COLUMNコラム
書くだけWebライターに需要なし!AI・副業解禁時代を生きるコツとは?
副業解禁の流れもあり、Webライターが数の上ではすでに飽和状態にあると言われます。そこに、ChatGPTに代表される生成AIツールの急速な普及です。今後Webライターの需要はなくなるのでしょうか。
Webライターの仕事がなくなることはありません。ただし、今まで通りというわけにはいかないでしょう。
では、WebライターがAI・副業解禁時代を生きるコツとは何かについて一緒にみていきましょう。
「Webライターの需要はもうないのでは?」悲観的予測の背景
Webライター需要に対する悲観的な見方が、昨今とくに拡がっています。変化の激しいWeb業界で近時しばしば指摘されるようになった、さまざまな現象やそこから生じるリスクを背景とするものです。
以下、「Webライター需要悲観論」の背景を6つの視点から解説します。
Webライターの数がすでに飽和状態に達している
近年、Webライターにチャレンジする人が増加傾向です。背景には、コロナ禍でのテレワークの浸透や副業解禁があると言われます。パソコン1つで始められる参入障壁の低さも、増加の一因として挙げられるでしょう。
Webライターは、元々フリーランスとしても人気の職種です。新規参入が増えれば、人数的に飽和状態になります。実際にクラウドソーシングサービスでも、案件獲得競争が熾烈化しているようで。
副業解禁が今や社会の潮流になりつつあります。そのため、Webライターの数は今後も伸びていくでしょう。
単価が安い案件の「奪い合い」が起きている
Webライターの報酬体系は、1文字や1記事あたりなどの単価制が一般的です。単価はライターのスキルや案件の難易度に比例します。文字単価制であれば、初心者向け案件が1円未満、中級者向け案件で1~3円が相場です。
クラウドソーシングサービスでライティングの仕事を探すと、単価が安い案件ばかりが見つかります。たとえば、5,000文字の案件を文字単価0.2円で引き受けても1,000円にしかなりません。
文字単価2~3円の案件も多く募集されていますが、新規参入者が受注するのは力量的に難しいでしょう。そのため、必然的に単価が安い案件の「奪い合い」になります。初心者のうちはなかなか稼げないため、Webライターの将来性を想定しづらいのが実情です。
動画コンテンツへのニーズが拡大傾向にある
YouTubeをはじめとする動画の視聴が日常化しています。動画は、視覚的・聴覚的に情報を強く訴求できるコンテンツです。情報量が多くても迅速かつ説得的に伝えられ、文字や図表では伝わりづらい複雑な情報も分かりやすく表現できます。
旅行や食べ物、美容関係のコンテンツが良い例です。一般に動画にした方が、文字よりも的確に情報を伝えられます。医療やライフハックなどの「解説系」動画コンテンツでも同様です。理解のしやすさ、記憶の残りやすさが、文字のみの場合とは比較になりません。
日本でのYouTubeの利用者数は、2022年10月時点で7,000万人を超えています。Google検索から動画を視聴するユーザーも増えており、今後もこの傾向は続くでしょう。文字コンテンツ需要が減れば、その分Webライターの活躍の場が狭められても不思議ではありません。
台頭するAIに仕事を奪われる恐れがある
AI技術が日々進化しています。Webライティング業務も例外ではありません。
ChatGPTに代表される「AIライティングツール」が既に活躍中です。質問内容を入力するだけで瞬時に文章で答えを返してくれる、そんな凄さを既に体験済みの方も少なくはないでしょう。
AIツールが生成するコンテンツの品質は、現時点では熟練Webライターに遠く及ばないかもしれません。しかし、AIは開発が進んでいます。今後は確実に、よりニーズに適った文章を書けるようになっていくことでしょう。
記事の執筆だけではありません。将来的には、キーワード選定や構成立て、校正・校閲までをAIツールが包括的に担うであろうと言われます。スキルのないライターはもちろん、ライティング業務の大半がAIに取って代わられる可能性もあるのです。。
「Google離れ」が加速~SNS検索が主流化しつつある
若者を中心に「Google離れ」が加速していると言われます。情報に「リアルさ」が求められる時代です。インターネット検索で遭遇する冗長かつ新鮮さを欠いた情報に、多くのユーザーが飽き足らなくなっているのかもしれません。
SNSであれば、発信者の実体験に根差す、善悪・採算度外視の感想やおすすめ度を知ることができます。思いのまま発せられる情報には、アフィリエイト記事のような広告臭もありません。短文による投稿が多く、手軽に情報を仕入れられる点も受けているのでしょう。
こうしたSNS隆盛の煽りをまともに食う職種の代表格が、Webライターです。インターネット検索は、リアルさのほか、即時性や拡散性でもSNSに太刀打ちできません。今後検索エンジン経由での情報発信の最適化が、より困難になっていく可能性があります。
SEOの難易度が年々上がり続けている
情報発信の最適化が難しくなるファクターは、「Google離れ」だけではありません。他ならぬGoogle自身が、ユーザーファーストをWebサイトの評価基準に掲げています。SEOの難易度が年々上がり、真に良質な記事でないと上位表示が叶わなくなっているのです。
良質な記事にするためには、深い洞察力に基づく知見や独自の体験談を、内容に反映させる必要があります。一定以上の文章表現力も欠かせません。単に文法的に誤りのない文章で正しい情報を伝えるだけでは、目の肥えた昨今の読者の心には刺さらないでしょう。
もちろん、記事の質向上を図るだけがSEOではありません。良質な被リンクを獲得し、ドメインパワーを高めることも重要です。記事を発注するクライアント側も、ライターの質を厳しく見極める傾向にあります。
「いやWebライターの需要はまだある!」将来性が見込める根拠
ここまでみてきたように、Webライターの将来は本当に暗いのでしょうか。
答えはノーです。Webライターの需要はまだまだ続きます。
以下、今後もWebライター需要が見込める根拠を6つご紹介します。
優秀なWebライターが実はそんなに多くない
Webライターの数が増えているのは事実です。しかし、比例して優秀なライターも増えているかといえば、そんなことはありません。新規参入しやすいものの、ライターの仕事は地味な作業の連続です。スキルを身につける前に挫折し去っていく者が後を絶ちません。
多くのクライアントが、安心して仕事を任せられるWebライター探しに日々奔走しています。スキルを持つライターは、これまで通り希少価値が高いです。専門性や難易度が高い案件に限ってみれば、売り手市場傾向に変わりはありません。
1度クライアントからの信頼を得られれば、高単価案件を継続的に受注できる可能性が高まります。スキルを磨きながら経験を積むことで、Webライターとして、キャリアアップできるでしょう。ますます競合が減り、稼げるチャンスが広がります。
文字コンテンツに対する需要は今後も続く
昨今は、動画コンテンツ需要が拡大傾向にあります。しかし、これをもって文字コンテンツの「オワコン化」を予測するのは、いささか早計に過ぎるでしょう。
文字は何千年も前から、コミュニケーション手段の1つとしてずっと使われてきました。人類が築き上げてきた識字文化の基盤を成す、かけがえのない道具です。動画が流行ったくらいで、文字コンテンツ需要がなくなるとはとても考えられません。
実用面でみても、文字コンテンツには多くの利点があります。ピンポイントで知りたい情報にアクセスできる、見返しにも手間や時間がかからない、自分のペースで情報を集められるなどです。いずれも、動画コンテンツにはない魅力となります。
動画コンテンツの制作にも台本やシナリオが必要になる
現実は文字コンテンツに対するネガティブな予測とは逆に動き出しています。急成長する動画コンテンツ市場に合わせて、昨今は文字コンテンツに対する需要が急速に伸びています。動画シナリオ作成という、新たな仕事が生まれたためです。
確度の高い動画を配信するためには、細部まで練り込まれた台本やシナリオの準備が欠かせません。メリハリの利いた構成の立案、視聴者に伝わりやすい表現方法の言語化などは、Webライターが得意とする仕事です。存分にスキルを発揮できるでしょう。
目端の利いたライターたちが、先行者利益を得るべく既に動き出しています。シナリオライターとして独立する者も増加傾向にあるようです。Webライターとして身につけ磨き上げてきたスキルと経験が、つぶしが効く「一生モノ」の技能となる例となるでしょう。
AIが苦手とする「創造性」や「共感力」で十分勝負できる
今後AIが多方面で広く活用されるのは、不可逆的な流れです。とはいえ、AIが普及しても、Webライターの仕事が完全に代替される可能性は低いでしょう。AIが持ち合わせていない「創造性」や「共感力」で十分勝負できるからです。
AIの強みは、大量のテキストデータをごく短期間に学習可能なことや、パターン化された質の高い文章を瞬時に生成できることです。そのため、まとめ記事や単なる情報の寄せ集め記事の作成であれば、Webライターに勝ち目はありません。
とはいえ、実体験やWebにまだ上げられていない情報を基にしたコンテンツ作成は、AIにはできません。想像力や感性に根差す文章を紡ぎ出すことも不可能です。Webライターがこうした「人らしさ」を十全に表現できている限り、AIを過度に恐れる必要はないでしょう。
デジタル広告市場の成長がWebライターの職域を拡大する
近年は、デジタル広告市場の需要増が顕著です。2019年には、インターネット広告がテレビを上回りました。以後も停滞する他媒体を尻目に、インターネット広告だけが堅調に推移しています。いずれも、電通が毎年実施している広告費の統計調査に基づく情報です。
広告とWebライターが携わるSEOとを比べると、手法は異なります。成果が出るまでの時間も違いますが、集客という目的は変わりません。成果の獲得に向けては、両者の効果的な連携が不可欠です。
連携の必要性は、Webライターにとってはチャンスでしかありません。デジタル広告市場の成長に合わせて、今後関連する仕事が増えていくことでしょう。ライティングは汎用性が高いスキルです。ニーズに応えて信頼を勝ち取れれば、職域の拡大につながります。
Web検索がSNS検索に完全に取って代わられることはない
Web検索では、テーマによっては簡素なまとめ記事ばかりが上位表示されるケースも多いです。しかし、今後SNS検索が主流になるにしても、Web検索が完全に取って代わられるとは考えにくいです。
実際、「Google離れ」のコア層とされる今の20代のWeb検索回数は、以前よりも増えているとするデータがあります。さらに、20代の約2人に1人がWeb検索と同時にInstagramなどのSNSも使っているとするデータ結果もあるようです。
2つのデータから分かるユーザー像は、WebとSNSそれぞれの長所を理解し、両者を使い分ける姿です。Web発の情報は、リアルさやトレンド感でSNSに劣るものの、深さや網羅性では上回ります。
このため、Webライターの仕事が奪われる心配はないでしょう。
「ただしスキルなきWebライターに需要なし!」淘汰される理由
スキルアップを果たしたWebライターに限ってみれば、その将来は決して暗くはありません。とはいえ、ライター自身の努力だけでは対処しきれない変化が、社会や環境の側で起きているのもまた事実です。
ここでは、ライターと社会・環境の両面から、「スキルなきWebライター」が淘汰される理由をみていきます。
低単価案件しか回ってこなくなる
既にみたように、文字コンテンツに対する需要が今後も続くのは確実です。文字を介したコミュニケーションが必要とされる限り、Webライターの仕事が途切れることはないでしょう。
ただし、「途切れない」のは、あくまでもスキルを持ったwebライターに限られます。スキルなきライターが高単価案件を勝ち取れる可能性は、今後も難しいでしょう。
それでも、低単価案件の執筆経験を積むことで、やがて道が拓けるかもしれません。しかし、実際には多くが過当競争に疲弊し、やがてライター業界からの離脱を余儀なくされます。生半可な覚悟では続かないのが、Webライターの世界なのです。
誰でも書ける記事は将来AIに完全に代替される
低単価案件でも、回してもらえるだけマシかもしれません。寄せ集め記事の類であれば、現在のAI技術でも、既に要求される水準をクリアしています。今後さらにAIが進化を遂げれば、単にまとめ上げるだけのWebライティングは、「オワコン」となる可能性が高いです。
将来的には、人が書くような自然な文章を生成できるAIが開発されるでしょう。AIに任せれば一定の記事品質を担保でき、校正や校閲の手間も大幅な解消が期待できます。
AIの活用は、コスト面でも大きなメリットがあります。ライターを雇えば、案件分の人件費がかかります。AIは初期投資こそ重くなるものの、数をこなせば元手などすぐに回収できます。AIの方が安価で良質な記事を書けるのであれば、ライターは要りません。
企業が自社でWebライターを育てる意欲を失くす可能性がある
AIの強みの一つには、導入後直ちに高いパフォーマンスを発揮できるという点があります。そのため、企業が手間とコストをかけて、自社でライターを育てる意欲を失くす可能性があるでしょう。
AIの登場は、こうした「育成」という企業文化を根底から覆す可能性があります。
AIばかりが簡単な案件を手がけるようになれば、新人が社内でライティングスキルを学ぶ機会がなくなります。学べなければスキルは身につかず、ナレッジも社内に残りません。こうした環境では、未来ある新人ライターすらも、淘汰の対象になりかねないのです。
「ではどんなWebライターに需要があるの?」成否を分かつ条件
Webライターを取り巻く環境が、かつてなく厳しさを増しています。
しかし、それでも、今後Webライターという職業が消滅することはないでしょう。それどころか、より一層稼げるライターも出てくるはずです。
では、どんなライターに需要が集まるのでしょうか。以下、成功を手にするための5つの条件をご紹介していきます。
人に負けない専門領域を持っている
需要が集まるWebライターになる最大の近道は、特定ジャンルに関する専門性を身につけることです。単なるまとめ記事の作成であれば、人はAIに敵いません。今後は、自身の得意分野における情報の深掘りに努め、競合やAIとの差別化を図っていくことが大切です。
人に負けない専門領域を持っていると、高単価の仕事を得られやすくなります。現状では、専門的な記事を書けるWebライターが少ないからです。リサーチ時間を短縮できればこなせる案件数も増え、さらに効率的に稼げるでしょう。
ジャンル特化型記事の執筆継続は、Googleが重視する「E-E-A-T」にも適います。実体験に裏打ちされた専門性の高いコンテンツの積み重ねが、権威性や信頼性の獲得につながるからです。
スキルの習得やアップデートに余念なく取り組んでいる
稼げるライターは、例外なくスキルの習得やアップデートに余念なく取り組んでいます。例えばSEOです。昨今はコンテンツの質が重視される傾向にあるため、ユーザーの悩みに寄り添った、良質で有益な情報を伝えられる文章スキルが必要です。
対応できるジャンルを広くしておく必要もあります。いくら高い専門性を備えていても、需要がなければ稼ぎには結びつきません。日頃から世情の把握と状況認識のアップデートに努め、新ジャンル開拓に欠かせない問題意識を養っておきましょう。
もちろん、Webライティングは、コンテンツSEOや問題意識の高さだけで成果が見込めるほど甘い世界ではありません。Webライターとしての市場価値を高めるためには、サイトの内部構造に関わる、テクニカルSEOの素養を磨くことも大切です。
スキルや実績が可視化されたポートフォリオを用意している
Webライターとしてのポートフォリオを用意しているか否かも重要です。豊富な実績は、優れたライターである証になります。自身の実績を可視化できるポートフォリオを作成できれば、案件獲得に向けた大きな武器となるでしょう。
とはいえ、経験の浅いWebライターが、実績を基に訴求効果の高いポートフォリオを作るのは簡単ではありません。そこでおすすめなのが、自身のブログを開設して、その実績をポートフォリオにすることです。
ブログ運営を通じたポートフォリオの作成により、ライターとしてのスキルアップと実績可視化ができます。需要あるWebライターを目指すための、最も確実な方法と言えるでしょう。
臆せず営業に打って出られる
臆せず営業に打って出られる積極性も、需要が集まるWebライターに欠かせない条件の1つと言えます。Webライターは、多くの場合待っているだけで注文が取れる仕事ではないからです。
PCに向かう時間が長いと思われがちなWebライターですが、案件獲得のためには営業が必要です。募集案件への応募や単価交渉はもちろん、ライター需要が見込めそうな企業やイベントなどで接触した人に自身を売り込むといった、能動的な活動も要求されます。
先述したポートフォリオを作成することで、営業時も役立つでしょう。経歴や実力が分かるポートフォリオがあれば、案件獲得や条件交渉を有利に進めることができます。
礼儀やマナー、人柄のよさを身につけている
需要の高いWebライターであるためには、礼儀やマナー、人柄のよさを身につける必要もあります。クライアントも人間です。実績やスキルに大差がなければ、気持ちよく仕事を進められる相手を選ぶのは当然でしょう。
対面機会こそ少ないものの、メールやチャットでのやりとりが多くなるのが、Webライティング業務の特徴です。そのため、報連相やオンラインマナーを徹底しましょう。執筆ルールや納期の厳守も欠かせません。誠実な対応がクライアントとの良好な関係性の維持につながります。
AI全盛時代の到来が間近に迫っています。情報の寄せ集めではなく、良質な成果物を創造できるWebライターにしか未来はありません。案件の獲得も同様です。陶冶された人格に基づく豊かな対人力の実践が、将来的なキャリア形成のカギを握るようになるでしょう。
「さらに需要が集まるWebライターになる!」本気で稼ぐスキル
繰り返しみてきたように、Webライター人口が増加傾向にあります。単に文章が書けるだけのライターのままでは、高単価案件の継続的な受注は難しいでしょう。生き残りるためには、プラスαのスキル習得が必須です。
ここでは、さらに需要が集まるWebライターを目指すうえで欠かせない、7つのスキルをご紹介していきます。
SEOスキル
やがて迎えるAI時代においても、SEOの重要性はほぼ変わらないでしょう。書き手によらず、検索エンジンが掲げるユーザーファーストありきの姿勢は維持されるはずだからです。ただし、対策すべきSEOの中身は変わる可能性があるので注意しましょう。
Googleのアルゴリズムは日々変化します。そのため、検索順位を上げる・維持するたまには定期的なリライトが欠かせません。記事のブラッシュアップにも積極的になる必要があります。
基礎的なコーディングスキル
コーディングとは、プログラミング言語を使ってソースコードを書く作業を言います。プログラミング工程の1つです。
ライターが書いた記事は、そのままの形でWebサイトにアップロードされる訳ではありません。必要に応じて、 HTMLコーディングを施したり、マークダウン記法を加えたりする作業が発生します。コンテンツの視認性や可読性を高めるためです。
クライアントにしても、コードまで整備済済みの状態で納品してくれた方が助かるでしょう。抱えるライターが多くなれば、コーディングの作業量も膨大になるからです。
とはいえ、コーディングスキルやマークダウン記法を身につけているWebライターは多くありません。マスターしていれば、他のWebライターらとの差別化を図れます。同様に、WordPressの入稿スキルもアピール材料になり得るでしょう。
画像やイラスト、図表の作成スキル
近頃は、デジタルネイティブ世代を中心に、答えを早く知りたがるユーザーが多いです。少なくありません。そのため、記事に、文字の理解を助ける画像やイラスト、図表が挿入されるケースが増えています。
Webライター自身に画像やイラスト、図表を作成・設置できるスキルがあれば、確度や効率性は格段にアップします。文意を的確に汲み取ったり、挿入意図を他人とすり合わせたりする手間が省けるからです。
そのため、画像やイラスト、図表を作成できるWebライターは重宝されます。
もちろん、デジタルイラストのスキルを一から身につけようとすれば、ハードルはかなり高くなります。しかし、記事冒頭のアイキャッチ画像や図表の作成程度であれば、トレーニング次第でスキルの習得は十分可能です。
取材・インタビューのスキル
取材・インタビュー記事を請け負えるWebライターであれば、高単価案件の受注は難しくはないでしょう。これら業務は難易度が高く、競合も少なくなる分野です。対面で実施される業務のため、現状のAIからその地位を脅かされる心配も少ないでしょう。
特に需要が高いのは、アポ取りから取材、執筆までを一任できるライターです。取材・インタビューの現場では、何よりもまず聴くことが求められます。話しやすい雰囲気を作り、短時間でインタビュイーから必要な情報を引き出すなどの対人スキルも欠かせません。
今後は、人にしか書けない記事の執筆だけが、Webライターの職域になります。対話を通じてコンテンツ化していく、取材・インタビュー記事もその1つです。多分に経験がものを言う分野ではあります。場数を踏み、実績を積み上げることに徹しましょう。
動画撮影・編集のスキル
昨今は、動画コンテンツのビジネスへの活用が盛んです。動画付きのランディングページやインタビュー記事や多くの企業がYouTubeチャンネルを運営しています。
これまでWebライターは、動画制作工程における文章作成フローだけを手がけるのが一般的でした。しかし、近年は動画のシナリオ作成から、動画の撮影・編集までをライターに依頼するケースも多くなっています。
シナリオを書いたライターが動画化までを手がけた方が、より完成イメージに近い動画になりやすいでしょう。SEOライティングで磨かれたセールスやマーケティングのスキルもあれば、需要も高いです。
SNSの運用スキル
SNSの運用に長けたWebライターの需要が高まりつつあります。背景には、対象企業の「7割以上がSNSをマーケティングに活用しているものの、6割強でSNS人材の不足感がみられる」といった事情もあるのかもしれません(ファベルカンパニーの調査報告より)。
SNSは、発信者の人気や影響力の差がはっきり出る実力の世界です。ユーザーに刺さるコンテンツを継続して発信できれば、多くのフォロワーを獲得できます。影響力が高まることで、より高単価のアンバサダー案件を受注できるようになるでしょう。
SNSでは、Webライターの成功に欠かせないスキルの殆どを磨くことができると言われます。気軽に発信できる事に加え、投稿自体のポートフォリオ化も可能です。積極的なSNS運用の積み重ねが、Webライターとしての成長や豊かな将来につながります。
マーケティング視点に立った企画立案スキル
消費者ニーズに適った記事の提供を旨とするWebライターの仕事は、マーケティングの素養も必要です。。とはいえ、記事を企画する段階から関与できなければ、単なる「執筆マシーン」の域を出られないでしょう。
これからのライターは、ニーズが何か的確に探り当てるスキルや、ニーズをマーケティング視点から確度の高い企画に精緻化していくスキルで勝負すべきです。
もちろん、初めからすべてを任せてもらえるケースは少ないでしょう。しかし、消費者に刺さる企画の立案は、クライアントも常に欲しています。アイデアがあれば、積極的に提案すべきです。力量を認められれば、継続的なパートナーシップの構築にも期待できます
「需要あるWebライターは前途も明るい!」可能なキャリアパス
現在、Webライターの将来性を危惧する声が多く聞かれます。ライターと言う仕事をずっと続けていく覚悟を今一つ持てない方もいることでしょう。
しかし、実績を積んで市場価値を高めたWebライターであれば、前途は決して暗くありません。
以下、需要あるWebライターが選択可能なキャリアパスを5つご紹介していきます。
編集者
編集者のメインの仕事は、Webライターが納品した記事を公開できる形にブラッシュアップしていくことです。記事の添削・修正はもちろん、構成立てや入稿作業も大切な職務になります。SEOの素養だけでなく、CMSやHTMLを活用できるスキルがあれば尚よいでしょう。
Web制作経験のない人が編集者に採用されることはまずありません。編集者は専門性が高い仕事のため、経験や実績が重要な評価ポイントであるためです
メディアが紙媒体からWeb上へ移るのに合わせて、Web編集部に所属して働く人が増えつつあります。
Webライターとしての実績があれば、編集者への転向は現実的な選択肢と言えます。身につけたマーケティングやSEOの知識を活かせるからです。
Webディレクター
Web制作のプロジェクトを総合的に運営・管理していくポジションです。ライターや編集者のもう一段上の立場からプロジェクト全体を俯瞰しつつ、業務にあたります。メンバーをまとめる統率力やコミュニケーションスキルが欠かせません。
具体的な業務としては、ライターの手配やスケジュールの進行管理などになります。予算配分を受け持つこともあるでしょう。プログラマーやデザイナーとの連携もあるため、技術的なスキルも一通り身につけておく必要があります。
コンテンツ全体の企画を受け持つケースでは、クライアントの要望や課題のヒアリングが欠かせません。ゴールから逆算してスケジュールを組んでプロジェクトを進めていく、計画実行力も必要です。この場合の職務は、Webプランナー色が濃くなります。
WebライターからWebディレクターへのキャリアパスは、編集者経由が一般的です。まずは、編集者として活躍できるライティングスキルを磨きましょう。Webディレクターになるためのスキルは、編集者として働きながら習得していくのがおすすめです。
Webコンサルタント
Webライターとしてのキャリアは、Web事業に関するコンサルティングの仕事にも活かせます。Webコンサルタントは、Webの力を活用してクライアントの売上アップを支援していく仕事です。デジタル市場の拡大により、需要が急増しています。
優れた商材を取り扱っているにもかかわらず、情報発信の拙さから売上が伸び悩んでいるケースは珍しくありません。Webコンサルティングでは、STP理論や3C分析などの手法を用いながらその会社の現況を把握し、そのうえで必要な戦略を立案していきます。
コンサルティング業務の遂行過程では、 Webライターと連携を取る場面も多いです。ライター経験を活かしたキャリアパスの1つに想定してみるのもよいでしょう。モチベーションの向上につながります。
Webマーケター
消費者の購買行動におけるフェーズの多くが、オンラインに軸足を移しつつあります。Webの特性を踏まえたマーケティングが必要です。こうしたWebやSNSなどのオンラインチャネルを活用した集客戦略の企画・実行がWebマーケターの役割になります。
コンテンツマーケティングの実践には、SEOの素養が欠かせません。そのため、SEOに明るいWebライターになれば文字単価がアップし、請け負える仕事の幅も拡がります。
Webライターとして身につけたスキルや経験は、Web人材としての市場価値も高めます。webマーケターを目指すのであれば、ライター時代に、ネット広告やSNSアカウントなどの運用スキルを積極的に学んでおきましょう。
ライティング講師
ライティング講師の仕事は、Webライターを志す人にライティングのノウハウを教えることです。ライティングスキルやSEO施策や案件獲得のコツ、Webライターを続けていくための心構えなども指導内容に含まれることもあります。
ライティング講師には、稼いでいるWebライターがなるケースが多いと言われます。実績がなければ、生徒が集まらないからです。
Webライターとしての実績に自信があれば、培ってきたスキルや経験を後進に伝えるのもやりがいのある仕事です。オンラインで主催すれば、地方や海外など遠隔地にいる人々にも存分にノウハウを伝授できるでしょう。
「書くだけWebライターを超えて!」需要開拓へのマインドセット
ここまでお読みいただき、Webライターの将来性やキャリアパスの可能性をいささかでも感じ取れたでしょうか。
最後に、Webライターの豊かな未来につながるマインドセットについて、3つの視点から解説していきます。
Webライターとしての成長意欲が高い方々への、ささやかな応援メッセージとして読んでいただければ幸いです。
マーケティング視点からWebライターの役割を再定義しよう!
多くのWebライターが、SEO攻略に特化した記事の執筆に専念しています。クライアントの要望に応えるためです。SEOの重要性は、恐らく今後も維持されるでしょう。しかし、なぜSEOに注力すべきかを忘れた「書くだけWebライター」の未来は恐らく絶望的です。
Webライターが施すあらゆるSEOは、マーケティングの1手段に過ぎません。それ故、SEOだけ極めてみても、効果的なマーケティング施策に結びつくとは限らないのです。
やがて、SEOの仕組みを学んだAIが記事を量産するようになるでしょう。Webライターには、マーケティング視点に立った自身の役割の再定義が求められます。「書くだけWebライター」からの脱却とキャリアの拡大が、成否を分けるでしょう。
「ライター=書く人」から脱却してキャリアの可能性を拡げよう!
ニーズや環境が変われば、新たなスキルや心構えが求められるようになります。そうであれば、変化を憂うよりも、「ライター=書く人」というこだわりを思い切って捨てる勇気を持ちましょう。
Web上の情報を効率的に収集して文章化できるAIの進化は、ショッキングな出来事には違いありません。とはいえ、スキルアップやキャリアの拡大に意欲的な人材にしてみれば、こうした時代の到来はむしろチャンスに感じられるのではないでしょうか。
次に、その具体案の1つを詳述していきます。
「コミュニケーションの創造」に主体的に関わっていこう!
これまでも、稼いできたのはマルチスキルを持つライターです。ライティングスキルが同等であれば、多様な役割を担える人材に需要が集まります。
これからは、幅広いスキルの習得やキャリアの拡大への意欲が、よりWebライターに求められるでしょう。文章力や対人スキルなども大切になります。
ざっくり言えば、「コミュニケーションの創造」に主体的に関わっていく姿勢が必要です。完璧に見える記事を書いても、読まれなければ意味がありません。粗削りでよいのです。議論を通じて可能性が無限に広がっていく、そんなアイデアの「種」の創作に努めましょう。
こうした姿勢が書くだけWebライターからの脱却を可能にし、ひいては需要拡大につながるのではないでしょうか。
まとめ
今後は、記事をただ書くだけにとどまらないWebライターだけが、成功できる時代がやって来ます。
ライターであっても、取材や企画立案など、ライティング以外のスキルを貪欲に磨きましょう。コンテンツ制作に主体的に関わろうとする姿勢を持つことも大切です。
様々なスキルを学ぶことでライターとしての市場価値が高ま、豊かなキャリアパスの可能性が広がるでしょう。
本コラムを参考に、AI・副業解禁時代に生き残れる、稼げるWebライターを目指してみてはいかがでしょうか。