセスが多い人気サイトの調査にも応用可能です。
人気サイトや流入の多いキーワードは、多くの人の興味や関心を惹きつけるものです。トレンドとなっているキーワードを基にサイトを改修すれば、費用対効果が見込めないなどのリスクを抑えることができるでしょう。
Traffic Overview(アクセス概要の把握)
Traffic Overviewでは、サイトのおおよそのアクセス数が分かります。
アクセス数の増加に伴う被リンク機会の獲得やサイテーションの計測にも有効です。
被リンク数は多くのツールで分かりますが、サイテーションは計測が困難なため、アクセス数は貴重なデータになります。
しかし、SimilarWebで取得できるアクセス数は大まかな値であり、実際の値とかなりずれていたケースもあります。アクセス数は目安程度に考えましょう。
Geography(アクセス元の地域を確認)
Geographyでは、アクセス元の国別割合を確認することができます。
海外の客をターゲットとしたインバウンドマーケティングを行う多言語対応サイトの場合、貴重なデータ取得源となるでしょう。
多言語化サイトのGeographyを確認することで、アクセスが集まりやすいコンテンツの傾向を知ることができます。
また、類似サイトの立ち上げやコンテンツの改善を行う際にも有効です。
Referring Sites(訪問元と訪問先のサイト)
商品を売るサイトではブランドサイトからECサイトへ導線をつなぎ、収益化を行うケースも増えています。
Referring Sitesでは訪問元のサイトと流出したサイトをドメイン別に参照することが可能です。競合サイトの導線を参考にすることで、自社サイトに活用することができます。流入キーワードを調べることで、SEO対策にも役立てられるでしょう。
Search Traffic(検索からのトラフィック)
商品の購入などCVが必要なビジネスモデルの場合、流入キーワードのCV率も重要になります。
Search Trafficでは、キーワードの流入数を確認可能です。競合が対策しているキーワードについても調べることができます。
サイト名やブランド名の指名検索のボリュームを確認することで、競合他社のブランド力や知名度、自社の立ち位置などを把握することができるでしょう。今後のマーケティング方針の決定にも役立ちます。
新しいアクセスキーワードやCVキーワードが分かれば、新しいコンテンツを作成する手がかりを得ることが可能です。
必要であれば、WEBページの構成も改修しましょう。
Social(SNSからのトラフィック)
SocialではTwitterやFacebookなどのSNSからのトラフィック量が分かります。
SNSのリンクがサイト評価につながることはありませんが、SNSでコンテンツが拡散されることで、認知を拡大させることができるでしょう。
SNSからのアクセスが多いサイトは、記事のタイトル付近や記事の終わりにSNSのシェアボタンを配置することをおすすめします。
Similar Sites(競合サイトの抽出)
SimilarSitesは、あるサイトと関連性が高いと思われるサイトのリストを表示する機能です。
SimilarSitesを利用すると、入力したWEBサイトの競合サイトを見つけることができます。競合サイトを確認することで、アイデア出しやマーケティング戦略の構築に役立つでしょう。
Similar Sitesでは、特定の業界やカテゴリに特化した類似サイトのリストも表示できます。
Display Advertising(広告からのトラフィック)
Display Advertisingでは、競合サイトがアクセスを集めている広告メディアを確認できます。
広告メディアはサイトごとに異なるため、ターゲット層を知る参考データになるでしょう。コンテンツや広告制作の際に役立てることができます。
Audience Interests(訪問ユーザーの属性)
Audience Interestsの機能では、WEBサイトやアプリのユーザー層に基づいて、興味や好み、行動パターンなどの情報を提供します。
具体的には健康やスポーツ、音楽、旅行などの興味関心、ユーザーが関心を持っているブランドなどです。これらを知ることで解像度の高いペルソナ設定をすることができます。そのため、CV率の向上にもつながるでしょう。
Mobile Apps(競合アプリの分析)
Mobile Appsはモバイルアプリケーションのトラフィックとパフォーマンスを分析するためのツールです。OSとAndroidの両方に対応しており、世界中で数百万のアプリデータを収集しています。
アプリのランキングやトラフィック、使用率からアンインストール数などの情報も確認可能です。
アプリ開発を検討している方にとっては、重要な情報やデータを得ることができるでしょう。
有料版で追加されるSimilarWebの機能
ここでは、有料版で追加されるSimilarWebの機能について紹介します。
Keyword Generator
Keyword Generatorという機能は、特定のキーワードに関連する検索用語のリストを作成するものです。
自社のWEBサイトや競合サイトのURL、またはキーワードを入力すると、関連キーワードと検索ボリュームの情報を取得することができます。
このようなキーワード調査をすることで、キーワード戦略を改善することができるでしょう。
例えば、競合が使用していないキーワードでコンテンツ作成をすれば、上位表示を獲得できるかもしれません。
Organic Pages
Organic PagesはWEBサイトがどのようなキーワードで検索にヒットしているかを調べることができます。
各キーワードに関連する検索結果のページランクや、アクセスまでに必要な平均クリック数などのデータも確認可能です。競合他社のサイトも調査することができるため、キーワード選定や戦略の改善や見直しに有効となります。
Organic Competitors
Organic Competitorsは、競合サイトを分析できる機能です。同じキーワードで競合している他のWEBサイトを特定することができます。
さらに、競合のトラフィックや検索エンジンからのトラフィック割合、上位表示されているキーワードの情報も確認可能です。
競合サイトとの差分を明らかにすることができるため、戦略策定などの参考になるでしょう。
OverView
OverViewでは、有料検索のトップキーワードや有料検索経由のアクセス数などを確認することができます。
サイトの被リンク数や検索順位、SNSの人気度からマルウェアの存在、ウェブサイトの暗号化レベルなども調べてくれます。
サイトの概要を知りたいときに有効です。
Display Ads
Display Adsは、特定のWEBサイトに表示される広告に関する情報を確認できる機能です。
出している広告の種類やクリック数、CTR、CVRなどが分かります。広告のトレンド分析も可能です。
広告業界のトレンドや広告の傾向、競合他社との比較分析をする際に役立つ機能になります。
SimilarWebには無料で利用できる拡張機能もある
SimilarWebにはWEBブラウザ用の拡張機能があり、無料で使用できます。
拡張機能は、以下からインストールしましょう。
https://chrome.google.com/webstore/detail/similarweb-traffic-rank-w/hoklmmgfnpapgjgcpechhaamimifchmp
インストール終了後、解析するページを開いた状態で右上の拡張機能にSimilarWebが追加されているはずです。
クリックすると、WEBページの概要を確認できます。拡張機能を使えば、SimilarWebのツールを起動する手間が省けるのでおすすめです。
詳細情報を知りたい場合はツールの方が便利ですが、概要を知りたい場合は拡張機能で十分となります。
SimilarWebを使う際の注意点
SimilarWebは個人情報などのプライバシーに多くの問題を抱えているため、使用には注意が必要です。
また、SimilarWebのデータは100%の精度ではりません。あくまでも参考地としての数値になります。SimilarWebの情報を鵜呑みにしないようにしましょう。
アクセス数の少ないサイトはデータ不足となり参考とならない場合もあります。その場合は、まずPV数の獲得を第一にした方がよいかもしれません。
まとめ
この記事ではSimilarWebの概要の紹介と使うメリット、有料版と無料版の違い、機能の見方などについて解説してきました。
SimilarWebはSEO戦略において強力なツールですが、データには誤差があるため注意して使いましょう。