COLUMNコラム
オワコン化必至?あなたのブログがChatGPT時代を生き抜く方法
ChatGPTの登場に伴い、巷では「ブログはオワコン化するのでは?」と危惧する声が多く聞かれます。とはいえ、「ChatGPTの活用は大いなるチャンスである」と捉えるブロガーもまた、一方では少なくありません。
一体どちらが将来の姿なのでしょうか。
今回は、ChatGPTに代表される生成AIの来るべき全盛時代における、ブログの存在意義がテーマです。果たしてブログは生き残ることができるのか。生き残れるとすれば、何がカギを握るのか。一緒に考えていきましょう。
ChatGPTの登場でなぜあなたのブログが淘汰されるのか?
AIの普及に伴い、働く場や働き方が、かつてない変革期を迎えているようです。最近では、この仕事がなくなりそうだ、こんな人材は要らなくなるといった、危機感を煽るニュース報道に接しない日はありません。
この危機は、文章生成AIツールであるChatGPT登場後の、ブログの将来にもそっくりあてはまります。
では、なぜあなたのブログが淘汰されてしまうのでしょうか。その理由を具体的にみていきましょう。
Web上で拾える情報を寄せ集めただけの独自性に欠けるブログだから
あなたのブログがWeb上で拾える寄せ集めの情報のみで構成されているのであれば、ほぼ間違いなく早晩淘汰されることになるでしょう。ChatGPTの方が数段早く、かつ多くの場合的確に、読者が知りたい情報を教えてくれるからです。
大体、Web上ですぐに調べられる情報でできた文章など、そう魅力あるコンテンツとは言えません。ただ、これまでは他に代わる情報源がなかったため、読まれていたに過ぎなかったのでしょう。
情報の正確性で見ると、たしかに現時点では、ChatGPTには不十分な面が多々あります。しかし、今後精度が上がるのは確実です。そうなれば、独自性に欠けるノウハウ・ハウツー系ブログ、単純な商品紹介型ブログの類は、オワコン化するしかありません。
ブログの情報量が多過ぎて読者が欲する情報に素早く辿り着けないから
記事が蓄積されるほど、ブログの情報量も増えていきます。情報量の増大は、ブログの専門性の向上には寄与するでしょう。しかし、一方では、読者が検索を通じて知りたい情報に素早く辿り着けなくなるリスクも孕んでいます。
ChatGPTにより、読者は欲する情報に素早くアクセスできるようになります。今後はChatGPTの活用が情報探索手段の主流となり、検索行為自体がオワコン化するかもしれません。そうなれば、あなたのブログの価値も著しく減退させられざるを得ないでしょう。
ChatGPTの浸透は、今後SEOの形を大きく変える可能性もあります。Googleが掲げるユーザーファーストの視点に立てば、ChatGPTが出す回答が、ブログよりも検索上位に表示されるようになる可能性が高いです。ブログの立場は、さらに辛いものになるでしょう。
YouTubeやTwitterなど他チャネルからの導線を構築していないから
あなたがこれまで記事の作成とSEOのみに専念してきたブロガーであれば、今後もそのまま突っ走るのは少々キツいかもしれません。ChatGPTが登場したことで、ブログ自体の質を高めるだけでは戦えない時代を迎えつつあるからです。
要は、ブログの認知度をいかに高められるかの問題です。ChatGPTによる回答、あるいはChatGPTを活用した量産記事が、Web上に溢れていくでしょう。これまでSEO的観点で評価が高かったあなたのブログが、今後は埋もれてしまうかもしれません。
ChatGPT時代にブログで成果を上げるためには、YouTubeやTwitterなど、他チャネルからの導線を構築しておくことが大切です。SEOの有効性が不確実になる今後は、発信の仕組みの複線化を通じて、ブログのブランディングにも注力していく必要が出てくるでしょう。
ChatGPTがあなたのブログにもたらすメリット
ここまで、ChatGPT登場によるブログの未来について、ペシミスティックな面をやや強調し過ぎたかもしれません。
そこで、ここからは、ChatGPTの活用がブログにもたらすメリットをご紹介していきます。共存を通じてあなたのブログが生き残るヒントは、必ずあるはず。以下を読みながら、探してみましょう。
記事作成の効率化とコストダウン
ChatGPTの活用により、記事作成を効率化できます。ブログネタの生成からキーワード選定、記事の執筆や校正など、多くのフローを自動化できるためです。ブロガーは、余剰時間をコンテンツの質向上やマーケティングの精緻化に充てられるでしょう。
コスト削減も実現します。ChatGPTは、記事作成に関する有能な助手とも言える存在です。上手に活用できれば、ブロガーの手足となって意図することを速やかに実行してくれます。外注せずとも、最小人員でブログ記事の作成に取り組めるようになるでしょう。
効率化とコストダウンのメリットは、当然他のブロガーにも及びます。そのため、誰もが興味関心を持つトピックでは、競争の激化が避けられません。成果獲得に向けては、専門性の深化に努めるか、次に述べるように勝負の場をニッチな舞台に移す必要があります。
ニッチな分野での独自性の高い価値提案の実現
ニッチな分野で勝負しようと思ったら、ChatGPTを使わない手はありません。Web上に存在する限り、どんな些細な情報であっても漏らさず集められるのがChatGPTの強みです。これまで情報収集の難しさから諦めていたテーマでも、心置きなく取り組めるでしょう。
ニッチ分野は、自身がずっと記事を書き続けていきたいと思えるような、情熱を感じられるものにすべきです。ブログである以上、マネタイズや権威性獲得の視点も大切ではあります。とはいえ、情熱なくして継続は難しく、多くの場合質の向上も望めません。
ChatGPTの活用場面は広範にわたります。ジャンルの選定フローでは、そのジャンルでの収益性を確認しつつ、候補を絞り込むことが可能です。また、用意すべき記事本数の目安やサイト設計のヒント、記事構成の具体案なども提示してもらえるでしょう。
多言語対応に基づく地球的規模でのコミュニケーションの促進
Webの最大の特徴は、世界中の個人同士が瞬時につながれるシステムであることです。しかし、これまで日本人が運営するブログでは、ターゲット層が日本語ネイティブに限られる嫌いがありました。使用言語がコミュニケーションにおける障壁となっていたからです。
ChatGPTには、多くの自然言語を理解し、任意の言語に変換できる機能が備わっています。今後は、ChatGPTを通じて、地球的規模でのコミュニケーションが促進されていくことでしょう。その恩恵は、ブログ運営にも必ず波及するはずです。
漫画やアニメ、J-POPをはじめとする日本のポップカルチャーが今、世界中で注目を集めています。言語の違いを苦にしない、ChatGPTの出番です。多くのブロガーが、異なる言語圏の読者や同好の士に向けた情報発信に、積極的に打って出れるようになるでしょう。
従来にないクリエイティブなコンテンツの生成
ChatGPTの射程範囲は、説明文や叙述的な文章に留まりません。エッセイやコピーライティング、物語性のある文章などの創作における、作り手の大きな力になります。
「ネタ切れ」に悩むブロガーは多いです。ChatGPTを使えば、ブロガー自身では思いつかなかった、新たな着想を得られるかもしれません。小説ブログであれば、筋書きのヒントを得たり、次の展開に行き詰まった際にサジェストを得たりにも使えるでしょう。
AIであるChatGPTは、あなた自身の記憶や経験を抜きにして、ブログを作ることはできません。とはいえ、膨大なアイデアの宝庫、インスピレーションの起爆剤として活用することは可能です。従来にない、クリエイティブなコンテンツを生成できる可能性が拡がります。
パーソナライズドレコメンドの強化
パーソナライズドレコメンドとは、属性データに購買や閲覧などの行動データを加味して、ユーザーが興味関心を持ちそうな商材を紹介していく機能のことです。ChatGPTの普及に伴い、今後パーソナライズドレコメンドがより強化されていくと予想されます。
従来のレコメンド機能は、精度の点で、必ずしもユーザーニーズを満たすものではありませんでした。そもそもなぜその商材が表示されたのかが分からなかったり、既に興味を失った一過性の嗜好に関する商材の提案が繰り返されたりが、ままあったためです。
文章で対話するChatGPTの仕組みを通じて、ユーザーの嗜好や興味関心を精緻かつ的確にフォローできます。そのユーザーの根源的なニーズを詳らかにしつつ、より長期的な満足に耐えうる、質の高いレコメンドを実現できるでしょう。
ChatGPTによりあなたのブログが淘汰されるかどうかは取り組み方次第
あなたのブログでChatGPTを活かすヒントが見つかりましたか。メリットがクリアになったことで、ブログを続けていく自信を取り戻せた方もいらっしゃるかもしれませんね。
結局のところ、ChatGPTによりあなたのブログが淘汰されるかどうかは、取り組み方次第ということです。
以下、生き残りに欠かせないポイントを、3つの視点から解説していきます。
自分にしか書けない情報を自分の言葉で読者に届けているか
最初に述べたように、これからは、Web上で拾える情報を単に寄せ集めただけのブログは通用しません。あなたでなければ書けない情報を、他ならぬあなた自身の言葉で、読者に向けて発信していくことが大切です。
自分にしか書けない記事にするためには、取り組むブログジャンルについての経験値を高めておく必要があります。実際に経験して知ったこと、感じたことを自分の言葉で深掘りした情報でなければ、ChatGPT時代の読者には刺さらないからです。
今後は、ChatGPTなどのAIが、情報提供の先鋒役を担うようになるでしょう。一方でブログには、AIでは難しい、より深い悩みの解決が求められるはずです。とどのつまり、ユーザーファーストありきに変わりはなく、SEOの重要性も維持されるに違いありません。
共感力を武器に読者の悩みを解決する記事を書いているか
将来的に、ChatGPTの回答精度が高まるのは確実です。単なる情報提供に関しては、ブログに勝ち目はありません。読者が高い興味関心を持つ分野でも同様です。対話を通じてパーソナルな情報が蓄積される仕組みが内在しているChatGPTには、まず敵わないでしょう。
あなたにしか書けない情報をあなた自身の言葉で発信していこうとするとき、そこに生まれるのが「共感」です。機械であるChatGPTは、知識を授けることはできても、心を分かち合うことはできません。共感力こそが、今後ブロガーが発揮すべき強みになるでしょう。
ChatGPT時代に存在価値の高いブログであり続けるためには、事実よりも感性に重きを置いたコンテンツ作成にシフトしていく必要があります。あなたが感じたことを適切に言語化できれば、人同士でしかなし得ない共感し合う関係性を、読者と築いていけるでしょう。
生産性を高めるツールとしてChatGPTを活用できているか
ChatGPTの普及を皮切りに、今後文章生成AIの活用がさまざまな分野で進むのは、もはや不可逆的な流れです。ChatGPTを敵対視せず、共存の道を探ることこそ、今まさにブロガーに求められる姿勢と言えます。
ChatGPTに質問すると、ごく短時間のうちに答えを返してくれます。扱えるジャンルの幅は広く、回答の質もそこそこ高いです。そのままでのコンテンツ化は難しくても、改善を前提としたたたき台としてであれば、十分使えます。
あなたのブログの将来は、生産性を高めるツールとして、ChatGPTの強みをいかに活かせるかにかかっています。うまく使いこなせれば、あなた自身はコンテンツの独自性や共感力の追求という、より創造的な活動に注力できるでしょう。
あなたのブログがChatGPT時代を生き抜くために欠かせないこと
旧来のシステムを台頭する新テクノロジーで駆逐・代替しながら文明を発展させてきたのが、人類の歴史です。今後文明を大きく転換させるであろうAIから成る、ChatGPTの社会への浸透についても、同じ文脈で読み解く必要があります。
ここでは、あなたのブログがChatGPT時代を生き抜くために欠かせないことを、6つご紹介していきます。
ChatGPTを活用して動的で読者の関心を惹くブログに変えていく
ChatGPTを活用して、静的なブログから、動的で読者の関心を惹くブログに変えていきましょう。既に触れた「パーソナライズドレコメンドの強化」もその1つです。
その他では、以下の2つが挙げられます。
- 双方向かつ収益化につながる機能の提供
ブログにChatGPTを組み込みましょう。読者がトピックにちなんだ会話を楽しむ、悩みや疑問を解消する、といった双方向的なやりとりの仕組みを提供できます。ブログ内で読者のニーズを満たせるため、マネタイズにも寄与するでしょう。 - ユーザー生成コンテンツ(UGC)のマーケティングへの活用
マーケティングにおけるUGCの重要性が、かつてなく高まっています。ChatGPTにとり、UGCの収集や分析はお手の物です。分析結果から、新たなコンテンツも生成可能です。コミュニティ意識の醸成を通じて、マーケティング効果の高いブログにできるでしょう。
ブログの独自性をさらに高める
ブログの独自性をさらに高めていく視点も大切です。これからは、ChatGPTを使えば、記事作成を効率化できます。Webに上がる情報量も飛躍的に増大するでしょう。競争力維持の観点からは、独自性の高いコンテンツで読者の興味関心をつなぎ留める必要があります。
あなたは、これからChatGPTを積極活用して記事を書いていくつもりでしょうか。もしそうならば、ChatGPTが生成した文章に自分らしさを付加することを忘れてはなりません。あなた独自の個性を出せなければ、その他多くの量産型記事同様、埋没は必至です。
独自性の確立に自信があるブロガーであれば、自身の経験や感性に根差した文章の執筆に特化してもよいでしょう。あなたにしか出せない個性溢れる文章を紡ぎ出せれば、優れた文筆家のように、共感する読者からの安定した支持基盤を築くことも十分可能です。
ChatGPTに「指示を出す力」を磨く
ChatGPT時代のブログ運営に必要な素養は、リサーチ力やライティングスキル、SEOの理解だけでは足りません。プロンプトエンジニアリングと呼ばれる、ChatGPTなどの対話型AIに「指示を出す力」の習得が、今後は不可欠になってきます。
プロンプトエンジニアリングの遂行には、幅広い素養が求められます。中でも特に重視すべきは、精度の高いプロンプトの作成スキルです。ブロガーの意図が的確に伝わって初めて、ChatGPTは実行すべきタスクを正しく認識できるようになるからです。
プロンプトに載せる指示は、明確かつ簡潔なものでなければなりません。要件を具体的に記載し、正確な情報を盛り込むことも大切です。あなたならではの視点や経験をプロンプトに反映できれば、より独自性が際立つ、優れたコンテンツを生成してもらえるでしょう。
ChatGPTとの共存から生まれる果実の育成に注力する
ChatGPTの登場を前にして、記事の執筆に日々勤しむ多くのブロガーが尋常ならざる危機感を抱くのも無理からぬことではあります。とはいえ、ここまで再三みてきたように、ブログとChatGPT、各々がWeb上で果たす役割は同じではありません。
- ブログ
ブロガー自身が有する知見やスキルの訴求を通じて、信頼性や影響力を高められる。マーケティング効果の向上に寄与する、セルフブランディング実践のプラットフォームとなる。 - ChatGPT
大量のテキストデータを学習し、高品質な文章を短時間で生成できるAIツール。コンテンツ作成を効率化できるものの、プラットフォームを主体的に運営する能力はまだない。
ChatGPTは、恐れや敵対視、あるいは単なる道具として支配すべき対象ではありません。共存から生まれる果実を、新たな発想やイノベーションの糧にしていく姿勢が大切です。今後生き残れるのは、ChatGPTと相互に補完し合う関係を築けるブロガーになるでしょう。
AIによるビジュアルコンテンツ作成の可能性を探る
ブログ作成におけるChatGPTの活用が一般化すれば、文章コンテンツで競合との差別化を図る難易度が格段に上がるでしょう。独自性の訴求に向けては、映像やイラスト、デザインなどのビジュアルコンテンツの効果的活用が欠かせません。
画像生成ツールが、既に実用化されています。AIの機械学習の1手法であるディープラーニングの仕組みをベースに持つ技術です。テキストベースのプロンプトを基に、AIがあなたのブログに最適なビジュアルコンテンツを生成してくれるでしょう。
ChatGPTを搭載した画像生成ツールも登場しています。ChatGPTから直に画像の生成はできません。しかし、ツールに向けた画像生成・修正用プロンプトであれば作れます。ツールへの直搭載により、より直感的かつ迅速なビジュアルコンテンツの作成が実現可能です。
ブログとソーシャルメディアとの連携を強化する
ChatGPTの普及に伴い、量産型ブログの今後の爆発的増加は必至です。SEOの難易度も確実に上がるでしょう。ブログへの流入経路が検索エンジン経由に限られていると、上位表示されずに埋もれてしまいかねません。
TwitterやFacebook、Instagramなどのソーシャルメディア運用を積極的に進めましょう。あなたのブログをより多くの読者に知らしめられます。集客導線の拡充効果はもちろん、ブログのブランディング向上施策としても有効です。
ブログとソーシャルメディアとの連携役を、他ならぬChatGPTに担わせる手もあります。ブログ運営では、情報更新がとかく滞りがちです。ChatGPTの活用により、ソーシャルメディア発の旬の話題を自動で取得できます。ブログを常に最新の状態に保てるでしょう。
まとめ
「ChatGPT狂騒曲」とでも言うべきある種のパニック状況が今、少なからず世間を覆っているように見受けられます。人工知能チャットボットをその正体とするこの機械の衝撃的な登場は、歴史家・ハラリが言うように「文明史上最も深刻な変節点」なのかもしれません。
とはいえ人類は、ChatGPTに象徴されるAIと共存・共生していく道を既に歩み始めています。ブロガーもまた、例外ではありません。「お互いの強みを活かしつつ補完し合う」、そんな関係性をChatGPTとの間に築くことが、今まさに求められているのです。