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検索順位を上げるにはSEOが必須?順位の仕組みとキーワード選定を紹介
検索順位はWebサイトのアクセス数に直結する指標です。検索1ページ目に上位表示されるかどうかで流入数がガラリと変わるため、サイト運営者は検索順位を上げるために日頃から頭を悩ませています。
そんな検索順位の施策として広く用いられるのがSEO(Search Engine Optimization)です。日本語では「検索エンジンの最適化」と訳されるこの施策は、今やWeb集客の定番になっています。
上位表示させる施策は他にもあるのに、なぜSEOが重視されているのでしょうか。また、検索順位はどのように決まり、具体的にどんな施策を行うのでしょうか。
この記事ではSEOがWeb集客の主流となっている理由や順位を決める仕組み、基本となるキーワード選定について解説します。これからサイト運営を担当する方は、ここでSEOの優位性や基本テクニックを確認しておきましょう。
検索順位を上げる重要性
まず確認しておきたいのが、SEOが目的とする検索順位を上げることの重要性です。検索順位の差はWeb集客にどれほど影響を及ぼすのでしょうか。
検索順位は同じ検索1ページ目でも1位とそれ以外とでは成果に大きな差があります。
たとえば、2021年のデータによると、各順位のクリック率は以下の通りです
順位 クリック率(CTR)
1位 13.94%
2位 7.52%
3位 4.68%
4位 3.91%
5位 2.98%
6位 2.42%
7位 2.06%
8位 1.78%
9位 1.46%
10位 1.32%
引用元:2021 CTR Research Study: The Largest Ever for SEO
1位と2位とではクリック率に倍近い差があるとわかります。10位では、同じ検索1ページ目の表示にもかかわらず、1位との差は10倍以上です。
このように、検索順位の差はWeb集客に強い影響力を及ぼします。流入数を伸ばしたいのであれば、1位の獲得が重要です。
継続的な集客が期待できるSEO対策
サイト運営でSEO対策がとりわけ重要視されるのは、効果の継続性が高いからです。
SEO対策以外にも集客が期待できる施策はありますが、その効果のほとんどには期限があります。
たとえば、Web集客に活用されるリスティング広告は、費用さえあれば自社サイトを上位に表示できます。
しかし、リスティング広告による上位表示は、資金を投じて得た成果です。利用期間が過ぎてしまえば集客効果は徐々に薄れていき、最終的にはほとんど何も残りません。
それに対し、SEO対策は数ヶ月から数年と効果が長続きします。検索エンジンに評価されるコンテンツを作成し、積み上げていく形式なのでサイト自体が財産になるでしょう。一度上位に表示される状況を作り出してしまえば、他の集客方法より圧倒的に少ないコストで効果を維持できます。
コストパフォーマンスと継続性の高さが、サイト運営でSEOが重視される理由です。
検索順位を決める仕組み
Googleは世界検索エンジン市場で、2022年6月時点で91.88%と高いシェア率を誇っています。そのため、SEOは一般的にGoogleを対象とした施策です。
ここでは、SEO対策を理解するための基礎として、検索順位の仕組みを解説します。
Googleが検索順位を決めるまでの工程は、以下の3ステップです。
- クローラーがWebサイトを巡回する
- Webサイトがインデックスされる
- 検索エンジンが順位を決める
各工程の詳細と取るべき対応を見ていきましょう。
クローラーがWebサイトを巡回する
Googleがサイトの存在を認識する工程です。
公開したばかりのWebサイトは、Googleの検索結果に表示されません。検索結果に表示されるためには、Webサイトをクローラーに発見してもらう必要があります。
クローラーとは、サイトデータの収集のためにインターネット上を巡回しているロボットです。巡回はGoogleに提供したXMLサイトマップや被リンクなどをもとにして行われます。
この工程に対応するには、クローラーに発見してもらうためにクローラビリティ(クローラーの巡回性)を高めるのがポイントです。
クローラビリティを高めるSEO対策には、次のようなものがあります。
- XMLサイトマップをGoogleサーチコンソールで送信クローラーを呼び込む
- 他サイトからリンクされるように質の高いコンテンツを制作する
- 関連性の高いページ同士を内部リンクでつなぐ
また、クローラーにサイト内容を理解してもらえない場合も検索結果に表示されません。このような事態に陥らないためにも、クローラーにとって分かりやすい構成を心がけましょう。
具体的には、次のようなSEO対策があります。
- 見出しや箇条書き、段落、画像などページ内容をHTMLタグで記載する
- クローラーは画像と内容の結びつけが苦手なので、テキストを中心に構成する
自社サイトを認知してもらうためには、クローラーにとって巡回しやすく分かりやすいWebサイトにすることが大事です。
Webサイトがインデックスされる
Googleがサイトの内容をデータベースに登録する工程です。
クローラーによって収集された情報は、Googleのデータベースに登録されます。登録後は、登録内容ごとに関連性を判断されてWebサイトが検索結果に表示されるようになります。
たとえば、サイトの登録内容が「パソコン」について書かれていると判断されれば「パソコン」と検索されたとき表示される仕組みです。このように、記事がデータベースに含まれることを「インデックスされる」と言います。
検索エンジンがサイトの内容を正しく把握せずにインデックスすると、検索結果とサイトの表示が意図した内容とずれてしまいます。
先ほどの例を用いると「パソコン」での検索表示を狙っていたのに「CPU」など別の検索ワードで表示されてしまう可能性があるということです。
サイトの趣旨と検索意図がずれる問題に対応するには、検索エンジンにWebサイトの制作意図が誤解なく伝わるようにしなくてはなりません。そのために必要なのが「インデックスの最適化」です。
インデックスの最適化には、次のようなSEO対策があります。
- 狙うキーワードを含めたタイトルや見出しタグ、メタディスクリプションを設定する
- noindexタグを活用して有用性の低いコンテンツを除外する
- 画像にalt属性を付与して、テキストで内容を把握できるようにする
- 重複コンテンツを避けるためURLを正規化する
検索結果が意図した通りに表示されるよう、Webサイトを検索エンジンが読みやすい形に最適化しましょう。
検索エンジンが順位を決める
Googleがデータベースを分析して検索順位を決める工程です。
検索順位は、インデックスされたデータを元に「検索アルゴリズム」と呼ばれるランキングシステムに基づいて決定されます。
この検索アルゴリズムは「判断基準としている要因が200以上もある」「要因の重みが検索クエリによって変化する」「毎日のようにアップデートや変更がされる」など仕様が複雑なため、対策が困難です。
一方で、Googleの考え方はシンプルで「検索キーワードに対して有益な答えを返せるコンテンツを上位表示する」という方針で一貫しています。
そのため、検索順位を上げるためには検索アルゴリズムの対策よりも、基本的なSEO対策の徹底とニーズに応えられるコンテンツ作成に集中するのが早道といえます。
クローラビリティやインデックス最適化を行った後は、Webサイトの品質向上に注力しましょう。
検索順位を上げるためのキーワード選定
検索順位の仕組みがわかったところで、ここからはSEOの基本であるキーワードの選定について解説します。
効率的に検索順位を上げるには、ビジネス効果があることを前提に上位が狙える検索ボリュームを選ぶことが大事です。
キーワードのカテゴリーを把握する
検索順位を上げる基本は、検索ボリュームを基準にしたキーワード選定です。そのために、まず3つのカテゴリーについて把握しておきましょう。
- ビッグキーワード
検索ボリューム(検索回数)が多いキーワードです。キーワード構成は、1単語であることがほとんどです。検索するユーザーが多いため、ビッグキーワードで検索順位を上げることができれば多くの検索流入数を獲得できます。一方で、上位表示の難易度は高く、テーマが広すぎるため検索意図はほとんど絞れません。
- ミドルキーワード
ビッグキーワードを含む2〜3語で構成されるキーワードです。ビッグキーワードよりも検索ボリュームは少ないですが、ユーザーの検索意図はある程度絞られます。たとえば、ビッグキーワードが「タピオカドリンク」だった場合、「タピオカドリンク 通販」「タピオカドリンク 作り方」などの組み合わせがミドルキーワードにあたります。
- スモールキーワード(ロングテールキーワード)
ミドルキーワードよりさらにユーザーの検索意図を具体的にしたキーワードです。検索ボリュームはより小さくなりますが、ユーザーに行動を促せる可能性が高くなります。たとえば、「タピオカドリンク 通販 キャラメル」などの組み合わせがスモールキーワードにあたります。
検索順位を上げる難易度の高さは、基本的にビッグキーワード > ミドルキーワード > スモールキーワードの順です。
各カテゴリーの特徴を把握して、ビジネス方針に合った検索ボリュームになるよう調整しましょう。
検索ボリュームを見極める
検索ボリュームを調査し、選定したキーワードの流入見込み数と検索順位を上げる難易度を見極めます。
検索ボリュームが多いキーワードほどユーザーの目に触れる可能性が高く、検索順位を上げた時の見返り(流入数)も大きいといえます。
一方で、よく検索されるということは、それだけ他社との競合も激しいと考えられます。ビッグキーワードのように利用ユーザーが多いキーワードは、有名企業が独占している可能性もあり、検索順位を上げるのは非常に困難です。
そのため、検索ボリュームが多いキーワードよりも、競合が少ないキーワードの方が高いビジネス効果を得られるケースが多々あります。
たとえば、検索順位のクリック率が1位と10位で10倍の差があるなら、検索ボリューム1万のキーワードで10位を取るよりも、検索ボリューム2,000のキーワードで1位を取る方が高い流入数を見込めます。
キーワード候補が決まったら、Googleが提供しているキーワードプランナーで検索ボリュームを調査し、難易度やビジネス効果について検討しましょう。
スモールキーワードを活用する
スモールキーワードを上位表示できれば、高いビジネス効果が得られる可能性があります。
ビッグキーワードのみで検索順位を上げるのは困難なだけではなく、アクセスの質が低くなるリスクがあります。
たとえば、自社がタピオカドリンクのネット通販をしている会社の場合、タピオカドリンクをネットから注文してもらうことが検索順位を上げる主目的になるでしょう。
しかし「タピオカドリンク」のみで上位表示された場合、飲食店を探しているユーザーや、単純にタピオカドリンクについて知りたいユーザーまでサイトにアクセスすることになります。ユーザーの検索意図が絞れていないため、アクセス数の割りにビジネス効果は小さいという結果になりかねません。
一方で、スモールキーワードを活用するとどうでしょうか
スモールキーワードはビッグキーワードより検索ボリュームが少ないので、比較的上位表示が簡単です。また、検索時点で自社にとって都合のいいユーザーを厳選できるので、高いビジネス効果が期待できるでしょう。
たとえば、「タピオカドリンク 通販 キャラメル」で上位表示を狙えば、「キャラメル味のタピオカドリンクを通販で購入したい」ユーザーのアクセスに期待できます。自社がタピオカドリンクのネット通販をしていて目玉商品がキャラメル味ならば、アクセスが購入につながる可能性は高くなります。
スモールキーワードを活用して検索順位を上げれば、競合を避け効率的に成果を得ることが可能です。
まとめ
検索順位を上げる施策としてSEOが重視される理由は、コストパフォーマンスと継続性が高いからです。
検索順位を上げるには、どのような仕組みで順位が決まっているか理解しておくことも大切です。クローラにサイトを発見してもらい、インデックスで内容を理解してもらわないとスタートラインに立つことすらままなりません。
SEOの基本的な施策としては、キーワードの選定があります。キーワードは検索順位の仕組みを把握した上で、検索ボリュームから3つのカテゴリーから選定することが大事です。スモールキーワードを適切に活用できれば、競合を避けつつ上位表示が狙えます。
検索順位を上げるためにSEO対策は必須です。サイトを運営している方は、SEOの基本的な施策であるキーワード選定を確認しておきましょう。