COLUMNコラム
ソーシャルセリングとは?概要とメリット、デメリット、注意すべきポイントと使用するツールまでを紹介!
ソーシャルメディアの普及により、新たな販売手法として注目を集めているのがソーシャルセリングです。
ソーシャルセリングを活用することで、効果的な販売活動が可能になります。
しかし、注意が必要なポイントも存在します。
そこで本記事では、ソーシャルセリングの概要やメリット、デメリット、注意すべきポイント、さらに使用するツールまで詳しく紹介していきます。
ビジネスに最適な戦略を見つけるための手がかりとして役立てていただければ幸いです。
ソーシャルセリングの概要
まずは、ソーシャルセリングの概要やSNSマーケティングとの違いなどについて解説していきます。
ソーシャルセリングとは
ソーシャルセリングは、ソーシャルメディアを活用して顧客との関係構築や販売活動を行う営業手法です。
従来の営業手法の場合、顧客とのコミュニケーションは電話やメール、対面などを通じて行われていました。
一方の、ソーシャルセリングではTwitter、Facebook、LinkedInなどのSNSを利用して商品・サービスを販売することを目指します。顧客との関係構築や販売活動を効果的に行うためには、ソーシャルメディア上での情報発信が必要です。
また、個々のプラットフォームの特性やルールに注意して、戦略的に活用することが重要となります。
ソーシャルセリングとSNSマーケティングの違い
ソーシャルセリング・SNSマーケティング・インフルエンサーマーケティングはどれもSNSを活用するマーケティング手法となりますが、いずれも異なる手法です。
ソーシャルセリングは、顧客との関係構築と販売に重点を置いた営業手法です。
SNSマーケティングはブランド認知度向上や情報発信を中心に行われるマーケティング手法であり、インフルエンサーマーケティングは影響力のある個人を活用して商品やサービスを宣伝・販売する手法です。
それぞれの手法は異なる目的やアプローチを持ち、適切な状況や目標に応じて活用されます。
ソーシャルセリングの海外と日本の利用状況の違い
ソーシャルセリングは、海外で多くの事例があります。
特にアメリカでは、ビジネスに特化したSNS「LinkedIn」を利用している企業やユーザーが多いです。海外ではオンライン上でのコミュニケーションや商品購入が一般的であったため、ソーシャルセリングの導入も早くから進められていました。
しかし、日本では情報漏洩や炎上を恐れて、ビジネスでSNSを利用する文化は根付きにくいとされています。また、日本では組織的な力が評価される傾向にあるため、個人的な行動は敬遠される傾向にあるといえるでしょう。
社員による企業アカウントの運用は、炎上や情報漏洩の点から消極的な企業も多いです。
ソーシャルセリングのメリット
ここでは、ソーシャルセリングのメリットを3つ紹介します。
リードへの効果的な訴求
ソーシャルメディア上では、ユーザーが自ら興味やニーズを明らかにしており、リード(見込み顧客)を特定しやすくなります。
また、ソーシャルメディアを活用することで、リードに対してパーソナライズされた情報や提案を行うことが可能です。そのため、リードが関心を持つ商品・サービスを効果的にアピールできます。
商談時間の短縮
ソーシャルメディアの活用により、商談相手の関心事に合わせた提案が可能になるため、効率的なコミュニケーションができます。
また、商談の時点で相手は商品についての知識があるため、商談時間の短縮にもつながるでしょう。
さらに、顧客の興味やニーズに適したタイミングで商談のアポイントメントを取ることが可能です。これにより、無駄なアポイントメントの時間を減らし、商談時間を効果的に活用できます。
ターゲットを絞った的確な情報の提供
ソーシャルメディア上でのコミュニケーションを通じて、顧客と信頼関係を築くことができます。
販売者が情報発信を続けることで、顧客に専門性や信頼性を訴求できるでしょう。質問や懸念事項に対する迅速な対応も、信頼関係を深めるためのポイントです。
相手が欲しい情報を継続的に提供し、購入までの意思決定の時間短縮にも期待できます。
ソーシャルセリングのデメリット
ここでは、ソーシャルセリングのデメリットを2つ紹介します。
知名度が低いため日本ではやりにくい
ソーシャルセリングは欧米を中心に広がっている手法ですが、日本ではまだ広く浸透していません。そのため、顧客がソーシャルメディアで商品・サービスの購入を行うことに慣れていないと考えられます。
これが、ソーシャルセリングの効果を発揮しにくい要因になります。日本は欧米と違い、プライバシーやセキュリティに対する意識が高く、ソーシャルメディア上での情報共有や購買行動に抵抗感を持つことがあります。そのため、ソーシャルセリングのアプローチが上手くいかない場合があるでしょう。
キャリア構築がしにくい
日本のソーシャルセリングの知名度の低さが、個人のキャリアパスを描きにくくする要因になりえます。
営業や広報担当でソーシャルセリングの知見を学んでも、転職先で専門的なスキルとして評価対象にはなりにくいと考えることもできるからです。
ソーシャルセリングに特化したポジションが企業に少ないことも、専門職としてのキャリアが確立しにくい一因になります。
ソーシャルセリング使用時の注意点
ここでは、ソーシャルセリングを使用する時に注意すべきポイントを5つ紹介します。
情報内容量やタイミングは適切にする
ソーシャルメディアを利用する場合、商品・サービスの内容を販売したいあまり、商材の内容を一方的に発信してしまいがちです。
しかし、商材の情報量が多すぎるとユーザーを混乱させ、情報を受け入れる意欲を低下させてしまいます。
発信する内容はトレンドや流行などにも触れ、興味を引かれるコンテンツであると良いでしょう。
リードがいるコミュニティや業界に合わせてSNSを使い分ける
各SNSは特性や利用者層が異なります。適切なSNSを使い分けることで、ターゲットリードに効果的にアプローチできるだけでなく、より深い関係を構築できるでしょう。
まず、ターゲットリードがどのSNSを利用しているか調査し、ターゲットリードが活動するコミュニティや業界に合わせたSNSを選択します。例えば、ビジネス関連の情報交換が活発なLinkedInやTwitter、クリエイティブな活動をしている人が集まるInstagramやPinterestなどが主なプラットフォームになります。
プロフィールを最適化する
プロフィールは、販売者や販売者の企業を顧客に紹介する最初のステップです。
顔写真は、販売者に対する印象を大きく左右します。適切なプロフィール写真を選択することで、親しみやすさとプロフェッショナルさをアピールできるでしょう。
自己紹介は販売者の経歴や専門分野、得意なことを簡潔に紹介します。分かりやすく興味を引く自己紹介を作り、顧客の関心を引くことが重要です。
コミュニケーションを重ねる
リードや顧客との関係を築くためには、継続的なコミュニケーションが不可欠です。
定期的な情報発信を行い、リードや顧客との継続的なコミュニケーションを心がけましょう。
発信だけでなく、リアクションも不可欠です。Twitterなら「いいね」や「リプライ」を重ねることでリードが自分に興味を持つようになります。迅速かつ適切に返信することで、信頼感や親近感を構築できるでしょう。
これらの対話を通じて、リードのニーズや関心事を把握し、より効果的なアプローチが可能になります。
商談は信頼関係ができてから行う
リードとの関係を深め、信頼関係を築くことが商談成功の鍵になります。
リードとの関係を深めるためには、定期的な情報発信や適切なコミュニケーション、共通の話題や関心事に対して共感を示すことが効果的です。信頼関係ができていると、顧客は提案に対してよりオープンになり、商談に応じる可能性が高まります。
ソーシャルセリングに役立つツール3選
ここでは、ソーシャルセリングに役立つツールを3つ紹介します。
LinkedInセールスナビゲーター
LinkedInセールスナビゲーターは、LinkedInが提供するソーシャルセリングツールの1です。商談を進めるために設計されたプレミアム機能となります。
リード検索やリードの保存、アクティビティの表示、InMail機能など多彩な機能が盛り込まれています。
LinkedInセールスナビゲーターは強力なツールですが、利用料金が発生するため費用対効果に注意する必要があるでしょう。
ソーシャルメディアモニタリング
Meltwater社のソーシャルメディアモニタリングは、ソーシャルメディア上での企業に対する言及やトレンドを監視し、コメントやレビューをまとめるのに適しています。
リアルタイム監視やキーワード、ハッシュタグの検索、感情の分析、競合の分析などが可能です。
SlideShare
SlideShareはLinkedInが所有しているプロフェッショナルなコンテンツを共有するためのプラットフォームです。
インフォグラフィックやPDFファイル、動画など、多様な形式のコンテンツをアップロードし、共有できます。
スライドの閲覧・公開は無料です。自社ブランドを高めたり、社内勉強会としての使用も有効となります。
まとめ
この記事では、ソーシャルセリングの概要やそのメリット・デメリット、注意点などについて解説してきました。
ソーシャルセリングは日本ではまだまだ浸透度が低いですが、非常に効果の高い施策です。
この記事を参考にソーシャルセリングを開始してみてはいかがでしょうか。